キミの名前 の商品レビュー
さまざまな世界を箱庭に見立てた連作短編集「箱庭旅団」シリーズ第3弾。 コメディタッチ風あり、ゾッとする奇妙な物語あり、SF設定の不思議な世界観ありと実にバラエティーにとんでいる。逆にそれが落ち着きに欠けている。ちょっとブラックだけど面白かったのは、「サトミを泣かせるな」。
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+++ 「キミが知らないだけで、この世界には、いろいろな秘密があるんだよ」過去でも未来でも、現実の世界でも夢の世界でも、自由自在に出入りができる旅行者(トラベラー)である少年。白馬を道連れに、“傍観者"として覗いた世界をそれぞれ「箱庭」に見立てた、14のショート・ストー...
+++ 「キミが知らないだけで、この世界には、いろいろな秘密があるんだよ」過去でも未来でも、現実の世界でも夢の世界でも、自由自在に出入りができる旅行者(トラベラー)である少年。白馬を道連れに、“傍観者"として覗いた世界をそれぞれ「箱庭」に見立てた、14のショート・ストーリー。 飼い猫の正体は“惑星調査員"(「マミオ、地球を去る」)、無職の兄と遭遇した時間の“ずれ"(「俺と兄貴が火曜日に」)、伯母にしか見えない小さな鬼(「鬼が来る正月」)、カバンの中に住む“なにか"(「シュシュと空きカバンの住人」)、 キリストと同じ誕生日の女(「クリスマスの呪い」)、“あの世"に行く前にかけた魔法(「跨線橋の秋」)、人間だけが知らない世界の原理(「バルル原理」)、ナブラ族の勇士と結婚した孫娘(「サトミを泣かせるな」)、夢の世界を自由に行き来できる男(「夢見王子」)、“天国に繋がった海"で出会った少年(「さよなら、旅行者」)などなど。 物語はいつまでも終わらない――直木賞作家が綴る、切なくて心温まる珠玉の連作短篇集。 +++ トラベラーとして、さまざまな世界を行き来する少年が見たもの、彼の姿を見て言葉を交わした者、現実世界に何食わぬ顔で潜む異世界の者たち。なんと言うことのない暮らしに人知れず紛れ込む不思議の物語の数々である。なるほどそうだったのか、と納得してしまうものあり、ちょっぴり背筋が寒くなるものあり、味わいもさまざまな一冊である。
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