ハイパーダッシュ!四駆郎(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ミニ四駆はおもちゃじゃねぇ 四駆郎の名言から始まる第一話も刺さる人には刺さるかと思いますが第二話の導入“タクティカルミニ四駆”なるものが出てくると四駆郎の名言が嘘じゃなかったと痛感させられます。 地形やあらゆる気象状況を計算し最適セッティングがなされたタクティカルミニ四駆は地上スレスレを走行するためレーダーでは捉えられず速いため人目にも止まらず小さいためどこへでも進入できる。 ひとたび手を離れればコントロールできないはずのマシンが自ら起動を修正させながら高い走行性能であらゆる目的を遂行する。 究極の無人機タクティカルミニ四駆の説明の“それっぽさ”に武井先生の才能が炸裂しています。 作中に登場する我々サイドの冷静なオトナたちが武井先生によって創られた“それっぽさ”に触れて圧倒されていく世界観は、幼少の頃に『このおもちゃ意思持ってんの?』と思いながらも夢中になった当時の熱量で“それっぽい”ニオイのものを表面上再現しながらもパロディとして『そんなバカなw』と現実に引き戻してくれるくらい突き抜けていきます。 うっかり没入し切れずにすこしでも気を抜いて現実世界に意識が戻ってしまうと置いてけぼりを喰らいかねないほどに壮大な陰謀に振り落とされないよう意識を強く保ってみんなにもミニ四駆を作ってもらいたいと思う。 巻末に収録されている[拝啓 徳田ザウルス先生]という武井宏之先生が青森の田舎に住む中学生時代に[ダッシュ四駆郎]のデザインコンテストに参加し採用されていたという衝撃の事実を描いた作品が、30年の年月の後に今作につながっているというエモエモのエモ展開でたまらんので正直これだけでも読む価値がある一冊かと。
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