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夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か の商品レビュー

3.6

12件のお客様レビュー

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2022/10/05

https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057414

Posted byブクログ

2022/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人口とはartificial、とMan-Madeの二つの意味。自然界にあるものを人工化する、自然界にないものを作る人工物、の違い。 水と二酸化炭素に太陽光エネルギーを加えて、炭水化物と酸をを作る。 炭水化物を燃やして(酸素と結合)、エネルギーを取り出し水と二酸化炭素を作る。 樹木の生長期間程度の時間で燃やすなら二酸化炭素は増減しない。石炭石油天然ガスなどは、長い時間かかって貯めたものを短期間でエネルギーを取り出してしまう。=カーボンプラス。 太陽光エネルギー変換効率は光合成は低く1%に満たない。太陽光発電は15%を超える。太陽電池はエネルギー変換効率から見て有望。 エネルギーとして電気ではなく水素として蓄える。 水素を燃やすとエネルギーが出て、水が生まれる。 水素を作るために太陽光を使う。 水素は化学工業原料としても重要。なんでも作れる。 人口光合成で水素を作る方法が第三世代のつくり方。 シノアバクテリアが海の中で光合成をおこなった。葉緑体の起源。 光合成とは、水と二酸化炭素から水分子が酸化され、二酸化炭素が還元され、糖を生成する。 酸化は、酸素を得る反応、ではなく電子を奪われる反応。還元は電子を受け取る反応。 光子束密度問題。 天然の光合成を遺伝子操作で改変して光合成のエネルギー変換効率を高める方法。 海洋面で藻類の光合成を利用した水素プラントを作る。赤道無風帯と呼ばれる広大な海洋面に作れば食料生産とも競合しない。 半導体光触媒を用いて水素を作る方法が、実用化への道のりが近い。ソーラー水素。 直接の出荷物は水素ではなくエチレンやプロピレンなどの化学原料。コストやインフラの関係から採算が合いやすい。少しずつ新しいシステムに移行するほうが現実的。 エネルギーは、もともと安いので、新技術でエネルギーを作ってもコスト的に合わない。実用化できない。化学品ならエネルギーだけよりも付加価値がある分、コストがかかっている。 CO2を吸収貯蔵する単価も加えて計算できるか。 再生可能エネルギー因子で実用化の条件を評価する。 投入エネルギーよりも大きい必要がある。 太陽光発電が必ずしも変換効率が高いほうがいいわけではない理由。変換効率アップのために希少元素を使わないほうがいい場合がある。 化石資源の効率は2。1のエネルギーを使って3取り出せる。差し引き2が残る。 二酸化炭素削減の観点からいえば、0.67あれば、石油の代替で現在の二酸化炭素量と同じにできる。 太陽光の利用は、 電力にする太陽電池、 人口光合成 植物の光合成を改変する、半導体光触媒、金属錯体などの分子触媒、の3つ。どれも推進すると技術の融合が起きる。

Posted byブクログ

2022/02/06

人口光合成という言葉は知っていてが単純に植物のプロセスを人工的に行うものだと思っていたが違っていた。 生物学からからのアプローチの他にも色素分子触媒、金属錯体触媒や半導体光触媒と言ったアプローチが研究されていることをしれた。また、それぞれのメカニズムや課題など説明されていて概念...

人口光合成という言葉は知っていてが単純に植物のプロセスを人工的に行うものだと思っていたが違っていた。 生物学からからのアプローチの他にも色素分子触媒、金属錯体触媒や半導体光触媒と言ったアプローチが研究されていることをしれた。また、それぞれのメカニズムや課題など説明されていて概念は分かりやすかった。(化学式は把握できないが、例えで説明されていてる。) また、人口光合成を使っても投入エネルギーでカーボンプラスになったら意味がないと書かれていて、当たり前の事かも知れないが、手段を目的化しないためにも持っておくべき大事な視点だなと思った。

Posted byブクログ

2021/02/17

本来、ブルーバックスは、学者や学生だけでなく、産業人、セールスマン、家庭の主婦まで読めるように作られている(はず。巻末の「発刊のことば」によれば)。 もっとも本書のように、化学反応式が多用されているようなものは、自分も含む、いわゆる”文系”の読者にとっては「難読本」の一種だろう...

本来、ブルーバックスは、学者や学生だけでなく、産業人、セールスマン、家庭の主婦まで読めるように作られている(はず。巻末の「発刊のことば」によれば)。 もっとも本書のように、化学反応式が多用されているようなものは、自分も含む、いわゆる”文系”の読者にとっては「難読本」の一種だろう。 一個一個ググりながら調べていけば、全部理解できるのかもしれないが。。。 ただ、読み方を工夫すれば、必要な情報だけを選択して理解することは可能だ。 自分の場合、 1.人工光合成の基礎、2.今、技術的にできることできないこと、3.競合技術、4.実用化への課題、時間軸 を知りたかったので、関連する部分を拾い読みした。 なので化学反応式の類はほとんど読み飛ばしながら完読。「夢があるし面白いんだけど、まだまだ時間はかかりそうだ」ということはよく分かった。 かつて技術開発がすんでいるのに実用化が止まっているものもあるようだ。ただ、「コスパが悪い」「商業ベースに乗らない」等々の理由で放っておくのも問題がありそうだ。 他国の優れた技術が入ってきて、既存の企業・産業が太刀打ちできないリスクもある。 環境問題は世界共通のテーマだし…。企業はESGとかSDGsとかでカネを投じるなら、時間軸は長いが夢がある、本書のような分野にしたらどうだろうか。

Posted byブクログ

2018/03/22

光触媒を用いた人工光合成は太陽エネルギーと水から取出した水素と工場等からの副産物である二酸化炭素を原料とし、最終的にプラスチック原料を造り出すという壮大なストーリーに感動した。植物の光合成における明反応と暗反応の仕組みと類似しており興味深い。

Posted byブクログ

2016/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人工光合成は、太陽光を使って水素を直接作る。かな。 植物が1%しか太陽エネルギーを利用できてなく 太陽電池が15%も利用できている という事実は驚いた。 残りは難しくてめんどくて読めなかった。

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2016/10/31

この書評を投稿している本棚サイト「ブクログ」が募集をしていた献本企画に申し込んだら当選した。本当に当たるんだ。「人工光合成」なるものが実現することとなったら、エネルギー問題が解決するということなんだろうなと少々の期待をもって読んでみた。 読んでみてすぐにわかったが、この内容でB...

この書評を投稿している本棚サイト「ブクログ」が募集をしていた献本企画に申し込んだら当選した。本当に当たるんだ。「人工光合成」なるものが実現することとなったら、エネルギー問題が解決するということなんだろうなと少々の期待をもって読んでみた。 読んでみてすぐにわかったが、この内容でBlue Backsといえども新書でやってはいけない内容だ。化学式がふんだんに出てきて理解が進まない。明らかに新書が想定する少し専門知識に興味がある一般読者を無視している。 最後の方のページで執筆陣として、12の大学・研究機関から13人の執筆者が名前を連ねていた。そういうことであれば、こういう内容になってしまうのも仕方がないかもしれない。新書形式で、一つのテーマを一般に届けようというのであれば、一人(せいぜい二人)の熱い思いをもった個人が責任をもって仕上げるようにしなくてはよいものができるはずがない。帯を見ると小さく「光化学協会 創立40周年記念出版」と書かれている。そういうこと(自己満足)だけなら新書でやらないでほしい。 人工光合成の基礎技術のひとつであるホンダ-フジシマ効果というものは、その名前の通り日本人による発見であるらしい。そして、この延長での研究は日本でだけ進められているオリジナルなものであるという。ただ、そのエネルギー効率性は実用化まではまだ遠い。そのあたりの周辺情報だけを訊くと、どうも日本発の技術にこだわるあまり”Not Invented Here”症候群になってしまっている危険性すら感じる。実際には人工光合成をしたいということよりも、エネルギー問題を解決するということにあるのだから、その観点で技術の判断はされるべきである。この本でも対抗技術として紹介されている太陽電池の技術は着々と発展しており、2016年10月末にはTeslaのElon Maskが見た目が通常の屋根パネルとあまり変わらない発電パネルを開発したと発表したことも含めて、産業資本がしっかりと入っている。 本来、批判的な書評を書くのであれば、きちんと事実を確認してから書かないとフェアではないのだが、その力もなく、同じく影響力もないので、勘弁してほしい。でも、これで新書はダメじゃないのかな。Blue Backsらしいといえば、らしいのだが。 せっかくもらったのだけれど、勧められないのよ。

Posted byブクログ

2016/10/21

実用化に成功すれば、半永久的にクリーンエネルギーが得られる夢の技術である「人工光合成」につき、その理論と実現に向けた現在の状況等をわかりやすく記した本。 とはいっても、バリバリ文系の私にはまだまだ難しく感じた。 現時点では日本がかろうじて実用化の実現に先んじているようだが、一日も...

実用化に成功すれば、半永久的にクリーンエネルギーが得られる夢の技術である「人工光合成」につき、その理論と実現に向けた現在の状況等をわかりやすく記した本。 とはいっても、バリバリ文系の私にはまだまだ難しく感じた。 現時点では日本がかろうじて実用化の実現に先んじているようだが、一日も早く実用化レベルにこぎつけて、人工光合成については日本がパイオニアとなり、世界のエネルギー問題解決の貢献者となるよう、切に祈る次第。

Posted byブクログ

2016/10/09

(多分高校の授業でやったはずの)酸化と還元の定義から始まり、自然の植物が行なっている光合成の仕組みから、人工光合成の起点となる光触媒の理論まで、端折ることなく丁寧に解説されている。 面白いのは人工光合成で得られる、燃焼させても水しか発生させない理想のエネルギー源であるはずの水...

(多分高校の授業でやったはずの)酸化と還元の定義から始まり、自然の植物が行なっている光合成の仕組みから、人工光合成の起点となる光触媒の理論まで、端折ることなく丁寧に解説されている。 面白いのは人工光合成で得られる、燃焼させても水しか発生させない理想のエネルギー源であるはずの水素が、単純に化石燃料の代替物とは見られていないこと。すでに化石燃料が普及した現代では、水素利用のためのインフラ再投資に莫大な費用がかかるため、まずはエチレンやプロピレンなどの化学原料の生成に利用するのが現実的だという。考えてみればエネルギー源はあらゆる産業のプラットフォームなので安ければ安いほど良く、エネルギー供給それ自体をビジネスにした場合採算が取れないのは当たり前だ。かてて加えて、人工光合成の太陽エネルギーからの変換効率は未だ数%。ゼロコスト社会の到来をややユーフォリックに予言する本が売れているが、科学技術の進歩がいくら急だとはいえ、現実にはフリーエネルギー社会が実現するのはかなり先のことになりそうだ。 本書を読んで勇気付けられるのは、この分野での日本の基礎・技術研究の貢献の度合いが相当に高いということ。是非このままの位置をキープしてもらいたいと思う。

Posted byブクログ

2016/09/25

あとがきを読むと編集者のおかげで読みやすい本にまとまったように書かれている。しかし、私にとっては、第2章の途中までがいいところで、それ以降はとんと理解できないまま、字面を追ってしまった。まあ、いつものことだけれど。電車のなかという環境が良くないのか。横で会話が始まると、本の内容は...

あとがきを読むと編集者のおかげで読みやすい本にまとまったように書かれている。しかし、私にとっては、第2章の途中までがいいところで、それ以降はとんと理解できないまま、字面を追ってしまった。まあ、いつものことだけれど。電車のなかという環境が良くないのか。横で会話が始まると、本の内容はほとんど頭に入らない。なんとなくでもわかったことは、人工光合成は自然の光合成を完全に真似ようとしているのではないということ。光のエネルギーを使うという点は同じ。水と二酸化炭素を原料にするのかどうかもあやしい。光電池や燃料電池の仕組みとはちょっと違うらしい。ともかく、無尽蔵ともいえる太陽からの光エネルギーを、効率よく自由に使えるエネルギーにしたり、有機物に変えたりできれば、それは素晴らしいことだろう。そして、この研究は急速に進んでいるということ。にもかかわらず、すぐには実現できないから、何世代にもわたって、タスキをつなぎながら研究を続けなければならないということ。いまの小中学生にも期待がかかるということ。そんなことが、おぼろげながらわかった。

Posted byブクログ