逆説の日本史(22) の商品レビュー
☆☆☆2019年1月レビュー☆☆☆ 逆説の日本史22巻は、西南戦争前後の歴史。 今回もっとも印象に残ったのは 岩倉視察団が欧州視察旅行に出た際、残されたメンバーの留守政府。この政府が非常に優秀だったということ。 日本と中国は対等だと認めさせた副島種臣。日本の司法を成立させた江...
☆☆☆2019年1月レビュー☆☆☆ 逆説の日本史22巻は、西南戦争前後の歴史。 今回もっとも印象に残ったのは 岩倉視察団が欧州視察旅行に出た際、残されたメンバーの留守政府。この政府が非常に優秀だったということ。 日本と中国は対等だと認めさせた副島種臣。日本の司法を成立させた江藤新平。その他、地租改正など困難な政策を次々と成し遂げた。 従来の歴史では、渡欧組は先進的な視点をもち、国内留守組は考えが古いかのような視点で語られることが多いが、「留守政府は非常に優秀」というのは、冷静に考えれば正しい分析だと思う。 そんな中で、西郷が征韓論を唱えていたかどうかというのは未だに議論が分かれているところだ。 西南戦争に関しては、熊本城消失と同時に薩摩軍の宿泊場所もなくなり、冬の寒さの中で野営を強いられたことが大きな敗因だと述べている。 西南戦争は日本最後の内戦だが、『翔ぶが如く』で読んだだけの知識しかなかった。 天候にスポットライトを当てた分析は適格だと思った。
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朱子学の毒 (1)人間を身分で縛り付ける(2)女性を家に閉じ込める (P18) 信長は実力主義 身分に関係なく登用[秀吉]→家康は身分を固定、反乱を防ぐ 朱子学の本場中国は「科挙」により身分制度を超越できる 日本はダメ しかし科挙は朱子学 変化への対応力はない (日本の下級武士は...
朱子学の毒 (1)人間を身分で縛り付ける(2)女性を家に閉じ込める (P18) 信長は実力主義 身分に関係なく登用[秀吉]→家康は身分を固定、反乱を防ぐ 朱子学の本場中国は「科挙」により身分制度を超越できる 日本はダメ しかし科挙は朱子学 変化への対応力はない (日本の下級武士は毒されていない) 朱子学に染まった人間の考え方を変えるのがいかに難しいか 島津久光 時代の変革期 外国勢力と組んで権力を保持、国を売る 「売国奴」 徳川慶喜もやろうと思ったらフランスと組んでできたが、彼はそれをしなかった 会津は負けて良かった(26) 負けるべくして負ける そこに「時代と歴史の意志がある」 武士150万人の廃止が明治維新の最大の課題 ⇒大久保利通の時代意識 版籍奉還 廃藩置県 秩禄処分 廃刀令 現代から見ても、どうしてこれが実現できたのか、不思議!
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いよいよ明治編。今回は補講編つき。 筆者の言う通り5年間で事を進めた維新政府の果断さは痛快極まる。多分東京の人々は江戸庶民として暮らしていたと思うが列挙を仮想してよく頑張ったと思う。特に法律関係で辣腕だった江藤新平の死は誠に遺憾である。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最初の3分の2は大久保利通が暗殺されるまでの明治時代の話。 後半の3分の1は補遺編ということで、逆説の日本史の考え方の総復習と過去の内容の修正等の解説。 後半3分の1は著者の従来の主張通りであり、やはり日本史において日本固有の宗教についての理解が必要であるという著者の主張は説得力があると感じる。 前半の明治の話は、行政の仕組みや社会の情勢が本当にわかりにくい明治初期において、明治政府の主要な人物達がどういう考え方で行動していたのかがよくわかって面白かった。 維新の三傑と江藤新平が維新終わって10年もたたずにいなくなるということが、この過渡期における必要な帰結なのかがどうかが気になる。
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毎年刊行される単行本を楽しみにしています。 本巻も期待を裏切らない内容でした。 歴史の授業でも,どうしても近現代史は手薄になりがちなので,この逆説の日本史シリーズを読むことで,歴史認識を深めることができます。 本巻はこれまでの叙述に対する補遺が掲載されていますが,こちらも復習に...
毎年刊行される単行本を楽しみにしています。 本巻も期待を裏切らない内容でした。 歴史の授業でも,どうしても近現代史は手薄になりがちなので,この逆説の日本史シリーズを読むことで,歴史認識を深めることができます。 本巻はこれまでの叙述に対する補遺が掲載されていますが,こちらも復習になってよかったです。 今後も楽しみです。
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帯に「ラストサムライ」の終焉とある。確かに榎本武明や土方歳三の旧幕府の最後の抵抗から佐賀の乱、西南戦争まで侍たちの最後に大きく頁が割かれている。 さて井沢先生が指摘する現代の我々の誤解。鉄道の開通の時期。ナント明治5年。教科書に政治、経済、文化の順に記述されている所為とそれなり...
帯に「ラストサムライ」の終焉とある。確かに榎本武明や土方歳三の旧幕府の最後の抵抗から佐賀の乱、西南戦争まで侍たちの最後に大きく頁が割かれている。 さて井沢先生が指摘する現代の我々の誤解。鉄道の開通の時期。ナント明治5年。教科書に政治、経済、文化の順に記述されている所為とそれなりに時間も経たないと鉄道が敷けるわけないという常識も働くからだけど。兎も角、法律もない、議会もないが鉄道は走り始める。 この時期、維新の主要メンバー、岩倉、大久保が欧州視察している間に伊藤、大隈がどんどん改革を進めてしまう。廃藩置県、地租改正、通貨制度改革、学制改革、日清修好条約の調印を成し遂げてしまう。留守番組の土佐、肥前出身の後藤象二郎、板垣退助、江藤新平、大木喬任が極めて優秀だった証拠。 大久保が土佐、肥前派の一掃を目的とした陰謀が、佐賀の乱の首謀者に江藤を仕立て、即刻裁判で斬首というストーリー。明治になっての斬首は、知らなかった。せめてもの切腹でもなく、問答無用で罪を被せた非道。 そのくせ長州の井上、山県の汚職には目をつぶる。大久保自身は清廉潔白で、出身閥の贔屓もなくても、政権の歪を生んでいる責任はあるだろう。 明治10年から11年にかけて、木戸が病死、西南戦争で西郷が死に、大久保が暗殺される。とんでもなく時間の早い時代だったんだな。大久保の矛盾はそのまま次の時代に引き継がれていく。 本書には補遺編も収録。何しろ起筆から25年経過。 銅鐸は日本書紀、古事記に現れない。つまり、ヤマトに滅ぼされた文化の痕跡ではないかとある。成程。とすれば近畿圏で発掘された銅鐸はヤマト勢力の侵入以前のものという見方も成り立つ。頭にメモメモ。
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奈良県御所市 水平社博物館 井沢日本史 日本人を動かす 宗教哲学思想 元寇の神風はでっち上げ 火薬原料の硫黄が元の狙い ケガレ忌避 言霊 怨霊鎮魂 神道 日本教 和 話し合い 天壌無窮の神勅 負け組に勝ち組が名誉を譲る国 弥生人の縄文人差別 信長...
奈良県御所市 水平社博物館 井沢日本史 日本人を動かす 宗教哲学思想 元寇の神風はでっち上げ 火薬原料の硫黄が元の狙い ケガレ忌避 言霊 怨霊鎮魂 神道 日本教 和 話し合い 天壌無窮の神勅 負け組に勝ち組が名誉を譲る国 弥生人の縄文人差別 信長は天才 天才的なアイデアは初めは嘲笑される
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いつもの逆説の日本史。今さらこのシリーズに対して改めて 言うことはないのだが、この巻の目玉は補遺の項であると だけ断言しておく。
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江藤新平に対する高評価は何気に嬉しい。 相手(大久保)が悪かったとは言えもっと評価されていい人だよねぇ。
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明治の終わりです。 大久保利通の画策が見え隠れします。 逆説の日本史の真骨頂です。 逆説の日本史が書き始められて25年です。 感慨深いものがあります。 25年読み継いできました。 次巻からの近現代史が楽しみです。 最後の補遺部分も納得しまくりです。 銅鐸の解釈にも納得です。 ...
明治の終わりです。 大久保利通の画策が見え隠れします。 逆説の日本史の真骨頂です。 逆説の日本史が書き始められて25年です。 感慨深いものがあります。 25年読み継いできました。 次巻からの近現代史が楽しみです。 最後の補遺部分も納得しまくりです。 銅鐸の解釈にも納得です。 日本人の言霊信仰にも再度触れています。 以下の文章には、深く同意します。 以下引用 朝日新聞は「言霊新聞」なのである。言葉を換えて言えば「平和憲法」の言霊的効力を信仰する「憲法真理教の信者」によって支えられている「宗教新聞」だからだ。宗教新聞にとって大切なことは事実を報道することでは無い。信仰の教理に合うように事実を改変することである。だから北朝鮮は好戦的国家であるという事実は報道しない。なぜなら、そうした事実を報道することは「そういう好戦的な国家が日本の周辺にあるのだから、現行憲法では国民を守れない、改憲すべきだ」と主張する「邪教の徒」を利することになるからだ。 ー 439ページ
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