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東京會舘とわたし(上) の商品レビュー

3.9

172件のお客様レビュー

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    38

  2. 4つ

    71

  3. 3つ

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2024/10/15

辻村作品は、アンソロジーに収録されていた「タイムカプセルの八年」という短編が初めてで本作が二作品目。さらさらっと読みやすい文体だったので、いくつか手に取ってみようかと。 オススメ読む順をまったくスルーしてでも選んだ理由は「東京會舘」という名前に惹かれたから。 数十年間も東京都民で...

辻村作品は、アンソロジーに収録されていた「タイムカプセルの八年」という短編が初めてで本作が二作品目。さらさらっと読みやすい文体だったので、いくつか手に取ってみようかと。 オススメ読む順をまったくスルーしてでも選んだ理由は「東京會舘」という名前に惹かれたから。 数十年間も東京都民であったけど、おそらくたぶん一度も足を踏み入れたことが無い場所。ただ単に「そういえば東京會舘のクッキーが美味しかったなぁ」といった、ぼんやりとした思い出のみで読んでみることにしただけ。 タイトル通り「『東京會舘』と『わたし』」の物語。 東京會舘の創業から時代を節目ごとに刻んで、建物そのものの歴史と、そこに携わったり居合わせた人たちに寄り添った物語。 まずは旧館(上巻)、関東大震災直前から高度経済成長の激動の頃。 じかに見たこともない風景を身近にクリアに感じさせてくれて、ふわっと頬が緩み、じわっと目頭が熱くなります。 あのクッキー(ガトー)は、こんなふうに生まれたのね。 久しぶりに食べたいなぁ。

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2024/09/17

丸の内にある東京会館ヒストリーとその時時に関わった人の物語。関東大震災 第二次対戦とその後マッカーサー元帥史実も盛り込見ながら、市井のひとの気持ちに寄り添う場面と、丁寧な小説

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2024/07/22

丸の内に実在する建物の記憶。 大正に誕生してから現代までの 折々のある1日を紡いでいる。 上巻は戦前、戦中、戦後そして東京オリンピックの昭和39年まで。 下巻が楽しみ。

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2024/06/30

東京會舘をめぐる人々のエピソードを、年代順に記した書籍でした。 多くの方々がその時々でこの會舘に愛情を注いで連綿と受け継いで来られたことと、互いの人々が巧みに絡み合って物語が進む構成です。この會舘が積み重ねてきた長い歳月に胸が熱くなりました。

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2024/05/09

東京會舘が創業してから、そこで働く人や結婚式を挙げたひとのエピソードが年代順に。 ルネサンス様式の建物自体も、関東大震災後や大政翼賛会の接収、空襲、敗戦によるGHQの接収などをくぐり抜けて、昭和46年に二代目本館に建て替えられるまで。 東京會舘で働く人々の静かなプライドや愛着...

東京會舘が創業してから、そこで働く人や結婚式を挙げたひとのエピソードが年代順に。 ルネサンス様式の建物自体も、関東大震災後や大政翼賛会の接収、空襲、敗戦によるGHQの接収などをくぐり抜けて、昭和46年に二代目本館に建て替えられるまで。 東京會舘で働く人々の静かなプライドや愛着、真面目さが印象深い。人も建物も美しいだろうな。 今は、三代目の建物。行ってみたい。

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2024/02/21

東京都千代田区にある東京會舘の歴史。歴史というか、東京會舘の思い出。色んな時代を静かにくぐり抜け、たくさんの人たちを見守ってきた東京會舘。 東京會舘の近くに住み、子供の頃から出入りしていた東京會舘。祖父母はここのレストランでお見合いをした。両親は新館になった東京會舘で結婚式を挙...

東京都千代田区にある東京會舘の歴史。歴史というか、東京會舘の思い出。色んな時代を静かにくぐり抜け、たくさんの人たちを見守ってきた東京會舘。 東京會舘の近くに住み、子供の頃から出入りしていた東京會舘。祖父母はここのレストランでお見合いをした。両親は新館になった東京會舘で結婚式を挙げた。馴染みの場所なのに、こんな歴史があったなんて知らなかったし、こんな本があるのも知らなかった。インパクトこそ無いけどいい本だった。

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2024/01/31

辻村深月さん・・人気の作家さんですよね~。 ブクログユーザーさん達の評価も高いようなので、気にはなっていたのですが、私の勝手なイメージで、イ〇メやスクールカースト的な“リアルしんどい系”の内容が多めという印象なんですよね・・で、そういうのが無理目な私は手を出せないでいたわけです。...

辻村深月さん・・人気の作家さんですよね~。 ブクログユーザーさん達の評価も高いようなので、気にはなっていたのですが、私の勝手なイメージで、イ〇メやスクールカースト的な“リアルしんどい系”の内容が多めという印象なんですよね・・で、そういうのが無理目な私は手を出せないでいたわけです。 ですが、図書館で本書を発見し、この題材なら“お試し深月”にピッタリかも!と、手に取った次第です・・・という事で(長っ)上巻読了。 大正11年、丸の内に落成した国際社交場・〈東京會舘〉を舞台にしたオムニバス群像劇。 こちらの上巻には、プロローグ&五章からなる物語が収録されております。 大正十二年。国際的ヴァイオリニスト・クライスラーが来日。作家を夢見る青年とクライスラーとの奇跡的な邂逅が印象的な第一章「クライスラーの演奏会」 昭和十五年。〈東京會舘〉が大政翼賛会という公事結社の本部に摂取される事になり、その“最後の日”を迎える従業員の一日を描く第二章「最後のお客様」 昭和十九年。〈大東亜會舘〉と呼ばれている會舘にて結婚式を挙げる女性の繊細な心情と、彼女を支える美容師のお話。第三章「「灯火管制の下で」 昭和二十四年。戦後、GHQに摂取され〈アメリカン・クラブ・オブ・トーキョー〉と呼ばれていた會舘のメインバーでアメリカ兵を相手に奮闘する、若きバーテンダー達の姿を描いた第四章「グッドモーニング、フィズ」 昭和三十九年。持ち帰り用の菓子の制作を依頼され、難色を示す職人肌の製菓部長と、彼を粘り強く説得した事業部長の熱意により出来上がったお菓子とは・・第五章「しあわせな味の記憶」 関東大震災や、太平洋戦争といった激動の時代を歩んできた〈東京會舘〉の歴史と共に、フィクションとはいえ、そこに携わった人々の想いが伝わってくるような内容です。 正直、ちょっと説明っぽくなっているように感じる部分もありましたが、著者の方がこの建物について調べた事を多く伝えたいのだろうな・・と思いました。 個人的に好きだったのは、第五章「しあわせな味の記憶」ですかね。 最初は持ち帰り用菓子を作るのを渋っていた製菓部長の勝目さんのプロ意識と、“〈東京會舘〉の味を外食に縁のない奥さんやお子さんにも伝えたい”という田中事業部長の熱意が造り上げたクッキーをはじめとしたお菓子の数々・・(お菓子を入れる缶へのこだわりも素敵です!)。 話のラストで、東京観光に来た夫婦が〈東京會舘〉のお菓子をお土産に購入するところに勝目さんが居合わせたシーンには心が温かくなりました。 旧館を舞台にした物語はここまで。 続く下巻では、改装された新館を舞台にした物語が待っております~。

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2024/01/09

優しい話かな。 作者読みをしたんだけど。 文章が優しい分、内容が入りやすかった。 東京會舘の歴史小説なのかな? 移りゆく東京會舘を中心に話が進むショートショート。

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2023/09/30

上巻は旧館のお話。 建ってすぐに関東大震災にあったり、東京大空襲の時も焼けずに残り、(残ったのには、従業員の努力があった)戦争によって持ち主というか、管理する人が変わったり。(なんなら管理する国も変わったり?) 平穏とは言えない時代を生きてきた旧館とそれに関わる人達の話。(...

上巻は旧館のお話。 建ってすぐに関東大震災にあったり、東京大空襲の時も焼けずに残り、(残ったのには、従業員の努力があった)戦争によって持ち主というか、管理する人が変わったり。(なんなら管理する国も変わったり?) 平穏とは言えない時代を生きてきた旧館とそれに関わる人達の話。(従業員の人達の心意気がすごいなぁと)

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2023/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関東大震災で甚大な被害を受けた東京會舘。偶然とはいえ、この本を読み終えた今日がその震災から100年目にあたる。流れゆく時代とともに人と人とのつながりが綴られており、辻村さんらしいストーリー展開にどんどん引き込まれていく。プロローグで出てきた社長はどこに登場するのだろうか。

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