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キッドのもと の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2017/10/29

内容(「BOOK」データベースより) 倉敷の旧家に生まれた水道橋博士。新宿で雀荘を営む両親の下で育った玉袋筋太郎。対照的な少年時代を送った二人はビートたけしへの熱狂を通じて「相棒」と出会う。生い立ちからフランス座修業とそれに続くたけし軍団での凄絶な日々、芸能界に独特の地位を築いた...

内容(「BOOK」データベースより) 倉敷の旧家に生まれた水道橋博士。新宿で雀荘を営む両親の下で育った玉袋筋太郎。対照的な少年時代を送った二人はビートたけしへの熱狂を通じて「相棒」と出会う。生い立ちからフランス座修業とそれに続くたけし軍団での凄絶な日々、芸能界に独特の地位を築いた漫才師としての矜持から家族論まで。孤高の漫才コンビが余すことなく書いた、笑いと涙のセルフ・ルポ。 正直浅草キッドに関心を持ったことはなく、お笑いなんだけれどもネタをばっちり見た事は無く、なんとなくいい位置にいてコメンテーターだったりゲストで出るとそれなりに面白いという感覚しかありませんでした。最近興味を持ったきっかけは、玉袋筋太郎氏の自伝的小説を読んで、下手な文章に垣間見える暑苦しい性格がとても気に入って、見つけ次第読んでいこうと思ったからに他なりません。 この本は御茶ノ水博士と玉袋筋太郎2人が交互に自分の生い立ちから、コンビ結成に至るいきさつや人生観を語っています。興味無いとは言いながらタモリ倶楽部などでよく見ていたので、人柄をなんとなくわかっていたので、読んでみて博士のめんどくさい性格と、玉袋氏の暑苦しい性格が満々に文章にあふれていてとてもよかったです。 ビートたけし氏への偏愛ともいえる傾倒がすごいなあ。人はここまで人に影響を及ぼせるのかと驚愕しました。やはりビートたけし氏は巨人ですね。

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2016/10/17

高円寺の文禄堂でサイン本が売ってたので即購入。 水道橋博士は文学的で文章がうまい。玉袋筋太郎は話のテンポが上手い。仲のいいコンビはこのように補完し合う関係なんだなと、素敵な組み合わせを体感できた。良書。

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2016/08/14

生まれてから芸人になるまでの道程を、自身と家族を含めた描写で上手く書かれている一冊。人間、誰しも苦悩する時があるのは、有名人も一緒。下手な自己啓発書を読むより、このようなドキュメンタリーな書を読む方が全然良いのではないか?と感じた印象。

Posted byブクログ

2016/08/13

幼少期、日曜日の昼間は二階の部屋で父と「スーパージョッキー」を見ていた。父はビートたけしと同じ年だったと思うが、すごいお笑いが好きだという人ではなかった。 が、夜は「元気が出るテレビ」を見て笑っていた。のちに僕が思春期に入っていくとチャンネル争いになり、酒を飲んだらすぐ寝てしまう...

幼少期、日曜日の昼間は二階の部屋で父と「スーパージョッキー」を見ていた。父はビートたけしと同じ年だったと思うが、すごいお笑いが好きだという人ではなかった。 が、夜は「元気が出るテレビ」を見て笑っていた。のちに僕が思春期に入っていくとチャンネル争いになり、酒を飲んだらすぐ寝てしまう父が眠ると「ごっつええ感じ」に変えて見るようになった。 「アサヤン」がオーディション番組になる前の「浅草橋ヤング洋品店」も始まった頃から見ていた。僕が浅草キッドをきちんと認識したのはその頃だっただろうか。 博士さんと玉袋さん、凸凹コンビは江頭2:50さんのグランブルーや宮地社長、周富徳兄弟なんかの猛獣を笑いながらお笑いの方に進行していた。 僕はその頃、浅草キッドが毒っ気たっぷりで過激な人たちだと知らなかった。そして博士さんが活字中毒であることももちろん。 月日は流れて、一度博士さんとお会いした時には家まで車で送って行ってもらった。その間、僕はずっと園子温作品について話をして、博士さんからはいかに坂口恭平という存在が面白いかと教えてもらった。帰ってから本屋で坂口さんの本を買った。 「藝人春秋」が出る前に一般の人が読んでどう思うか知りたいので読んでみてほしいと言われて、読んだのが初めて水道橋博士さんの書いた文章に大量に触れたのだと思う。 ルポライターをかつて目指していた博士さんは藝人の世界で見聞きしたことを記憶し、普通ではわからない関係性やつながりを見出して「星座」があることを文章で示すことのできる文筆家だった。 そこから博士さんのメルマ旬報が始まることになって、僕は自ら志願して連載陣に入れてもらった。これは運とタイミングが良かったとしか言えない。 博士さんが本書で書かれているように、自らが弟子志願しに行っていた時に「風雲たけし城」(これもまた父と見ては笑っていた。こう考えると幼少期の僕と父はビートたけし関連のバラエティをよく見ていた)の人が足りなくて、その日来ていた人たち(その日が初めてであろうが、三年間通い続けていようが)が弟子になった時に軍団に入っている。 そこから、一軍のお兄さんたちとの関係、フランス座への修行、漫才をやるためにボウヤを辞めさせてほしいと師匠のたけしさんに直訴しに行くなど本書に書かれたことに繋がっていくのだが、僕が連載したいとお願いをした時は、たぶん空いていた素人の席があったから、こいつ入れようかと思ってもらったんじゃないかなって思っている。 博士さんの相棒である玉さんについては僕はほぼ知らないので、本を読みながら知ることがたくさんあった。 コンビという友達とも違う、家族とも違う関係を継続していくこと。 自らの家族の話、そして師匠のビートたけしとたけし軍団という世界の話。この本は浅草キッドという漫才師の、水道橋博士と玉袋筋太郎のそれぞれの何かに対する関係性についての本であると思う。 関係性とは人と人が過ごした時間や出来事にしかない、だからそれらを記すということはやはり自らの人生をさらけ出して書くということだ。 裸が基本衣装のたけし軍団にいる二人がさらけ出すのは漫才師として、個人の人間としての生き様と大切な人たちについての想いだから、沁みる。

Posted byブクログ