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夜這い初体験 の商品レビュー

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離島の慣習と近い距離感をスリルに転じさせる熟れた人妻達

ここしばらくの過去作品を既読なら本作もまた説明不要の安定した小鳥遊作品の1つと言える。離島の閉鎖的なムラ社会で周りに知らぬ者なき近所付き合いの隙間を縫うように若き主人公との束の間の逢瀬を敢行するスリル。これが夫の帰りを待ちながらも疼く身体と旺盛な肉欲に加味され、熟女感を大いに増し...

ここしばらくの過去作品を既読なら本作もまた説明不要の安定した小鳥遊作品の1つと言える。離島の閉鎖的なムラ社会で周りに知らぬ者なき近所付き合いの隙間を縫うように若き主人公との束の間の逢瀬を敢行するスリル。これが夫の帰りを待ちながらも疼く身体と旺盛な肉欲に加味され、熟女感を大いに増した人妻同士の鞘当ても交えながら遂に得た快楽と官能的抑圧からの解放に溺れていく作風である。 タイトルの『夜這い』もまた離島にかつては存在し、今も噂レベルでは一部で罷り通っている風習とされているが、作中で明確なのは浪人中の主人公による最初の一度きりである。それも無理強いではなく、不意の到来に戸惑いながらも逞しく成長した主人公へのまばゆい想いと夫への操を行き来しつつ、それでも内心では喜んでしまい、いろいろと理由や言い訳を心の内で吐露しながら、つまりは葛藤しながらも最後は一線を越えて、若さ漲る主人公の責めに歓喜してしまう人妻の痴態が描かれている。 未亡人であれば周りも寛容なのに人妻だと辛辣という環境において、夫が長期に家を空けるならば同じではないかとヒロインの誰もが感じている燻りが背景にあり、これが主人公との秘密の一夜へと傾く一因にもなっている。 そんなヒロイン達は計4人登場するが、この4人が友人同士であることに加えて主人公宅の隣の奥さんやかつての担任だった女教師に友人の母といった、さらに距離の近い関係性が加味されたことで背徳への葛藤にさらなるスパイスが効いていたと思う。また、最初は臆して何もできなかった主人公が2人目、3人目……と進む度に(ほんの僅かではあるが)主体的な動きを見せ始めることで情交描写に少しばかりの違いも感じられた。 そんなヒロイン達の誰もが一目置く存在である主人公の実母が最後の最後に結末を担う形で登場する。「5人目のお相手」になるか?といった余韻を残して幕が引かれるのは画一的な結末ばかりな印象のフランス書院文庫(誘惑系)においては新鮮味として受け止めたいが、垂涎的な美貌を誇る実母との相姦を触りだけでもいいから個人的にはちょっぴり読みたかったようにも感じた……だからこその余韻と言えばそれまでだが。

DSK