原発と放射線をとことん考える!いのちとくらしを守る15の授業レシピ の商品レビュー
3.11を取り上げる家庭科授業案15テーマを記載した実践編と、その授業のための基本的な知識を記した解説編から成る書籍。 私自身は、学校現場とは無縁の生活で、今、学校教師が何を教えているのかあまりわかっていないのですが、こういう授業が大切だと思い、授業案を作成された先生方の熱意は...
3.11を取り上げる家庭科授業案15テーマを記載した実践編と、その授業のための基本的な知識を記した解説編から成る書籍。 私自身は、学校現場とは無縁の生活で、今、学校教師が何を教えているのかあまりわかっていないのですが、こういう授業が大切だと思い、授業案を作成された先生方の熱意はよく伝わってきました。(2件実践結果の記載がないものがありましたが、13件は実践された生徒の反応や感想等の記載もありました。) 授業案や解説編を読んで初めて知ったことも確かにあり、読んだだけの私にとっても、あらためて3.11やエネルギー需給について考えるきっかけになりました。 一方で、学校家庭科の授業教材選定という視点では、正直、どうかな、という思いも持ちました。 正直なところ、私自身が今まで3.11を自らのテーマとして考えたことがなかったし、授業案全てと解説編を読み終えた今でも、残念ながら、あくまでも与えられて内容にふれたテーマであって、私自身のテーマにはなりきってはいないので、家庭科の先生方がわざわざ学校家庭科授業という限られた時間の中でこのテーマを取り上げることについては、あまりピンと来ないというのが、率直な気持ちです。 執筆担当者が実践を振り返る言葉の中には、「(原発事故の問題を)知らないことは罪だ」という文言がありましたが(実践編15)、「罪」という言葉のキツさ・重さが、本当にすみません、でも、やっぱりピンと来ない。 フクシマの当事者や、事故の影響を直接受けていない生徒たちの場合でも、生徒たちが自ら選んだテーマなのなら他の時間を削ってでもやるべきだと思いますが、与えられたテーマの授業は、それはそれで関心が薄いし、「知らないことは罪だ」という空気感まで醸し出されると、場合によっては苦痛なような気もしました。 (オトナの私でもキツいのに、学校の生徒たちにはもっとキツいのでは?) と言いつつ、一生懸命授業を準備し実践された先生方の努力はすごいな、とも思います。 きっと、私の生徒たちならこのテーマを受け止められる、という信頼あっての授業なのだろうなと思います。
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