失敗の研究 巨大組織が崩れるとき の商品レビュー
数年ぶりに読み返してみた。 各事例は端的且つよくまとめられているため、読み易く理解が深まる良書だと思う。 企業倫理、内部統制、コンプライアンスが叫ばれて久しいが、改めて自社がこういった事態に陥らないよう、自戒を込めて胸に刻みたい。
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さらっと読むには分量が多かった。 最初のケースと後半の失敗組織の分析がつながっているようでつながりがわかりにくい構成なのは残念だったが、記者魂が垣間見える内容。もっと記者さんは勉強が必要です。 やや昔の本なので、ここで登場した不正事例のその後が気になるものの、追いかける余力はなし...
さらっと読むには分量が多かった。 最初のケースと後半の失敗組織の分析がつながっているようでつながりがわかりにくい構成なのは残念だったが、記者魂が垣間見える内容。もっと記者さんは勉強が必要です。 やや昔の本なので、ここで登場した不正事例のその後が気になるものの、追いかける余力はなし。
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理研の事例が面白い。研究不正の問題ではワイドショー的な報道が多かった中で組織の成り立ちや存在意義からのアプローチが新鮮だった。
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ー21世紀、巨大企業は極めて難解な設問を突きつけられている。正しい道を歩むには、大きなリスクが待ち受ける。そこから逃げるには、縮小解体か、あるいは不正しか選択肢はない。 多くの大企業は、リスクに挑戦すると言うだろう。ならば、巨大企業の利点を発揮できるように、社内の設備と資金を解...
ー21世紀、巨大企業は極めて難解な設問を突きつけられている。正しい道を歩むには、大きなリスクが待ち受ける。そこから逃げるには、縮小解体か、あるいは不正しか選択肢はない。 多くの大企業は、リスクに挑戦すると言うだろう。ならば、巨大企業の利点を発揮できるように、社内の設備と資金を解放し、人材を縦横無尽に交流させ、失敗に寛容でなければならない。 第II部で見たような巨大企業の病を抱えた硬直的な組織のまま、目標だけを命じていれば、中間層は見て見ぬふりをして下に指示を投げ、最後は現場が追い込まれて、不正に手を染めることになる。現在の巨大企業が頻発している不祥事は、ほぼすべて、組織的な問題に端を発している。ー 不正を犯す巨大企業の類似点、肥満化、迷宮化、官僚化、ムラ化、独善化、恐竜化を6つの病として分析している。 誰もが知っている巨大企業を扱った本作の恐ろしさは、これらの病が、われわれ消費者の命、健康、生活、未来、信頼、安全、自由をことごとく蔑ろにしている点だ。 この許すべからざる罪はいかにして犯されたのか、またその代償は何なのか、もっともっと多くの研究がなされて然るべきだと思う。
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日経新聞の編集委員である著者が自身の取材などをもとに不正などで揺れる巨大企業の実情とその原因に迫った渾身の一冊。 STAP細胞で世間を騒がせた研究不正の理研、杭打ち問題の三井不動産、顧客情報流出のベネッセ、耐震ゴム偽装の東洋ゴムなど近年世間を騒がせた巨大組織の内情やそこに至るま...
日経新聞の編集委員である著者が自身の取材などをもとに不正などで揺れる巨大企業の実情とその原因に迫った渾身の一冊。 STAP細胞で世間を騒がせた研究不正の理研、杭打ち問題の三井不動産、顧客情報流出のベネッセ、耐震ゴム偽装の東洋ゴムなど近年世間を騒がせた巨大組織の内情やそこに至るまでの歴史が綴られているだけでなく、失敗の要因を肥満化・迷宮化・官僚化・ムラ化・独善化・恐竜化と6つに分類して第1部で挙げた企業がどのように当てはまっているかも解説されており、非常に勉強になりました。 記者として第一線でやってきた経緯も本書では記されており、そこを踏まえて読むと非常に忠実に取材されている上で書かれていることを感じました。 報道では知ることのできない奥深い部分が浮き彫りになっており、巨大企業の衰退の道程を感じることができました。 その中でも特に理研の研究者の裏側は衝撃を受けました。 東日本大震災で被災した地域が三菱商事の援助を受けて復興していくことが載っている場面で経済の本質的価値を訴えているところは非常に印象に残りました。 本書に掲載されている企業は総じて硬直的や閉鎖的な印象を受けました。 終戦間も無くから事業が当たり、そこで組織が6つの要因によって巨大化した20世紀型企業の崩壊を感じるとともに供給過多となっている日本で巨大な組織のあり方が今まさに問われていることを感じた一冊でした。
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過去の成功体験にとらわれ内部の論理が優先される組織は早晩崩壊するということ。逆に、今も昔もフロントランナーの企業は自己変革ができているということ。 続きはこちら https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/02/5.html
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
代々木ゼミナール 巨大ビルで浪人生中心の授業→現役重視 全国模試→廃止 実教室の放映→生徒が集まらない 一方向の個人戦→高校での団体戦 (塾は生徒同士で教え合う生徒たちの空間へ) ベネッセ 名簿ネットワーク構築→住民基本台帳法 →住民データ書取り不可→個人データ価値上昇 →転売で拡散、高頻度DMへの返信でデータ更新 失敗の原因 1.膨張肥満化の行き詰まり;アムウェイ 2.独裁者による考えない組織で迷宮化;そごう 3.官僚化によるなれ合い;郵政公社、道路公団 4.ムラ化による非常識;武富士、カネボウ 5.現場軽視の独善化;JR西日本、JAL 6.変化に対応できない恐竜化;GM 破壊とイノベーション 巨大なものが崩れ、 しなやかな強さを持ったものが生まれる。
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中身的には取材記事。「研究」までには至っていない。「失敗」の先が見えないのが残念。読み物としてはまあまあ面白いかな。
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あまりに面白く一気に読んだ。肥満化・迷宮化・官僚化・ムラ化・独善化・恐竜化との区分は分かりやすく理解しやすかった。
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企業を蝕む6つの病 1.肥満化ー膨張装置の副作用 EIEグループ(麻布自動車、EIE、第一不動産、秀和)、日本アムウェイ、マクドナルド、代ゼミ、ベネッセ 2.迷宮化ー出口なく失速する組織 そごう、雪印、ロッテ、東洋ゴム、理研、三井不動産 3.官僚化ー公金麻薬の果て 郵政、日本道路...
企業を蝕む6つの病 1.肥満化ー膨張装置の副作用 EIEグループ(麻布自動車、EIE、第一不動産、秀和)、日本アムウェイ、マクドナルド、代ゼミ、ベネッセ 2.迷宮化ー出口なく失速する組織 そごう、雪印、ロッテ、東洋ゴム、理研、三井不動産 3.官僚化ー公金麻薬の果て 郵政、日本道路公団、理研、化血研 4.ムラ化ー内輪の論理 武富士、カネボウ 、東洋ゴム 5.独善化ー現場無視の暴走 JR西日本、日本航空、代ゼミ 6.恐竜化ー変化対応不可 GM、マクドナルド 複数の病に侵されている企業もあるが特に理研は、「悪意がなければ不正ではない」の規定も小保方の画像加工は不正と認識し、理研を「利権」と揶揄されたり、京都大学教授の山中伸弥のiPS細胞の敵愾心など信じられない世界を知る。
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