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美の世界旅行 の商品レビュー

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2023/02/24

宇宙はみな空に向かって開かれているものだと思っているだろうが、大地、つまり地の下に向かっても広がっている。 ー岡本太郎

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2021/02/04

岡本太郎のインド、スペイン、メキシコ、韓国滞在記。行ったことのないインドと韓国は、へーそうなのかという感じだったけれど、共通しているのは外から押し付けられた価値観、インドで言えば統治国英国の美術、スペインで言えばイスラム文化を否定するためのカトリック文化の魅力のなさが強調されてい...

岡本太郎のインド、スペイン、メキシコ、韓国滞在記。行ったことのないインドと韓国は、へーそうなのかという感じだったけれど、共通しているのは外から押し付けられた価値観、インドで言えば統治国英国の美術、スペインで言えばイスラム文化を否定するためのカトリック文化の魅力のなさが強調されている点で、その「外来文化」への批判が面白かった。日本で彼が嘆いていた西洋美術への追従に共通するものをこれらの国でも感じたという点で、西洋以外にいくとどこでもそんな感じなのかもしれない。残念ながら…

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2021/03/07

1970年代、当時50代であった著者が書き記した世界旅行記、岡本太郎という1人の人間のとてつもない知性と情熱に圧倒される一冊でした。 自分は現在40代前半ながら、ここまで知性と情熱に満ち溢れた旅行記を書くことができるだろうか...。 知識が豊富なだけでは決して書くことができない...

1970年代、当時50代であった著者が書き記した世界旅行記、岡本太郎という1人の人間のとてつもない知性と情熱に圧倒される一冊でした。 自分は現在40代前半ながら、ここまで知性と情熱に満ち溢れた旅行記を書くことができるだろうか...。 知識が豊富なだけでは決して書くことができない。年を重ね人間としての経験を積み上げて完成される世界観と信念があってこそ書くことができるはずだと思う。 そして、それは絶対的な個性であって、この本の中身こそが岡本太郎さんあり、1つ1つの文章から人間としての強いカッコよさがひしひしと伝わってくる...! 生を与えられた人間としての知性と情熱もうすこし燃焼させる気概で生きることが今の自分に大事なのかもしれない...、読み終えてのなんだかそう感じた。 本書を読む前、晩年に世界旅行するモチベーションは皆無であったが、今は色々巡ってその時々で感じる自分の正直な気持ちと思いっきり向き合って旅行してみたい気持ちである。

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2018/02/19

『生命爆発紀行』 岡本太郎が世界中を旅行し、その都度、ナマの体から湧き上がる思いを執筆した作品。 印象に残っている話はメキシコだ。 作品よりも、その作品の見えない裏側になにかとてつもない臭気の色や形が目を大きく見開いて鑑賞者につきつける感じ。 そのナマな表現はこれからますます浮...

『生命爆発紀行』 岡本太郎が世界中を旅行し、その都度、ナマの体から湧き上がる思いを執筆した作品。 印象に残っている話はメキシコだ。 作品よりも、その作品の見えない裏側になにかとてつもない臭気の色や形が目を大きく見開いて鑑賞者につきつける感じ。 そのナマな表現はこれからますます浮き彫りとなり、宇宙の誕生、ビッグバーンのような響きが伝達していく。

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2022/12/22

太郎さんの感性には熱がある。生命の根源から湧き起こるもの、その熱量を感じるものが好きなのだね。訪れた土地や美についての語りが岡本太郎らしいんじゃないかと思う。触れた美術や文化、風習から命の躍動を感じ取り、その刺激に自身の魂を奮わせ創作に活かしていたのかな。おどけた顔をしているカバ...

太郎さんの感性には熱がある。生命の根源から湧き起こるもの、その熱量を感じるものが好きなのだね。訪れた土地や美についての語りが岡本太郎らしいんじゃないかと思う。触れた美術や文化、風習から命の躍動を感じ取り、その刺激に自身の魂を奮わせ創作に活かしていたのかな。おどけた顔をしているカバー写真。その両目は彼自身の宇宙に繋がっている。

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2017/08/15

 岡本太郎の文章って、よくわかんないんだけど、なんかパワフル。読み終わってから頭の中で反芻しても、けっきょく何だったっけ?となる。 でもその熱だけは胸に残る。  巻末の解説によると、岡本太郎は「芸術はうまくあってはならない、きれいであってはならない、心地よくあってはならない」と...

 岡本太郎の文章って、よくわかんないんだけど、なんかパワフル。読み終わってから頭の中で反芻しても、けっきょく何だったっけ?となる。 でもその熱だけは胸に残る。  巻末の解説によると、岡本太郎は「芸術はうまくあってはならない、きれいであってはならない、心地よくあってはならない」という三原則を唱えていたらしい。  そんなものを凡人は芸術とは呼ばない。天才は感受性が違うらしい。  冒頭は70年代のインドの旅からはじまる。この章が太郎の感性がもっとも敏感になり、躍動している。彼の美意識がよくわかる。静的できれいなものには目が向かない。暴れまくって猥雑なものに生命力を感じている。ガンジス河の川べりで沐浴する群衆のパワーに圧倒される。  こういう現実を嫌悪する人は、そこに美を見いだせないが、太郎はそこに美を見出す。  立ち止まって、目に美しく映るものが芸術ではなく、激しい奔流にもまれながら、魂が雄たけびをあげるような事象が好きなんだ。(自分でも何を言っているのかわからなくなってきたが、太郎の文章ってこんな感じ)  山深い寺で座禅は組むのは死んでも嫌だが、ねぶた祭りでは先頭に立って山車を引き回すぞ!って感じか?   自分が一番面白かった章はメキシコのところ。  現在渋谷駅に常設されている「明日への神話」の制作秘話が興味深かった。あんな重いテーマを一流ホテルのロビーのメインに据えようとしたメキシコの精神性を褒めたたえている。  生と死が日常のなかで隔てなく同居しているメキシコ(カラベラ祭りとかあるし)は、ケとハレの境を明確にする日本とは価値観が異なる。そういうところが居心地が良かったみたいだ。  あんな大作なのに、渋谷駅であの作品に目を止めている人はそんなにいないと思う。みんな忙しく過ぎ去っていくだけ。もったいないなぁ。  うん、我ながらひどいブクレポだ。  でも太郎の文章は熱いぞ!  それが伝わればいいや。

Posted byブクログ