ひとりでは生きられない の商品レビュー
ひとりでは生きられない 養老静江著 【著者】 養老孟司さんの母親です。 帝大医局に勤め、鎌倉に開業し、100歳手前まで生きた女性、女医、母としてのノンフィクションです。 ご自身で人生をかえりみての執筆です。 そのときのご年齢が90歳を超えていらっしゃいました。 【波乱万丈】 ...
ひとりでは生きられない 養老静江著 【著者】 養老孟司さんの母親です。 帝大医局に勤め、鎌倉に開業し、100歳手前まで生きた女性、女医、母としてのノンフィクションです。 ご自身で人生をかえりみての執筆です。 そのときのご年齢が90歳を超えていらっしゃいました。 【波乱万丈】 ①一回めの結婚 旦那様側が再婚。 2人子供を授かるも離婚されます。 ②二回めの結婚 ひと回り近く歳の離れた、年が下の人との結婚です。 親戚一同の理解が得られづらい時代です。 しばらくして、孟司さんを授かります。 ③時代 戦前、戦中、そして戦後です。 また関東大震災もありました。 震災では横浜で被災し、文京の医局まで徒歩で帰路します。 その道中の多くの死傷者の描写は、痛々しいでは足りません。 戦中では、夫が招集されます。 ④病理 結核含めて医療がまだ追いついていない時代です。 最愛の夫が30代半ばで結核でなくなり、父母そして妹もまもなく病死します。 自身をあやめうるシーンが複数回、回想されています。 しかし、生き続けます。 医療に向かい、患者に向き合いつづけます。 【さいごに】 心のなかに、芯、軸なるものを保持しつづけていた養老静江さん。 往生される最期までの印象が変化することはありませんでした。 生きるって何だろう。 働くって何だろう。 世界と自分を繋いでいるものは何だろう。 そんな問いを続けながら読みおえる一冊です。
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明治32年1899年生まれの女性が 仕事をもち 1995年に96歳で亡くなるまでの生涯を書く。 女医であったこと、3人を産み育て、養老孟司の母であったこと、を除いても 女性史として、残っていって欲しい。
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自分にも人にも淡々とした本音で接するがゆえに,人としての奥ゆかしさと根の強さをひしひしと感じる.周りの人に恵まれ,本人もそれを自覚しつつ最大限活用しながら生涯成長する強さを見習いたい.
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