魚が食べられなくなる日 の商品レビュー
日本近海での漁獲量が少なくなっているのは、温暖化などではなく、国が無策だからだと。世界的に漁業は伸びてきていると。ノルウェーでは、日本のニシン漁を引き合いに出して、継続して漁業を続けるために、量から質の漁業に変換したと。日本政府などに対する著者の怒りが良くわかった。行政、漁協が協...
日本近海での漁獲量が少なくなっているのは、温暖化などではなく、国が無策だからだと。世界的に漁業は伸びてきていると。ノルウェーでは、日本のニシン漁を引き合いに出して、継続して漁業を続けるために、量から質の漁業に変換したと。日本政府などに対する著者の怒りが良くわかった。行政、漁協が協力的でないのなら、国民の声を大きくすることだと。もっともだと思う。
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マグロ、ウナギだけではなく、ホッケやニシンも、日本人が無計画に獲りすぎて、水産資源を損なってしまっている実態が書かれている。水産政策の無策がこの状態をつくった。クジラなども含め、水産政策でお役所の言うことは信じることが出来ない。思い切った禁漁など、抜本的な対策をしないと、ほんとう...
マグロ、ウナギだけではなく、ホッケやニシンも、日本人が無計画に獲りすぎて、水産資源を損なってしまっている実態が書かれている。水産政策の無策がこの状態をつくった。クジラなども含め、水産政策でお役所の言うことは信じることが出来ない。思い切った禁漁など、抜本的な対策をしないと、ほんとうに「魚が食べられなくなる日」が来てしまう……いや、もうその日がそこまで来ていると思った。
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2013年に世界銀行が、世界の2030年までの漁業生産の予測をしている。世界全体で24%の増加で、どこの国も増加しているのに日本のみが10%のマイナスとなっている。日本漁業の衰退は世界の中でも特異的となっている。他方、ノルウェーで最も成長している産業は水産業。この10年間でのGD...
2013年に世界銀行が、世界の2030年までの漁業生産の予測をしている。世界全体で24%の増加で、どこの国も増加しているのに日本のみが10%のマイナスとなっている。日本漁業の衰退は世界の中でも特異的となっている。他方、ノルウェーで最も成長している産業は水産業。この10年間でのGDPの増加分の42%が水産業によるものとなっている。彼我の差を鋭く分析し、今後の日本の進むべき道を示す。 漁業問題に限らず、今、日本は至る所で同じ課題に直面している。昭和の時代は、人口増加と経済成長によって、社会のほぼすべてのセクションが成長し続けた。問題を先送りしていれば、いつの間にか時間が解決してくれた。しかし、今後は、人口も経済も縮小していく中で、問題を先送りにしていれば、問題解決に使える資源が、そもそもなくなっていってしまう。変化の痛みは一瞬だが、変化をしないことの痛みは、じわりじわりと効いてくる。大切なことは構造的な問題に迅速に取り組む勇気を持つこと。戦後の日本社会には、変化に反対していれば既得権が守られてきたという歴史があり、それが甘えの構造を生んでいる。人口縮小、高齢化社会という厳しい現実から逃避するのではなく、状況変化に迅速に対応していくことが求められている。目を背けたくなるような現実ほど、放置しておけば致命傷となる。迅速かつ適切、大胆に舵を切る勇気を持たなくてはならない。日本が生き残る道は、成長を前提としたこれまでの枠組みから、縮小を前提としたより効率的で生産性の高い枠組みに社会を変革していくこと。肝に銘じたい。
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11/1読了。十分に伝わっていない日本の水産資源の枯渇問題を整理し、資源回復に成功した諸外国に倣い漁獲枠を設定して規制するなどの施策を提言しています。多段階の流通や川下の小売がプライスを決めてしまって、誰も儲からない状態から脱する為に、乱獲による「数」ではなくより高く売れる「質」...
11/1読了。十分に伝わっていない日本の水産資源の枯渇問題を整理し、資源回復に成功した諸外国に倣い漁獲枠を設定して規制するなどの施策を提言しています。多段階の流通や川下の小売がプライスを決めてしまって、誰も儲からない状態から脱する為に、乱獲による「数」ではなくより高く売れる「質」の向上により漁業に活力を取り戻すという主張は説得力がありました。まずは、価格だけではなく持続可能性のために賢い消費者になることが必要ですね。
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