動機づけ面接法の適用を拡大する の商品レビュー

ハル・アーコウィッツ(編者),ヘニー・A.ウェスラ(編者),ウイリアム・R.ミラー(編者),ステファン・ロルニック(編者),後藤恵(訳者)

2016/09/19

嗜癖問題で効果がある動機づけ面接をほかの疾患にも適用できることを実証的にも述べられた本。
まずは不安障害、MIとCBTの補完や追加するものとしての期待。PTSDについては集団療法で検討中。OCDについてはERPへの導入としての効果。うつ病の治療が必要でありながら躊躇している人への治療促進的な取り組み、CBTとMIを統合することでうつ病治療の効果、自殺傾向にあるクライアントに対するMIの実施、摂食障害、特にANに対するMIの効果、ギャンブル依存に対するMIの効果、統合失調症の服薬アドヒアランスの改善に対するMIの効果、多重障害に対する効果、矯正施設への応用など、臨床例を含めて述べられているので、効果がわかりやすい。序章と終章にはMIの基本と今後について述べられており総合的に理解しやすい。本邦でもMIは広がっているが、訳語の統一が求められるところである。