千夏ちゃんが行く の商品レビュー
読点は作家の呼吸だという。 若い作家は読点が無く一気に読ませ、年を取ると読点が増えるそうだ。 そうして脳性まひの著者の書く文章は、未だかつて読んだことのないリズム感だった。浮遊感があるというか、意図して作るには無理がある、著者にしかできない呼吸を刻んでいるのだと思わせる。...
読点は作家の呼吸だという。 若い作家は読点が無く一気に読ませ、年を取ると読点が増えるそうだ。 そうして脳性まひの著者の書く文章は、未だかつて読んだことのないリズム感だった。浮遊感があるというか、意図して作るには無理がある、著者にしかできない呼吸を刻んでいるのだと思わせる。 全身が常に痛み、声を出すのにも苦労し、そうして、夫に先立たられた千夏ちゃん。この表紙の笑顔が美しいなぁと思う。
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夫を亡くして心にぽっかりと穴の空いた千夏のエッセイ集。 彼女が普通の妻と少し違うのは、「脳性マヒのため、曲がった手足を始終力が入り、全身をよじらせ、45歳になっても座らない首はちぎれるくらい痛くて、耐えかねて死にたいと思う瞬間かあること」位だった。 決して、「本書は、頑...
夫を亡くして心にぽっかりと穴の空いた千夏のエッセイ集。 彼女が普通の妻と少し違うのは、「脳性マヒのため、曲がった手足を始終力が入り、全身をよじらせ、45歳になっても座らない首はちぎれるくらい痛くて、耐えかねて死にたいと思う瞬間かあること」位だった。 決して、「本書は、頑張る障害者の幸福な物語」ではない。
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