博物館のファントム の商品レビュー
文庫本のより単行本の表紙絵の方が本の内容の雰囲気を出していて断然いい。国立自然博物館の博物学者の箕作類とコンピューター技師の池之端環の二人が遭遇する事件を描く連作短編だ。最初は蘊蓄だけが頼りの話かなあと思ったが、だんだんと面白くなる。いろいろないわゆる博物学の知識も面白いし、事件...
文庫本のより単行本の表紙絵の方が本の内容の雰囲気を出していて断然いい。国立自然博物館の博物学者の箕作類とコンピューター技師の池之端環の二人が遭遇する事件を描く連作短編だ。最初は蘊蓄だけが頼りの話かなあと思ったが、だんだんと面白くなる。いろいろないわゆる博物学の知識も面白いし、事件とそれを上手く絡めている。二人のやり取りも面白いし、他の登場人物もなかなかいい。最後のデニソワ人と現生人類の関係についての箕作の語りもいいねえ、ちょっと感動した。「四万年前を境に、現生人類の文化は爆発的に飛躍した。文化が飛躍する最大の原動力は、異文化との接触だ。異文化からの感染だ。その相手がネアンデルタール人やデニソワ人でなかったとは、誰にも言えないだろう」
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■「どんなものも絶対に捨ててはならない。-これは博物館の第一原則だ」 国立自然史博物館に預けられていた「呪いのルビー」が狙われた。最近、頻発している鉱物標本盗難事件と関連が?もしや呪いのルビーこそ<幻の宮沢賢治コレクション>なのか?―60年にわたり増改築が繰り返され「迷宮」と化...
■「どんなものも絶対に捨ててはならない。-これは博物館の第一原則だ」 国立自然史博物館に預けられていた「呪いのルビー」が狙われた。最近、頻発している鉱物標本盗難事件と関連が?もしや呪いのルビーこそ<幻の宮沢賢治コレクション>なのか?―60年にわたり増改築が繰り返され「迷宮」と化した博物館の旧館に棲みついた、変人博物学者・ファントムことみつくり箕作 類。「何も捨ててはならぬ」が口癖の彼と、片付け魔の女性新人分類学者・池之端 環のでこぼこコンビが解決のために動き出す―!全6編の連作短編集。新感覚サイエンスエンタテインメント!
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