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モンスターメイカーズ 増補改訂新装版 の商品レビュー

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2016/10/13

借りたもの。 素晴らしきモンスタークリエイターズの人物事典・特撮や造形の技術史まとめ。 本家・ハリーハウゼンだけでなく、彼に影響(衝撃)を与えたウィリス・オブライエンと『キング・コング』から、その歴史と技術の変容をひも解いていく。 ”モンスター”という存在が、スペクタクルからB級...

借りたもの。 素晴らしきモンスタークリエイターズの人物事典・特撮や造形の技術史まとめ。 本家・ハリーハウゼンだけでなく、彼に影響(衝撃)を与えたウィリス・オブライエンと『キング・コング』から、その歴史と技術の変容をひも解いていく。 ”モンスター”という存在が、スペクタクルからB級を経て、再び見直されるに至る―― 古生物オタクから巨大生物が街で暴れるパニック映画が生まれ、巨大猿人と恐竜(怪獣)は、多様に変化してゆく。 キャラクター性を帯びて魅力があふれたり、限られた予算の中からいかに臨場感を表現するか試行錯誤する、クリエイター、職人たちの切磋琢磨に感嘆する。 彼らの、新しいもの、表現、リアリティを求める姿勢がドラマティックでもある。 1930~1960年代のストップモーション、それを発展させた1970~1980年代のダイナメーションとゴー・モーション、アニマトロニクスそしてCG、モーションキャプチャーと、技術革新を積極的に取り入れ、表現してゆく。 それらは常に、その前身の技術からインスパイアされて発展していることが見て取れる。 あらゆる特撮、モンスターが、『キング・コング』と『原子怪獣現る』に集約されてしまう程に―― 『ゴジラ』『ジュラシック・パーク』は言わずもがな。 増補改訂には2000~2015年までのCGIによるクリーチャー、モンスターについて言及。『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン、『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ、そして『GODZILLA』(2014)ギャレス・エドワーズ監督まで。 著者の嬉しそうな、踊るような文体に、モンスター映画を観ているときのワクワクを思い起こされる。 読んでて一緒になってワクワクするような気分。

Posted byブクログ