遺産 THE LEGACY(下) の商品レビュー
海洋冒険小説と謳っているから、ドンドンパチパチの活劇要素たっぷりの作品かとの思惑とは全く違った(笑)(活劇要素を求めるなら、未読だが『太平洋の薔薇』らしい)。 しかし、沈船をめぐってのスリリングな展開に、本を置く能わず。 400年の時を超えて、祖先が眠っている沈船の引き揚げを計画...
海洋冒険小説と謳っているから、ドンドンパチパチの活劇要素たっぷりの作品かとの思惑とは全く違った(笑)(活劇要素を求めるなら、未読だが『太平洋の薔薇』らしい)。 しかし、沈船をめぐってのスリリングな展開に、本を置く能わず。 400年の時を超えて、祖先が眠っている沈船の引き揚げを計画するその末裔。 そのプロジェクトに携わる水中考古学の泰斗。 沈船の財貨を巡って引き揚げ方法で敵対するビジネスパーソン。 さらには、頻発する海底火山の噴火。 果たして、沈船の引き揚げは? 壮大なスケールで描く海洋ロマンは、どなたかのレビューにあったように、猛暑たけなわの今、読むのにふさわしい。 また、こんなエンターテイメントを書く著者ほど、「読んだ人全てに希望と勇気を与える」作家は、稀だろう。 その思いは、作中の水中考古学者田野倉のこんなセリフにも現れている。 「前進のない人生は生きることを放棄した人生だ。どんな立派な理屈をこねようとそんな人生には人を動かす力もない。そもそも未来というのはリスクそのものだ。一番大事なのは、そのリスクを背負って一歩前に踏み出すことなんだ。おれはそれを戦略的楽天主義と呼んでいる」
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夏に読みたいトレージャーハンター。 日本とアメリカ、スペインの利権争いと、水中火山や噴火して突然あらわれる新山などを背景に1620年に沈んだスペイン船を巡る時間を追う争い。 水中考古学という分野があることを初めて知った。 主人公と船とともに沈んだ祖先が、深海で邂逅する場面が感動。...
夏に読みたいトレージャーハンター。 日本とアメリカ、スペインの利権争いと、水中火山や噴火して突然あらわれる新山などを背景に1620年に沈んだスペイン船を巡る時間を追う争い。 水中考古学という分野があることを初めて知った。 主人公と船とともに沈んだ祖先が、深海で邂逅する場面が感動。 大藪春彦賞受賞作。
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