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天下と天朝の中国史 新赤版 の商品レビュー

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2017/08/30

公平で崇高な漢族を越える立場の天子と天下を私する皇帝。正に中華思想を表す概念だ。それが書のタイトルでもある。夏から始まった中華(夏)という概念。周の時代にも、自らを夏と呼んでいたとは面白い。そして秦や楚も夷とされていたのが、中華(中原)が拡大していった様子。南北朝時代の前秦の符堅...

公平で崇高な漢族を越える立場の天子と天下を私する皇帝。正に中華思想を表す概念だ。それが書のタイトルでもある。夏から始まった中華(夏)という概念。周の時代にも、自らを夏と呼んでいたとは面白い。そして秦や楚も夷とされていたのが、中華(中原)が拡大していった様子。南北朝時代の前秦の符堅、北魏・孝文帝などが文化面で漢族に後れを取っていたことを認識しつつ、善政を敷いていた。「中国」という言葉は1901年に梁啓超が天下の中心にあって文明の高い地域を指す歴史を一貫して呼び習わす用語として初めて使用したのだそうだ。元明清の近世の3国名は、いずれも理想を表す一般用語から来ており、過去の名称と全く異なるものであること。「大元、大明、大清」のように大が付く名称であったとは初耳だった。清の雍正帝が反女真の立場から謀反を企てた曾静を処刑せず、自ら厳しい尋問により完膚なきまでに説服、その後は彼を全国に派遣して徳を称揚させる生きた広告塔にした!もの凄い話である。繰り返された華民族と夷民族の鬩ぎ合いの歴史が面白い。なお、600年に隋・文帝への倭国の使者が「倭王は天を兄とし、日を弟としております。」と答えたとの隋書の記事。中国では天は父なので、倭王から隋帝は「甥」になってしまう!倭が尊大な姿勢で臨んでいたとは吃驚である。「漢」が、人を見下す場合に用いられるのも繋がりがあるよう。

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2016/11/20

現代中国の世界観は、伝統的に引き継がれる、大天下感、そのものだ。天朝、天下の概念のコアと変化を通してみる、中国通史。

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2016/11/14

中国の歴史を、その天下と天朝という考え方を中心にして紐解いていかれています。それによって現代の中国の違和感ある行動への理解を得ることができるのではないかと思います。古代から丁寧に時代を遡り、中国が決して一つの国であったわけではないこと、その範囲は夷狄との兼ね合いによってドラスティ...

中国の歴史を、その天下と天朝という考え方を中心にして紐解いていかれています。それによって現代の中国の違和感ある行動への理解を得ることができるのではないかと思います。古代から丁寧に時代を遡り、中国が決して一つの国であったわけではないこと、その範囲は夷狄との兼ね合いによってドラスティックに変化していたこと、臨場感をも感じながら読ませていただきました。徳を持った君主が統治する国であるという強迫観念にも似た伝統といえるものが通底にあるのだなと、今の中国を理解することができそうに感じています。

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2016/09/29

面白かった。異民族の王朝のおかげで中国の現在の領土が出来上がったことが分かる。それなのに中共政府の非漢人に対する扱いは酷すぎる。

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