ホロコーストとユーモア精神 の商品レビュー

広瀬佳司(著者),佐川和茂(著者),伊達雅彦(著者)

2016/12/14

ホロコーストの悲劇の記憶を風化させず、後世に継承することは人類にとって必要不可欠と主張する人は多い。語らないわけにはいかない、語り続けることが必要であると彼らは言う。とりわけユダヤ人にとって、それは民族的な至上命令でもある。ただ伝え方、語り方を間違うと被害者（ユダヤ人）の意図を歪んだ形で継承する可能性があることも否定できない。それゆえ、憎悪を抑えてホロコーストの事実を伝えるためにユーモアが必要とされたのではないだろうか。おそらくホロコーストのような巨大な悲劇にはユーモアでしか掬い取ることができない面がある。