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燈火 の商品レビュー

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2020/05/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

ビジネス書ばかり読んでいると、どうも疲れる、しんどくなる。そんな前ばかりは向いておられんよ、となる。 そんな時は小説を読むことにしている。 ああしろこうしろ言われないのがいいのかもしれない(笑) しかも三浦哲郎の小説は、前向きに生きていこうよということも言ってこない。 国語の教科書に載っていた、三浦哲郎の小説を、ふいと思い出して、本を集めだしてから、この作家の本が大好きになった。子どものころでは、良さが分からなかった。 日常に入り込んでいる死の暗さ、その良さなんて分からない。その影があるから、三浦哲郎の描く日常に引き込まれる。ハラハラする。特に何が起きるでもないし、起きたとしても私たちも経験するような普通のことなのに、だ。 なんて思いながら解説を読んでびっくり。三浦哲郎自身、「日常の些細な風景の中にある翳り」を描こうとしていたのだと当人が話していたのだ。よかった、私はその翳りを感じていた(読解力がないので不安だった…) 日々疲れたときに読み返すような本。また読みたい。

Posted byブクログ