フィリップ・グラス自伝 音楽のない言葉 の商品レビュー
50年代、60年代、70年代と続く第二次大戦後のアメリカの熱気を浴びてのびのびと才能を伸ばすグラスの姿が、ドキュメンタリー映画を見るように伝わってくる。 ジュリアードを卒業してからパリで受けたナディア・ブーランジェの指導についての話はまことに興味深い。時間待ちの控え室の佇まい...
50年代、60年代、70年代と続く第二次大戦後のアメリカの熱気を浴びてのびのびと才能を伸ばすグラスの姿が、ドキュメンタリー映画を見るように伝わってくる。 ジュリアードを卒業してからパリで受けたナディア・ブーランジェの指導についての話はまことに興味深い。時間待ちの控え室の佇まい、指導の詳細等々、これまであまり具体的に触れられていなかった女史の指導法の一面が窺われると同時に、つねに<伝説の>という形容詞がつけられる理由の一端も分かるような気がする。 この伝記には現代音楽とかミニマル・ミュージックというようなカテゴリーに収まり切れないエネルギーが溢れている。
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