天下を計る の商品レビュー
面白かったです!長束正家の本も岩井三四二さんの本、どちらも初めて読みました。長束正家は自分的にあまり活躍していない人だと思っていましたが九州征伐をはじめ朝鮮討ち入りでも活躍して、結構すごい人なんだなと思いました。また、岩井三四二さんの本も読んでみたいです。
Posted by
戦国時代を輜重の面から描いた作品。人足、食糧、馬など計算して現実的な兵の数を決める。秀吉の下で頭角を現したが関ヶ原では徳川家では自分の居場所が無いと悟る。
Posted by
長束正家、豊臣5奉行の一人、高い算術能力を買われて、財政を一手に担う。 吏僚としては、この時代では一流の武将であり、兵糧奉行として兵糧の輸送に活躍した。 豊臣秀吉に仕えていたが、当時徳川氏と和平の機運あり、本多忠勝の妹栄子を正室としている。 立場的には、石田三成と近しい立場にあり...
長束正家、豊臣5奉行の一人、高い算術能力を買われて、財政を一手に担う。 吏僚としては、この時代では一流の武将であり、兵糧奉行として兵糧の輸送に活躍した。 豊臣秀吉に仕えていたが、当時徳川氏と和平の機運あり、本多忠勝の妹栄子を正室としている。 立場的には、石田三成と近しい立場にあり、豊臣家の武闘派武将と対立、関ヶ原で敗れ自刃している。
Posted by
長束正家を主人公とした歴史小説。正家は豊臣政権の五奉行の一人である。算術の才で仕え、秀吉の戦いの兵站を支えた。秀吉を描いた作品では弟の秀長は秀吉を支えた善人と描くが、本書の秀長は私腹を肥やす人物である。身内には良い親父が大きな組織になると害悪になる例だろう。一方で秀長は秀吉に直言...
長束正家を主人公とした歴史小説。正家は豊臣政権の五奉行の一人である。算術の才で仕え、秀吉の戦いの兵站を支えた。秀吉を描いた作品では弟の秀長は秀吉を支えた善人と描くが、本書の秀長は私腹を肥やす人物である。身内には良い親父が大きな組織になると害悪になる例だろう。一方で秀長は秀吉に直言できた人物だったと評価している。 兵站の大切さが語られる。十万人の行軍ならば十万人分の補給を考えなければならない。『吾妻鏡』は奥州合戦の幕府軍を二八万騎、承久の乱の幕府軍を十九万騎とするが、現実離れしている。 天下人は諸大名に号令して戦を行う。しかし、その兵站は秀吉と他の天下人で相違があった。他の天下人の場合、補給は諸大名が自分で行う。これに対して秀吉の場合は「兵三百を出せ」と言われたら、大名は基本的に兵三百を出した。兵站は石田三成ら奉行衆が手配した。その代わり米を某所に送れ、材木を某所に送れと命じられた大名もいた。この統一的なロジスティックスは九州征伐や小田原征伐では成功した。豊臣政権の空前絶後なところであり、天下統一までの秀吉は神がかっていたと言われるほどである。 秀吉は恐怖政治の独裁者になっていた。「みな秀吉の顔色をうかがうばかりだから、こちらの言い分ばかり押しつける結果となり、奥羽大小名の不満は押さえつけられるばかりで、解消されることはない」(187頁)。これは市民に負担を押し付けるだけの現代日本の官僚組織と重なる。
Posted by
豊臣家の五奉行の一人、長束正家の一代記です。 確か教科書でも出ていましたし、色んな小説に顔を出すので名前は知っているのですが、人物としての印象は薄い長束正家。五奉行の一人なので事務方の人間なんだろうな~くらいの知識しかありません。そんな人物を主人公に取り上げるのが、さすが岩井さん...
豊臣家の五奉行の一人、長束正家の一代記です。 確か教科書でも出ていましたし、色んな小説に顔を出すので名前は知っているのですが、人物としての印象は薄い長束正家。五奉行の一人なので事務方の人間なんだろうな~くらいの知識しかありません。そんな人物を主人公に取り上げるのが、さすが岩井さんというところなのですが、私にはもう一つでした。Amazonなどでは高い評価を貰っている本ですが。。。 経済視点から戦国時代を描いたことを高評価の理由として挙げている人も多いのですが、私はもともと特に秀吉など兵站を重視した武将が生き抜いたと思っていましたし(日本陸軍は余りに兵站を軽視し、第二次大戦で死没した日本兵の大半は飢餓や栄養失調によるものだったと言われている)、そこには余り感動もせず。 岩井さんの描くどちらも腹黒い秀吉と家康の間で、主人公が彼等のような政治的・戦闘的武将と一線を画して「算用者」として筋を通し切れば爽やかな物語になった気がしますが、下手に政治的に挟まって忖度したりウロウロしている感じがするのです。
Posted by
まず、主役が長束正家であるというのが意外だった。 豊臣政権から関ヶ原までの流れを武功や知略、人間関係ではなくひたすら経済の面から語っているのがおもしろい。 九州征伐、小田原攻め、朝鮮出兵についてもいかに兵糧を輸送するかというところがメインなので、わりと客観的に表現されていてわかり...
まず、主役が長束正家であるというのが意外だった。 豊臣政権から関ヶ原までの流れを武功や知略、人間関係ではなくひたすら経済の面から語っているのがおもしろい。 九州征伐、小田原攻め、朝鮮出兵についてもいかに兵糧を輸送するかというところがメインなので、わりと客観的に表現されていてわかりやすかった。 長束正家という人物については、おそらくここまで男前ではないだろうと思う。文章については現代風な言い回しも多いので、かっちりした歴史表現を好む人は気になるかもしれない。
Posted by
豊臣政権の五奉行の一人である長束正家の生涯を描いた小説。長束を主人公にする小説など、ありそうでなかった。さすが岩井三四二氏、目の付け所が違う。戦国武将であるが文官であるので戦闘シーンは多くないが、兵糧や船舶の手配など、戦に欠かせない重要な裏方の仕事に触れることができる貴重な作品で...
豊臣政権の五奉行の一人である長束正家の生涯を描いた小説。長束を主人公にする小説など、ありそうでなかった。さすが岩井三四二氏、目の付け所が違う。戦国武将であるが文官であるので戦闘シーンは多くないが、兵糧や船舶の手配など、戦に欠かせない重要な裏方の仕事に触れることができる貴重な作品である。
Posted by
- 1