歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 古代・中世編 の商品レビュー
図書館で借りた。 東京大学の日本史の入試問題を掘り下げて、教養本とした1冊。教養として日本史の本をいくつか読んでいる流れで本書も手に取った。 本書は古代~中世までが範囲。問題を解説することで、タイトル通り"奥深い"ものを感じられるようになる。クイズや一問一答に...
図書館で借りた。 東京大学の日本史の入試問題を掘り下げて、教養本とした1冊。教養として日本史の本をいくつか読んでいる流れで本書も手に取った。 本書は古代~中世までが範囲。問題を解説することで、タイトル通り"奥深い"ものを感じられるようになる。クイズや一問一答に答えられるような丸暗記ではなく、もちろん年号語呂合わせでもない。東大受験生のように実際に問題だけ見て記述しろと言われたらとても難しいが、読むだけでも深さを感じることができ、日本史を楽しめる構成になっている。
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歴史の編み直しを実行して、新たな歴史像を提示している。すなわち、思考が新しく、我々に身近な存在として歴史の中の人々を再現している。では、どんな形で新しいか。それは、市中の人々と垣根なく接してきたからではなく、新思想を果敢に受容してきたから、歴史叙述にも新味が生まれたようだ。新思想...
歴史の編み直しを実行して、新たな歴史像を提示している。すなわち、思考が新しく、我々に身近な存在として歴史の中の人々を再現している。では、どんな形で新しいか。それは、市中の人々と垣根なく接してきたからではなく、新思想を果敢に受容してきたから、歴史叙述にも新味が生まれたようだ。新思想とは、内田樹や加藤周一らであり、この新しい思考の形式を獲得したことにより、新しい歴史像が描出できたのだと思う。東大卒で、東大の先生を崇めている節があるから、学問の内奥に潜行はしても、現在の市中の人々と肩を並べて共感することは難しいかもしれない。しかし、新思考で描かれた歴史に関しては、極めて距離感が近く、身近な存在として我々の前に顕在化している。歴史が近くなる点で著者の貢献は大きい。
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