まじめに生きるって損ですか? の商品レビュー
悩み相談というか、もう愚痴となりそうな相談に、雨宮まみさんが答える本。 男性向けのポジティブで理性的な回答者なら、もっと建設的に、前向きなこたえを返すだろうし、場合によっては相談者が怒られる。 女性向けの(と言うと性差別かもしれないが)占い師やなんちゃらセラピストのような...
悩み相談というか、もう愚痴となりそうな相談に、雨宮まみさんが答える本。 男性向けのポジティブで理性的な回答者なら、もっと建設的に、前向きなこたえを返すだろうし、場合によっては相談者が怒られる。 女性向けの(と言うと性差別かもしれないが)占い師やなんちゃらセラピストのような方が回答者なら「あなたは今のままでいいのよ」と、相談者を肯定し、気持ち良くさせたまま、ある方向性への誘導が透けて見えることが多い。 では、この本の雨宮さんはどうだろうか。 質問者を責めずに寄り添いうところは女性向けっぽい。けれども、その先の誘導はあまり見えず、それぞれの相談者のもつ力や才能を信じて、「絶対大丈夫」と心の中でつぶやいている感じ。 読んでいると、自分の胸が苦しくなるような悩みから、あーあるあるという悩み、こういうことを悩む人も居るのかと予想外の悩みに、ユーモアを交えつつ回答する雨宮さんのサービス精神があるから最後まで読めた。 誰かに薦めたいというより、病院や喫茶店などに置いてあり、ふとしたときに読むと面白い本な気がする。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カウンター越しの悩み相談。相談者にピッタリ合いそうな飲み物をだしながら、答えるというより、寄りそって話してくれる。前向き頑張る、そんなことばかりが素晴らしいわけじゃない。 正論と、正論じゃ片付けられないものの間を生きるというのが人間というもので、だから苦しくては、面白いものなのに、そのグレーゾーンを切って捨てようとするなんて馬鹿げている。愚痴といういうものは、そのグレーゾーンにあるもののような気がするし、人と人とのつながりというのもまた、そのグレーゾーンのなかで生まれていくものだと思う。
Posted by