罪のあとさき の商品レビュー
2016/11/1 中学生が同級生を教室で刺殺した。その後、その頃。 更生ってなんだろう? 殺人を犯したあと、反省して心から悔いていたら幸せになっていいのかな。ダメなら更生してどう生きていくのかな。 答えは出ない。
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命を奪う人は根底から違うのか? 命を奪えば捕まる事は誰でも知っている それでも命を奪ってしまう。 そして、その事実は一生消えない でも、だからといってもう人生終わりなのか。 そんな見方だと、世界は平和になんかならないと思う
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自分の子どもが14歳を無事に生き抜いてくれてよかった、と本当に心からそう思ってしまう。 加害者にも被害者にもならずに、とりあえずは「ちゃんと」生きていてくれている、ただそれだけでもう充分じゃないか、とも。 14歳のときに教室でクラスメイトの首を切って殺害してしまった卯月君と、その...
自分の子どもが14歳を無事に生き抜いてくれてよかった、と本当に心からそう思ってしまう。 加害者にも被害者にもならずに、とりあえずは「ちゃんと」生きていてくれている、ただそれだけでもう充分じゃないか、とも。 14歳のときに教室でクラスメイトの首を切って殺害してしまった卯月君と、そのクラスメイトの楓ちゃんの再会とその後。 なぜ卯月君はクラスメイトを殺してしまったのか。理由が明かされないまま二人の距離が接近していくのを危うい思いで見つめながら読む。たとえどんな理由があったとしても、そしてそれが未成年者で「罪」として残らなかったとしても、絶対に許されるはずがない。幸せになんてなっていいわけがない。そう思う気持ちと、そこにあったであろう理由によっては、もしくはその後の生き方いかんによっては、新しい人生を歩き出してもいいんじゃないか、と言う気持ちで揺れ続ける。 卯月君の発達障害らしい性質と彼をちゃんと受け入れられない母親と、そして殺してしまったクラスメイトのヒミツ。いろんな条件がそこに重なっているけれど、多分、外から見ると「同級生刺殺事件」という一言で片づけられてしまう。たくさんの人の人生がその一言で片づけられてしまう。 犯罪者は幸せになってもいいのか。彼と楓ちゃんが選んだ道の険しさを思うと暗澹たる気持ちになるけれど、安易なハッピーエンドは必要ないと思う。罪を憎んで人を憎まず、と理解はしていても、殺してしまったクラスメイトにはもう二度と人生は戻ってこないのだから。やり直すことさえできないのだから。
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