ひとびとの精神史(第9巻) の商品レビュー
調べ物をしていて出会った本。司書さんに教えてもらわないときっと辿り着けなかった。 時間がなくていまはじっくり読めないけど、いつかちゃんと読みたい。
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サブタイトルに「震災前後」とある。東日本大震災を境に日本人の精神がどう変わったか、を浮き彫りにさせるという趣旨で、21人の市井の人々が寄稿している。とは言え、震災とは直接関係なかったり、年代も2011年前後とはあまり被ってないものもある。時期やタイトルはともかく、ここに寄稿した人...
サブタイトルに「震災前後」とある。東日本大震災を境に日本人の精神がどう変わったか、を浮き彫りにさせるという趣旨で、21人の市井の人々が寄稿している。とは言え、震災とは直接関係なかったり、年代も2011年前後とはあまり被ってないものもある。時期やタイトルはともかく、ここに寄稿した人々は「ラストワンマイル」どころか、マイノリティだったりマスメディアには乗っかってこなかったりと、「世論の反対、あるいは裏側」にいるピンポイントに光を当てている。 中には世間と真逆の立場を取る寄稿がある。世間が眉をひそめがちなこともある。どちらが正しいとかではなく、どちらも真実だということが時に生々しく語られる。 本書はマイノリティを保護しよう、などという単純な図式ではなく、震災前後で多少なりとも日本人の考え方に変化が生まれたと思われる中で、身近にはないかもしれないが確実に存在している社会の問題と事実が語られている。そこから何を受け止めるかは、読んだ人次第だ。
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東日本大震災のただ中で津波が押し寄せてくる瞬間とその後の行政の揺れを書く酪農家・長谷川健一氏の文は、電気の恩恵を受ける読者自身が深い自責の念なくしては読めない。宮城県で子どもたちの塾頭を務める工藤博康氏の文章もまた、あの未曾有の災害とその後の深い悩みを感じる。いずれも行政が復興を...
東日本大震災のただ中で津波が押し寄せてくる瞬間とその後の行政の揺れを書く酪農家・長谷川健一氏の文は、電気の恩恵を受ける読者自身が深い自責の念なくしては読めない。宮城県で子どもたちの塾頭を務める工藤博康氏の文章もまた、あの未曾有の災害とその後の深い悩みを感じる。いずれも行政が復興を急ぐあまりに忘れているものを告発される。この他、貧困・格差と闘い、沖縄での平和へ向けた闘い、安保法案廃棄を訴える路上での闘い、差別主義者とのヘイト・スピーチ&クライムとの闘い、ニューカマー保護、LGBTなど、いずれもが闘い。この時代も多くの翳を抱えている。いずれも当事者の心境がリアルに描かれている。
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