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インド思想入門 の商品レビュー

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2017/05/14

借りたもの。 タイトル通り。インド思想において重要なヴェーダ(と、その奥義書であるウパニシャッド)について、その内容、思想の変容を時系列と共にまとめた本。 また、大陸からもたらされた仏教を通して日本の文化にも影響を与えているものを示唆。 細かいことは抜きにして、大筋や有名な単語の...

借りたもの。 タイトル通り。インド思想において重要なヴェーダ(と、その奥義書であるウパニシャッド)について、その内容、思想の変容を時系列と共にまとめた本。 また、大陸からもたらされた仏教を通して日本の文化にも影響を与えているものを示唆。 細かいことは抜きにして、大筋や有名な単語の語源、意味、解釈を端的にまとめているので読みやすく、わかりやすい。 宇宙の成り立ちを探求する自然哲学から、神秘的聖音オーム、人間哲学、死生観 個人的には、インドの自然哲学的、自然神の多神教な発想が次第に唯一の絶対的な超越者の擬人像(当初は概念的なものだったらしい。)ををとる理由が、想像力を突き詰めた結果という解釈が腑に落ちなかった。 著者が指摘するように、アーリア人の流入がヴェーダに変容をもたらした、という解釈に納得している。ならば、アーリア人による中央集権化、ヒエラルキーの成立、支配/被支配の関係がその思想に拍車をかけたのではあるまいか? 儀式・魔術的なもの(俗信も含めて)もあったヴェーダが、次第に「業(カルマ)」に基づく「輪廻」からの「解脱」を目指すようになってゆく…… それは、やはりヒエラルキーによる無情と、世の無常故か?

Posted byブクログ