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幸福はなぜ哲学の問題になるのか の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/12/30

実に繊細に、かつ上品に著者は幸福という概念を腑分けしていく。幸福を語る言葉がうさん臭いのはぼくの印象では「わかった者」が「わからない者」へお説教・御高説めいた言葉を垂れてしまう上下関係が必然的に生まれうるところだと思っている(もちろんこれはある種「不可抗力の事由」でもあると何ら皮...

実に繊細に、かつ上品に著者は幸福という概念を腑分けしていく。幸福を語る言葉がうさん臭いのはぼくの印象では「わかった者」が「わからない者」へお説教・御高説めいた言葉を垂れてしまう上下関係が必然的に生まれうるところだと思っている(もちろんこれはある種「不可抗力の事由」でもあると何ら皮肉を込めずに素直に思う)。そうした「上下関係」とそれに伴う「暴力性」「説教臭さ」を回避する穏やかな語り口に惹かれ、自分自身もこのヌエのような「幸福」という概念について考えてしまう。いや、概念に振り回される「誤読」はいけないのだけど

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2022/07/25

voicyの荒木博行のbook cafeの紹介が面白かったので読んでみました。 が、私には難しかった。 voicyでの紹介がなかったら、良さがわからなかったかも。 と言うことで、哲学書苦手な人は、voicy聞いてから読むと理解が進みます。 充足と上昇。どちらか一方ではなく...

voicyの荒木博行のbook cafeの紹介が面白かったので読んでみました。 が、私には難しかった。 voicyでの紹介がなかったら、良さがわからなかったかも。 と言うことで、哲学書苦手な人は、voicy聞いてから読むと理解が進みます。 充足と上昇。どちらか一方ではなく何事もバランスですね。 そこからの中庸の話。 実在論と観念論の話も考えさせられました。 手塚治虫の火の鳥未来編も読んでみます。

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2021/07/26

『幸福とは、先の立体構造における多数の「共振」の集合です。快楽だけでも欲求充足だけでも、そして客観的な人生の良さだけでも、幸福を得ることはできません。(省略)一階における「何」の問いから、二階、三階での「なぜ」の問いまでが、共振のもとで一挙にこたえられること。(省略)もしそれを積...

『幸福とは、先の立体構造における多数の「共振」の集合です。快楽だけでも欲求充足だけでも、そして客観的な人生の良さだけでも、幸福を得ることはできません。(省略)一階における「何」の問いから、二階、三階での「なぜ」の問いまでが、共振のもとで一挙にこたえられること。(省略)もしそれを積み重ねて行けたなら「幸福な人生」と呼んで差し支えないでしょう』 これを言いたいがための本だと感じた。

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2021/01/11

不安に押しつぶされそうなときに「あーこの一節に出会うために読書ってあるんだ」と思いながら読んだ。言葉との出会いは人生を支える手摺になる。

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2019/06/26

「幸福とは何か」「いかにして幸福になるか」「なぜ幸福になるべきか」という問いを哲学的に考察する道筋をわかりやすいことばで示している本です。 著者は、現代の哲学・倫理学における幸福論が「快楽説」「欲求充足説」「客観的リスト説」の三つについて紹介し、それらはたがいに対立するよりもむ...

「幸福とは何か」「いかにして幸福になるか」「なぜ幸福になるべきか」という問いを哲学的に考察する道筋をわかりやすいことばで示している本です。 著者は、現代の哲学・倫理学における幸福論が「快楽説」「欲求充足説」「客観的リスト説」の三つについて紹介し、それらはたがいに対立するよりもむしろ「共振」するということに注目して、著者自身の幸福についての考え方が語られています。 あるいは、テーマそのものがこうした論じ方を要求しているところもあるのかもしれませんが、哲学的な方法によって幸福の概念についての考察を展開していくのではなく、もうすこしわれわれ自身の実感に寄り添うような場面に足場を求めつつ、議論が進められているように感じられました。

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2017/02/17

http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-3be9.html

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2017/02/05

 幸福という概念について哲学的分析を行い、考察していく本。前半は、やたら断片的に話が進行するな、と思っていたらその理由は後半の章を読むとわかる。しかし、独りよがり感がかなりある本である。「おれの場合はこうだったから、同じ悩める人のためにこう考えたらいいんだぜパート」とか、「ぼくが...

 幸福という概念について哲学的分析を行い、考察していく本。前半は、やたら断片的に話が進行するな、と思っていたらその理由は後半の章を読むとわかる。しかし、独りよがり感がかなりある本である。「おれの場合はこうだったから、同じ悩める人のためにこう考えたらいいんだぜパート」とか、「ぼくが考えたこどものためのわかりやすい哲学コーナー」みたいなのを入れてくることが不愉快。著者が書きたいことを書いているといった感じは伝わるが、読者としてはまったく面白くない(逆にこのパートやコーナーに感銘を受ける人もいるのだろうが、純粋に幸福を論じることだけを期待している読者はがっかりなのではないか)。また、筒井康隆の小説レビューじみたものを入れてくることも私的な感じが強くて嫌。  とはいうものの、幸福についての哲学的分析は幸福についての概念分析において何をすればいいのか役立つ視点が多いことは事実である。その点は勉強になった。

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