子育てはもう卒業します の商品レビュー
私よりちょっと上の世代のお話。地方から上京して東京の大学で知り合った3人の女性達が大学入学から結婚出産し専業主婦になり、子供達が独立するまでの物語。 語り手がこの3人でポンポン変わり、時には子どもの立場から語られるスタイルで。テンポが良くてぐいぐい読ませる。 家庭環境、世の価値観...
私よりちょっと上の世代のお話。地方から上京して東京の大学で知り合った3人の女性達が大学入学から結婚出産し専業主婦になり、子供達が独立するまでの物語。 語り手がこの3人でポンポン変わり、時には子どもの立場から語られるスタイルで。テンポが良くてぐいぐい読ませる。 家庭環境、世の価値観、家族、子育て、常に色んな悩みに振り回されながら生きてきた3人の半生。人生はなかなか思い通りにはいかない。隣の芝が青く見えることもあるけど、それぞれに悩みを抱えていて。みんな大変な生活の中で生きているんだよね。主人公たちが弱い面もダメなところも色々あるのがいい。後悔もいっぱいしてる。それでも生きていく。共感して読めます。 そして、子どものことは、子が何歳になっても心配でしかたないのが母親なんだなぁ。だからどこかで卒業しないとずーっと続くんだね。子どもの未来は子どもに任せる。口出しはしないで見守る。主人公たちがそう悟るのは子どもたちが社会人になってからなんだけどね。どう転んでも厳しい人生なら好きな道を行きたいように生きた方がいい。その境地にたどり着くまで右往左往する母の気持ちすごくわかります。だってやっぱりより幸せな人生を送ってほしいと願うから。親にできることは色々あるけど、でも最後は本人次第だし、本人の適性や気持ちが大事だよね。 私は娘がいくつになったら卒業できるのでしょう。まだまだな気がします。子どもと親の自立について考えさせられた作品でした。 それにしても細く長くこんな風につながっていられる友達がいるのはいいなぁ。
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東京の大学で知り合った3人は上京組で独り暮らしだった。 そんな3人だから、お泊まり会をしたりと楽しく過ごしていたが、就職では苦労した。 卒業後もそれぞれが結婚し、子供が出来ても、たまの集まりは続いていた。 子育て、義父母問題等、互いの悩みを語り合ってきた。 何が正解なのか、日々焦...
東京の大学で知り合った3人は上京組で独り暮らしだった。 そんな3人だから、お泊まり会をしたりと楽しく過ごしていたが、就職では苦労した。 卒業後もそれぞれが結婚し、子供が出来ても、たまの集まりは続いていた。 子育て、義父母問題等、互いの悩みを語り合ってきた。 何が正解なのか、日々焦ったり悩んだり。 自分達の時代は苦労したから、子供にはそんな思いをさせたくないと思うけど、既に時代は流れている。 子育ての難しさと時代の差を感じるお話。 2020.06.08
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子育ての終着点は何処にあるのか。つい失敗して欲しくなくて親の設定した人生のレールに乗せてしまう。しかし順風満帆だと思われていた人生にも影が差す…。三人の主人公の「母」達は、「こうあるべき子育て」に囚われながらそれぞれの視点で自らの人生も紡いでいく。 ライフスタイルが多様化した現代...
子育ての終着点は何処にあるのか。つい失敗して欲しくなくて親の設定した人生のレールに乗せてしまう。しかし順風満帆だと思われていた人生にも影が差す…。三人の主人公の「母」達は、「こうあるべき子育て」に囚われながらそれぞれの視点で自らの人生も紡いでいく。 ライフスタイルが多様化した現代においてこの「母」達の過ごしてきた経験則はやはり古いのかもしれない。諸所鋭い指摘の台詞が胸に突き刺さる。子育てを自分の主軸にしなければ、他と比べることもないのに。それでも、そうしてしまうのが親の性。
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十代からの女友達は、何でも話せるけど、距離が開くこともあり。 でもやっぱり大切な存在であり続けるのだろう。 ーーー 息子をあこがれの学校に入れるため必死なお受験ママの淳子、堅実な職業に就いてと娘の終活に口を出す明美、勘当同然で押し切った結婚を後悔する紫。十代で出会った三人は故郷を...
十代からの女友達は、何でも話せるけど、距離が開くこともあり。 でもやっぱり大切な存在であり続けるのだろう。 ーーー 息子をあこがれの学校に入れるため必死なお受験ママの淳子、堅実な職業に就いてと娘の終活に口を出す明美、勘当同然で押し切った結婚を後悔する紫。十代で出会った三人は故郷を離れてから数十年、様々な悩みを語り合ってきた。就職、結婚、出産、嫁姑問題、子供の進路……。時にふと思う。私の人生、このまま終わるの? 誰かのために生きてきた女性の新たな出発を描く物語。
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この小説の主人公格の3人の女性は、1950年代後半の生まれ。おそらく、著者である垣谷美雨さん自身の体験を3人に投影して書かれたのだと思う。 3人は、それぞれ北海道、高知、福岡と地方で高校時代を過ごした後、東京の四年制大学に入学して知り合う。3人が所属する文学部は当時、四年制大学...
この小説の主人公格の3人の女性は、1950年代後半の生まれ。おそらく、著者である垣谷美雨さん自身の体験を3人に投影して書かれたのだと思う。 3人は、それぞれ北海道、高知、福岡と地方で高校時代を過ごした後、東京の四年制大学に入学して知り合う。3人が所属する文学部は当時、四年制大学進学希望者の女子が殺到する学部で偏差値が最も高かったらしい。 彼女達が入学した頃は、70年代半ば過ぎ。バブル景気がくるのは、80年代で、雇用機会均等法が施行されるのも86年、彼女達の就職が困難を極めたのも肯ける。 80年代初期でさえ、女性の大学進学率が同年代の1割、短大は2割だったそうだ。3人はいわば時代のパイオニアであるが、社会はまだ受け入れ体制が出来ておらず、企業の採用条件には「女子は自宅通勤に限る」という厳しい文言が添えられていた…。 一回り下の世代である自分が就職した頃も、まだ「女子は、自宅通勤に限る」は生きていたし、会社にいた女性社員は、雇用機会均等法以降のバブル期入社の人たちと、一部の高卒雇用の大先輩達で、この小説の世代の女性社員はほとんどいなかった気がする…採用数も少ない上、寿退社が当たり前だったからだろう…。 そんな時代を必死にもがきながら進んできた、3人それぞれの半生が綴られているのだが、今の時代から見れば「専業主婦で生活出来るなんて贅沢」とも言える。 確かに3人とも最上位層の暮らしをしているので、就職氷河期世代以降の人達からの共感性は、残念ながら薄いかもしれない…。 80年代以降、世の中の流れは速く、バブル、バブル崩壊、就職氷河期、超氷河期、リーマンショック、そして大震災を始めとする相次ぐ自然災害に新型コロナウィルス。人間社会を取り巻く環境は、希望に溢れているとは言い難い。 3人が最終章で「子育て反省会」をするのだが、今まで妻、嫁、母という肩書に縛られ、自分らしさを失っていた彼女達が、子育てに区切りをつけ、自分の人生を楽しもうと語り合う。 その中で「私たちの頃は四大女子には厳しかったけど、今は誰にでも厳しい時代だよ」と言っているが、この言葉だけは本当に共感できる。 2020.3.29
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このシリーズ??は楽しみで読んでます。 卒業がないのが子育てですよね~。 自立させたいけど、つい手を掛けてしまう。 何時になったら楽になれるのーー!!と叫びつつ、自分の思い通りな道を行かない子供が気になって気になって仕方ない。 子育てなのか、親育てなのか·····今作も興味深く読...
このシリーズ??は楽しみで読んでます。 卒業がないのが子育てですよね~。 自立させたいけど、つい手を掛けてしまう。 何時になったら楽になれるのーー!!と叫びつつ、自分の思い通りな道を行かない子供が気になって気になって仕方ない。 子育てなのか、親育てなのか·····今作も興味深く読みました。
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三人の女性の学生時代から結婚、出産、子供が社会に出るまでの話を三人の関わりの話を交えつつ書かれた小説。一言で言うと、時代背景の移り変わりとともに、色んな環境と価値観があるよねという話かなと。子育てについての毒のある話が読みたかったので、だいぶ肩透かしでした。。 1977年〜201...
三人の女性の学生時代から結婚、出産、子供が社会に出るまでの話を三人の関わりの話を交えつつ書かれた小説。一言で言うと、時代背景の移り変わりとともに、色んな環境と価値観があるよねという話かなと。子育てについての毒のある話が読みたかったので、だいぶ肩透かしでした。。 1977年〜2014年の時代に合わせて物語の状況も変わっていくので、ノスタルジーに浸りたい人にはいいかも。1978年で18歳ってことは、想定読者は60歳前後の女性ということなんでしょうね。
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共感できるところが沢山あって充実した読後感。まあ人生思い通りにいかないよねっていうことがあっけらかんと書いてあるのがいい。子育て終えてから新しいステージに向かっていく姿も気持ちよくパワーをもらえました。
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子育てとはこんな風に宣言しなければ卒業できないもの なのかもしれない。 特に同居しているとそうなのかも、と思う。 子育て期の延長線上に生活しているので 家にいるとどうしても ごはんも作るし洗濯もする、 一緒に住んでるのだものやっちゃうよなぁ、 だって、ついでだもの。 そして...
子育てとはこんな風に宣言しなければ卒業できないもの なのかもしれない。 特に同居しているとそうなのかも、と思う。 子育て期の延長線上に生活しているので 家にいるとどうしても ごはんも作るし洗濯もする、 一緒に住んでるのだものやっちゃうよなぁ、 だって、ついでだもの。 そして、さらにその延長線上でいろいろ言いたくなる。 わかるなぁと思いながら読んだ。 時々帰省する息子にあれもこれも食べさせたい私は 息子が家を出たことは正解だったなぁ・・・きっと。 懐かしいバブル期のお話が一層「わかるぅ」な感じだった。
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3人の女性の大学受験〜結婚〜子育て〜のお話。 子供はいくつになっても子供なんだな〜私もいくつになっても両親にとっては娘なんだろうな〜と。色んな目線で楽しめる。子育てに翻弄されながらも自分の道をみつけていく女性達のお話。
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