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武満徹 ある作曲家の肖像 の商品レビュー

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2017/10/12

子どもたちが、約束のしるしに、指切りを交わすとき―― 戦時中、「軍国少年」だった武満徹は、自分の小指を刃物で切りつけ、その血の印を署名に添えたことがあるという。信望の厚いひとりの人物が、遠い地に赴任させられるのを阻むために。そして少年は友人たちにも同じことを求めた。そのような「血...

子どもたちが、約束のしるしに、指切りを交わすとき―― 戦時中、「軍国少年」だった武満徹は、自分の小指を刃物で切りつけ、その血の印を署名に添えたことがあるという。信望の厚いひとりの人物が、遠い地に赴任させられるのを阻むために。そして少年は友人たちにも同じことを求めた。そのような「血判」は当時も普通のことではなかった。「彼の激情の片鱗」を垣間見たと、居合わせた同級生は証言している。本書の第一章に引用された挿話である。(三松幸雄)

Posted byブクログ