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監査役の覚悟 の商品レビュー

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2020/01/05

会社と闘った監査役の奮闘の経緯が生々しく描写されている。監査役視点ではあるものの、理想論では語られない実態を学ぶことのできる貴重な書籍。弁護士の活動への言及もあり、考えさせられる。

Posted byブクログ

2016/08/16

「物言う監査役」で知られるトライアイズ社元監査役古川孝宏氏の事例を基に今後の監査役制度の在り方について説く。監査役制度は日本独特の制度で、江戸時代の大目付から出発しているといわれているが、昔から「閑散役」と揶揄されているとおり、社長の意に反してまで自らの監査権限を発揮することは期...

「物言う監査役」で知られるトライアイズ社元監査役古川孝宏氏の事例を基に今後の監査役制度の在り方について説く。監査役制度は日本独特の制度で、江戸時代の大目付から出発しているといわれているが、昔から「閑散役」と揶揄されているとおり、社長の意に反してまで自らの監査権限を発揮することは期待されていなかった。しかし、この古川氏はトライアイズ社の社長から理不尽な扱いを受け、訴訟に発展。会社法388条監査役の監査費用請求権については、監査役に認められた当然の権利であると思っていたが、会社がその支払いを拒否し訴訟となり最終的には和解で落ち着いている。またトライアイズ社による古川氏への 誹謗中傷について争われた名誉毀損訴訟については日経新聞に謝罪広告を掲載することで和解調停が成立している。右へ倣えで落ち着く従来の監査役とは異なる古川氏がとった行動は、その是非は別にしても、さびついて壊れそうになっていた監査役制度を動かし、再生させようとする行為にも思える。 また最近話題となっている監査等委員会について、ガバナンス機能は確実に弱体化するのではないかとの指摘もあった。社外役員の数を増やしたくないとか、海外の投資家に対してややこしい監査役会の説明をしなくてすむ、といった安易な理由だけで監査等委員会設置会社に移行しないよう社長と監査役には慎重な判断が求められる。

Posted byブクログ