メメントモリ・ジャーニー の商品レビュー
本のジャンルはエッセイまたは旅行記になるだろうか 出来上がった本がエッセイとして旅行記として出色という感じではない にも関わらず著者のものの考え方や表現の仕方には深いところで共感できるものがあるし、この人の視点で書かれたものがもっと読んでみたい気がする イベント情報がスマホ...
本のジャンルはエッセイまたは旅行記になるだろうか 出来上がった本がエッセイとして旅行記として出色という感じではない にも関わらず著者のものの考え方や表現の仕方には深いところで共感できるものがあるし、この人の視点で書かれたものがもっと読んでみたい気がする イベント情報がスマホ通じ小魚のように手の中に入り込んでくる。好奇心を満たしに行ける場所が豊富にあるというのは、素敵な事態じゃないだろうか。 船がたくさん行き来していて、生活のための海の道という気がする。そんな瀬戸内海が好きだ。 フェイスブックに出てくる地元が怖いのは、一度も人間関係のリセットボタンを押していない人の博覧会のように思えてしまうからだ。 どちらかというと内向的だけど好きなものがある。そんな人同士が仲良くなるには場所の 力がすごく大事だ。一緒に何かを作ったり、生き物を眺めてその魅力に触れたり、好きなものについて前のめりに語ったり〜
Posted by
メレ山メレ子(1983年~)氏は、大分県別府市生まれ、東大法学部卒、会社勤めの傍ら、2006年から旅行記ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」を始め、アルファブロガー・アワード2008の記事大賞を受賞。2012年から「昆虫大学」を主宰。旅行や昆虫に関する文筆活動や企画を行っている。...
メレ山メレ子(1983年~)氏は、大分県別府市生まれ、東大法学部卒、会社勤めの傍ら、2006年から旅行記ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」を始め、アルファブロガー・アワード2008の記事大賞を受賞。2012年から「昆虫大学」を主宰。旅行や昆虫に関する文筆活動や企画を行っている。近年、筆名を「沙東すず」に改称している。 本書は、「メメントモリ」(ラテン語で「死を想え」)+「ジャーニー」の題名の通り、死と旅についてのエッセイ集で、大きく以下の3部構成となっている。1.旅先で心に浮かんだ、人生や故郷、家族や友人への思い、2.西アフリカ・ガーナで自分のためのオーダーメイド棺桶を作りたいと思い立ってから、お金を集めて実際にガーナに行き、棺桶を日本に持って帰ってくるまでの話、3.東京で古いマンションを購入し、リノベーションを施して住まいを手に入れるまでの話。1部、2部と3部の前半は、初出が亜紀書房のウェブマガジン(2015年8月~2016年5月)で、3部の後半は書下ろし。2016年に出版された。 私は、本書が新刊で出たときに気にはなったものの購入せず、今般、たまたま新古書店で目にして入手した。 また、私はアラ還・男性の会社員だが、エッセイ集とはいえ、かなりプライベート感が強い内容と思いつつも、著者のものごとの捉え方、感じ方、考え方には共感するところも多く、面白く読み進めることができた。(自分の棺桶を作りにアフリカまで行くという感覚には、最後まで同調できなかったが。。。) 中でも、印象に残ったことをいくつか挙げるなら、以下である。 ◆著者が大人になってから足を踏み入れた自然科学系のコミュニティ(生き物・昆虫好きの集まり等)は、好きな物に囲まれて、大人になっても人生を心から楽しんでいる人ばかりだった。彼らには極端な人も結構多いが、そういう人たちが実は周囲から一目置かれ、愛されていることも少なくない。そうした中で、「私の幸せは私の幸せであって、他の誰のものでもない」という、至極当たり前のことに気付いた。 ◆様々なことで行き詰まり、大きな決意を旅先でしたくなる人がいるのはわかるが、自分がホームで抱えている問題がアウェイで解決することなどはあり得ない。旅はただの移動であり、気晴らしである。 ◆何が自分の幸福なのかは、自分で必死に考え、探さないと分からない。そんな簡単なことが、会社や家族といった組織の中で揉まれて幾重にも評価されて暮らしていると、だんだん見えなくなってくる。不幸になること以上に、あいつは不幸な人間だと周りから思われるのが怖くて、ちぐはぐな無理を重ねたりする。自分だけの幸福と世間並みの幸福が食い違っているのに、それに気付いていないと、知らないうちに体が不満で一杯になるし、煮詰まるにつれて、周囲にも世間の基準に合わせ、我慢することを求めてしまい、世の中がどんどん窮屈になっていく。 なんとなく生きづらさを感じているような若者(私のように、必ずしも若者には限らないが)にとって、いろいろな気付き・刺激が得られる一冊と言えるかもしれない。 (2024年7月了)
Posted by
これから生きていくうえでの、お守りになるような本だった。ガーナ編はおもしろくて一気に読んでしまったし、他の部分はメモったフレーズや考えが多かった。素敵な本だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ポジティブな人にはオススメ出来ません、が、ネガティブな面を強く持つ人にとっては、独りではないことを感じさせてくれる心強い一冊になります。 作中でガーナ記について、反応が『分かる』と『さっぱり分からない』の二分になっていると書かれている部分が有りましたが、全体としても似た傾向があると思いました。 死を意識したり、周囲から除け者にされたり、それでも何とか生きてきたという人(私自身のような)にとって、それでも未来を選ぶ権利はこの手にある事を教えてくれ、実践してくださっている作者様の文章には引き込まれるものが強く有りました。 はじめにあった駅の案内板の様に。私にとって、この本こそが案内板の一つになるのかもしれません。
Posted by
チグハグに見える体験が、全て「死」に、そして「生」に繋がっていく様子がすごく胸に来る。生きづらさを抱えるからこそ、向き合えるものもあるんだなあと思う。私も何度もリセットボタンを押してしまう。少しでも自分が息をしやすいところで生きたい。
Posted by
こういう感受性って、昔はあった気がするけど歳をとるごとになくなっていったなーと思いながら読みました。 最初は「こんなこといちいち考えて生きてんの?めんどくさ」ってちょっとイライラしながら読んだんです。というかイライラしてしまった。仕事忙しくて、仕事終わっても明日の仕事のことしか考...
こういう感受性って、昔はあった気がするけど歳をとるごとになくなっていったなーと思いながら読みました。 最初は「こんなこといちいち考えて生きてんの?めんどくさ」ってちょっとイライラしながら読んだんです。というかイライラしてしまった。仕事忙しくて、仕事終わっても明日の仕事のことしか考えられない日とかある時とか、こういう感受性って邪魔なんですよ。なんで生きてるとか人付き合いがどうとかそんなこと言っていられない。言ってる人を見ると「うるせー暇人!」って暴言を吐きたくなるような余裕のなさが、読みながら蘇ってきてしまった。(もちろんそんなものはただの八つ当たりなんで絶対に外に出してはいけないものなのは百も承知) 好きなことがあって、それを共有できる仲間や友達がいて、自分が心から安らげる居場所を作って、これから訪れる死を迎えるための準備を整える。 こういうことをやれるだけの感受性と財力と人脈があるっていうのは幸福なことだなーと思いました。 こういうことを考えられる世界は平和だなーと考えちゃうのはきっと皮肉ですごく心の狭い感想。 この本をまっすぐに受け止められない人間になってしまったことにため息をつきました。
Posted by
少しずつ読もうとしてたのに結局一気に読んじゃった!(;´Д`A でも面白かったからいい! 人に迷惑かけないくらいに好きに生きたら死ぬ時もまあまあ満足かも。棺桶作りに行くなんて話、普通にしてたら聞けないもんなあ。本ってありがたい(^∇^)それにしてもスピリチュアルな人たちってかな...
少しずつ読もうとしてたのに結局一気に読んじゃった!(;´Д`A でも面白かったからいい! 人に迷惑かけないくらいに好きに生きたら死ぬ時もまあまあ満足かも。棺桶作りに行くなんて話、普通にしてたら聞けないもんなあ。本ってありがたい(^∇^)それにしてもスピリチュアルな人たちってかなり迷惑だなーε-(´∀`; ) 逃げなくちゃ!
Posted by
世間の幸せと、個々人の幸せは違うというところ、はっとした。他人の生き方からずれた方に進もうとするとき、少数でも理解してくれる人は、必ずいると思えた。 もう大人なのだから、ちょっとくらい寄り道したり失敗したりしても、狼に食べられたり、お母さんに怒られたりしないよ。
Posted by
軽そうな先入観で読み始めたら意外にかみ応えがあり、メメントモリとジャーニーを結びつけるからして確かに変人だろうとは予想していたが、ガーナへ棺桶を作りに行くぶっとびようで面白を超えて唖然だった。各ジャーニーは、著者の博物学知識があれこれ結びつけられていて、私もいろいろ見知ってジャー...
軽そうな先入観で読み始めたら意外にかみ応えがあり、メメントモリとジャーニーを結びつけるからして確かに変人だろうとは予想していたが、ガーナへ棺桶を作りに行くぶっとびようで面白を超えて唖然だった。各ジャーニーは、著者の博物学知識があれこれ結びつけられていて、私もいろいろ見知ってジャーニーしたいなあ、とむくむく思い始めたのだった。
Posted by
- 1
- 2