あとは死ぬだけ の商品レビュー
これまでの経験の総括のようなエッセイ。 私の神とは、経験とは、思考とは、価値とは、真摯に語られる言葉。 嘘をつくことが一番の罪悪であるという信念。 あなたはどう考えるの?と問いかけられている気持ちになる。
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すごいものを読んでしまったな、と圧倒された。 中村うさぎさんのエッセイは買い物依存症やホスト狂いの頃から読んでいるが、病気で一時心肺停止となり、死の淵をさまよって要介護状態となった現在は、欲望や執着からは解放されて達観の境地にいるという感じ。 うさぎさんが自分で自分に欲情する「...
すごいものを読んでしまったな、と圧倒された。 中村うさぎさんのエッセイは買い物依存症やホスト狂いの頃から読んでいるが、病気で一時心肺停止となり、死の淵をさまよって要介護状態となった現在は、欲望や執着からは解放されて達観の境地にいるという感じ。 うさぎさんが自分で自分に欲情する「女」だといっているのが興味深かった。恋人に欲情されて気持ちいいのも、彼への愛というよりも、彼に愛されている自分へのナルシスティックな陶酔なのだそうだ。 常に「理想の私」探しをしていたうさぎさん。 心肺停止を経て、自分の中に信念ともいえる「魂」=「名前のない私(神)」に辿り着けてよかったと思った。 ひとつだけ私が違和感を感じたのは、女子コミュニティは「並列・対等」な関係性を前提にしている、というくだり。そうかなあ、女同士のマウンティングって容赦ないと思うけどな。うさぎさんもご自分で女子校は偏った環境だといわれているが、女子校はそういうところなのだろうか。それともうさぎさんが今までヒエラルキーの上の方にいたからマウントを取られた経験があまりないのかもしれない。 私はうさぎさんの変なところ、異端をものともしない強さがとても好きだ。 だから以下引用するメッセージには胸が熱くなった。 ↓(以下引用)↓ あなたのその「変」は、あなたの才能である。その「変」を何に使うのか、じっくり考えることで、あなたの人生の指針は決まるのだ。あなたの過剰さ、あなたの欠落は、あなた独自の「歪み」を生む。私の読者は己の歪みに苦しむ人々だ。だが、その歪みは矯正されない。矯正する必要もない。歪みはあなた自身だ。歪んで生きろ!それが私からのメッセージである。ただし、その歪みと手を取り合って生きるには、自らの歪みを自覚し、それを嗤う強さを持たねばならない。 ↑(引用ここまで)↑
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中学校時にゴクドーくんシリーズのファンとしては、著者の現状に驚くばかりであった。ただ、論じている内容はどれも本質的なところばかりで、こういった方が書いたライトノベルだから惹かれたのだなと改めて思った。
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「何か集大成を」と書いているうちにできあがったのは「遺書」!? 買い物依存症、整形、ホスト狂い。 家族や同級生、男性不信や女性嫌悪に 苦しんできた人生を赤裸々にぶちまける! 数々の伝説をつくっては世を騒がせた彼女の 深い闇と強い葛藤が暴走する。 著者、現時点での「形見分け」。
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図書館で見つけて何となく借りたもの。遺書、だそうだ。中村うさぎが病気になって臨死体験をしたのも知らなかった。なぜ5時に夢中をやめたのかについてもネット検索しちゃった。やっぱりよく理解できない人だ。私は平凡なお母さんタイプだもんな。母がぼけてきた、というのがリアル。うちのお母さんもそうなっていくのかな。何となく早くぼけそうだもんな。
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44頁:この人間関係の歪さは,私特有のものではあるまい。 ・ここまで読むのにかかった時間の倍以上をつかって,いくつか辞書をめくり,「歪さ」をどう読むのかについやした。結局,ふさわしい読みをおもいつくことができなかった。残念。次回,この「歪さ」を使うときは,ルビをふってください,う...
44頁:この人間関係の歪さは,私特有のものではあるまい。 ・ここまで読むのにかかった時間の倍以上をつかって,いくつか辞書をめくり,「歪さ」をどう読むのかについやした。結局,ふさわしい読みをおもいつくことができなかった。残念。次回,この「歪さ」を使うときは,ルビをふってください,うさぎさん。 124頁:独自の「歪み」を生む。私の読者は己の歪みに苦しむ人々だ。……歪みはあなた自身だ。歪んで生きろ! ・こっちは,読める。ひょっとして,「歪さ」は,誤字だったりしますか?うさぎさん。
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写真がふんだんに載っていて嬉しい。 それも幼少期から整形前と整形後と胸の横写真までも。 で、病に倒れベッドで寝ている写真も。 整形前だって十分きれいだったのにね。 驚いたのはその写真(小さい頃の)の洋服がほとんどおかあさんの手作りというのも。まるでプロはだしだ。 性格はお父さんに似たようだけど。 よほど、”5時に夢中”を降板させられたことが痛手だったんだろう。そのことにも言及している。
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重たくも難しくもある。 時間のある時に読みたい本。 整形ビフォーアフターの顔と、体を見せてるのはすごい。パンツは履いてるけど、その写真は要る? 整形に特化した本なら分かるけど。 私の中にいる私の顔をした神だったり、女という定義、女への変化の受け入れだったり、親との関係を客観的...
重たくも難しくもある。 時間のある時に読みたい本。 整形ビフォーアフターの顔と、体を見せてるのはすごい。パンツは履いてるけど、その写真は要る? 整形に特化した本なら分かるけど。 私の中にいる私の顔をした神だったり、女という定義、女への変化の受け入れだったり、親との関係を客観的に見てられるけど、世の中の人はどう考えてるんだろう? その辺。 そんな話友達とも職場でもする事ないからなぁ。 話したい気はするけど、うまく話したい話題にならずに終わってしまいそう。 あと障碍者も参加するラブワゴン! そんなの思いつかなかった。 好きじゃないから断る、障碍は理由に含まれているのか、無意識の差別を見たい気もする。 結婚のあり方とか。 性関係はないけど支え合う、 支え合いたいと思い合えるのは家族。 古い考えばかりだから少子化が進むんだと思う。どんどん新しい事を入れてかないと生き辛いままだよ。本当。
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[図書館] 読了:2016/11/3 面白かった。時々、自分の中の神(全知全能のアレではなく、自分自身の核になるもののこと)とか、観念的過ぎて理解しきれないところもあったけど…。 新聞のセックスレスの特集でうさぎさんがインタビューに答えていて、そこで語られる夫との関係が素晴ら...
[図書館] 読了:2016/11/3 面白かった。時々、自分の中の神(全知全能のアレではなく、自分自身の核になるもののこと)とか、観念的過ぎて理解しきれないところもあったけど…。 新聞のセックスレスの特集でうさぎさんがインタビューに答えていて、そこで語られる夫との関係が素晴らしいと思ったのだけど、この本の中でも語られていた。 「結婚とは、愛の本質とは、自分の人生に他者を受け容れること」という言葉は、うさぎさんと夫とのエピソードを聞くと胸にストンと落ちる。 p. 140 「私は結婚当初に彼と交わした「恋愛とセックスは自由」と言う約束を掲げて好き放題やってきたが、それは決して「相手に寂しい気持ちをさせる」ということとは同義ではなかったのだ。恋愛もセックスも自由だが、だからといって家族を忘れたり傷つけたりしていいというわけではない。家族には相応の気遣いとリスペクトをきちんと持っていなくてはならない。たとえ契約事項にはなくとも、それは暗黙の仁義というものではないか。私は仁義を書いて欠いていたのだ。(略) 思えば一度めの結婚の時、私と前夫の間には互いへの思いやりや感謝や尊重の気持ちが存在しただろうか?彼は自分のプライドしか頭になかったし、私も結婚してすぐに彼に失望し彼を軽蔑するようになっていた。互いを尊重する気持ちなんて、私たちの間には微塵もなかった。そして、それを耐えることが結婚だと思っていたのだ。 結婚は「我慢」ではなく「受容」なのだ。私たちはそこに気づきもしなかった。 (略) 私と夫との間には恋愛感情もセックスもない。でも、家族になるためにそれらは必ずしも必須ではなかった。」 デリヘルをやった理由の章もすごく読み応えがあった。「身体を売ることは世間では重大なタブーとして受け止められ、女子高生の援助交際を嘆いたり憤ったりする大人たちは大勢いるが、彼ら彼女らは自分が売春したことなど一度もない。身体を売ることは本当に何か大切なものを失う行為なのか?そう思いこまされているだけではないのか?自分でやってみなければわからないと思った。」 「夫は、私のような人間にはもったいない宝物かもしれない。彼と人間関係を築けたことだけが、私の狂騒的なくだらない人生の唯一の戦利品だ。」
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平易な言葉で語られた深い内省 もちろん、文章はきわめて上手い。 「自虐スキル」 男らしさ、なんてしょせんコスブレだ。 女らしさが、しょせんコスプレであるように。 「そう、社会はハロウィンだ」(談わたし)
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