日本財政を斬る の商品レビュー
借金は非常の策である。借金に頼って財政をやりくりし、大きな借金に成功することを手柄のように考えるようになったら終わりである。
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戦後の国債史。それも財務省国債課長であった著者の体験談が詰まっている大変貴重な良書。 戦後20年は実現できていた財政均衡が、一度赤字国債に手を出してしまったが最後、麻薬のように歯止めが利かなくなって赤字体質に浸かってしまった悲しい歴史が年単位で丁寧に描かれている。 一番驚いた...
戦後の国債史。それも財務省国債課長であった著者の体験談が詰まっている大変貴重な良書。 戦後20年は実現できていた財政均衡が、一度赤字国債に手を出してしまったが最後、麻薬のように歯止めが利かなくなって赤字体質に浸かってしまった悲しい歴史が年単位で丁寧に描かれている。 一番驚いたのは、「休債」なる国債を発行できなかった(買い手との条件が折り合わなかった)月が8回もあったという事実だ。それも80年代というそんなに遠くない時代に。 これは大変なことだと思う。国債に買い手がつかなければ、下手したら国の運営が止まりかねないという危機的状況が現実に発生していたのだ。 本書の後段の「財政は誰のものなのか」という呼びかけが心に刺さる。財政は、国民のものなのだ。著者はずっと財政均衡の復活を目指して、苦心しながら仕事をしてきたのだろう。国民のものである財政を、責任をもって未来に引き継いでいくために。 我々国民一人一人も、その意識をしっかり持たねばならない、と身が引き締まる想いだった。
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