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ザ・サン(下) の商品レビュー

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2016/10/30

ストーリーは若干複雑。刑務所内での懺悔に始まり、脱獄を経由して復讐譚へとなだれ込む。今見えてる景色が次々に変化していくので全く先が読めない。徐々に高まってくる緊張感にも押されてピーンと研ぎ澄まされた世界観は息苦しいけど心地がいい。この張りつめた心地よさがネスボの真骨頂なんだと思う...

ストーリーは若干複雑。刑務所内での懺悔に始まり、脱獄を経由して復讐譚へとなだれ込む。今見えてる景色が次々に変化していくので全く先が読めない。徐々に高まってくる緊張感にも押されてピーンと研ぎ澄まされた世界観は息苦しいけど心地がいい。この張りつめた心地よさがネスボの真骨頂なんだと思う。 警察小説という大きな枠の中で、正義のありかと人間の業がせめぎ合うドラマが展開される。サニーはとことん「静」のイメージなので、キャラ的には正直よくわからない。しかし彼に関わる脇役たちに味がある。復讐と暴力に振り回されながら、でもそこには父と子のドラマがあり、ロマンスがある。善と悪、信頼と裏切り、希望と絶望、多くの思いが交錯し絡み合い、時にはご都合主義に感じるけれども、最終的には芯の通った警察小説へと帰結する。 上巻を読み終わった時点では星よっつだったけれども、下巻でやや失速した気もする。ラストの評価は分かれるかもだが、私は好きです。ウィンズロウやエルロイを連想するシーンもあったけど、トータルで見るとやっぱりネスボなのよね。「罪の息子」というタイトルも色んな意味に読めてなかなかです。

Posted byブクログ