海外勤務者・来日外国人の給与実務ダブルガイド 第2版 の商品レビュー
海外勤務者及び来日外国人の給与実務について税務面・労務面を中心に解説されていた。税務面と言ってもほとんどが源泉所得税絡みの論点であった。Q&A方式なので興味のあるところ、理解が不足しているところを中心に精読すれば知識として定着するであろう。 P304 外国人社員であっても、1週間...
海外勤務者及び来日外国人の給与実務について税務面・労務面を中心に解説されていた。税務面と言ってもほとんどが源泉所得税絡みの論点であった。Q&A方式なので興味のあるところ、理解が不足しているところを中心に精読すれば知識として定着するであろう。 P304 外国人社員であっても、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合には、雇用保険の被保険者となります。 また、雇用対策法(平成19年10月1日施行)に基づき外国人を雇用する事業主には、外国人労働者の雇入れ及び離職の際、その氏名、国籍、在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無などについて、ハローワークへ届け出ることが義務づけられており、届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合には、30万円以下の罰金の対象となります。 なお、雇用保険の被保険者とならない場合であっても、外国人を採用または外国人が離職した際には「外国人雇用状況届出書」に在留資格等を記入してハローワークへ届け出る必要があります。 P322 (2)社会保険 ①労災保険 労災保険はその適用対象を労働者としているため、非常勤役員Aは保険給付の対象となりません。 ②雇用保険 雇用保険の被保険者は適用事業所に雇用される労働者であるため、非常勤役員Aは被保険者にはなれません。 ③社会保険(健康保険·介護保険·厚生年金保険) 社会保険の適用事業所に常時使用される者は原則として法人代表者や役員を含めすべて被保険者となりますが、加入の適否を判断する上で問題になるのが「常時使用される者」という点です。特に役員の場合は労働時間という概念が無いため、一般的には、代表権·業務執行権があるか(実質的な経営権があるか、役員としての登記上の記載はあるか、定期的に出勤しているか、取締役会に出席しているか、報酬額は妥当かなどの観点から常用的使用関係について総合的に判断します。 非常勤役員Aについてみてみると、取締役会にはテレビ会議で参加し、日本に来ることはほとんどなく、役員給与も少額であるということから、一見すると加入義務はないように思われますが、アメリカ法人の役員に就任しており、取締役会等での発言権や決定権が強く日本法人X社への影響力が大きい場合には、「常時使用される者」とみなされ日本の社会保険に加入する必要がありますので、役員Aの実態についてご説明の上、日本年金機構等に加入可否の判断を委ねるのが良いといえます。
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