赤米のたどった道 の商品レビュー
米と言うと白米が浮かんでくるが、著者は近代以前の日本において赤米が重要なエネルギー源とし手の役割を果たしていたことを強調している。 著者も述べているが、白米を広く一般の人が食べるようになったのは新しい。奈良、平安時代に、水田開発が奨励されていたので、丈夫な品種のコメが求め...
米と言うと白米が浮かんでくるが、著者は近代以前の日本において赤米が重要なエネルギー源とし手の役割を果たしていたことを強調している。 著者も述べているが、白米を広く一般の人が食べるようになったのは新しい。奈良、平安時代に、水田開発が奨励されていたので、丈夫な品種のコメが求められていた。その中で、平安時代以降、「大唐米」と言う大陸からの新たな品種を意味する呼ばれ方をする米が登場する。しかし、領主の側からすると味が良くないので好かれていなかった。 江戸時代の江戸や大坂のコメ市場での赤米品種の評価は低かったので、領主側から赤米生産を減らすように命じられて、生産量が減っていった。 このように、時代とともに片隅に追いやられていった赤米の存在に光を当てて、赤米がたどった運命を知ることが出来る。赤米を通して見えてくるその時代ごとの風景。白米とはまた違った姿が見えてくる。
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