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「教養」として身につけておきたい戦争と経済の本質 の商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2022/09/02

ロシアのウクライナ侵攻を見て、戦争と経済の関係をおさらいするために本書を再読  過去の戦争において、どれくらいの戦費がかかったのか。本書を読むと、日本の行った太平洋戦争が、いかに経済合理性に欠けていたのかがよくわかる。(1章)  戦争の資金調達という観点からも、日露戦争はうま...

ロシアのウクライナ侵攻を見て、戦争と経済の関係をおさらいするために本書を再読  過去の戦争において、どれくらいの戦費がかかったのか。本書を読むと、日本の行った太平洋戦争が、いかに経済合理性に欠けていたのかがよくわかる。(1章)  戦争の資金調達という観点からも、日露戦争はうまく立ち回っていたのに、太平洋戦争においては、当時グローバル金融システムの主導権を握っていた米英を敵に回しどん詰まりの状況を自ら作っている。(2章)  GDPを用いて戦争と経済を読み解いた3章も、戦争とインフレの関係が読み解かれており、わかりやすい。また、実は日本は隠れたテロ大国と紹介されているが、安倍元総理が銃撃されたこともあり、むべなるかな。  4章は日本の日清・日露、太平洋戦争の戦局と株価の関係が興味深い。また戦後の日本復興は、朝鮮戦争特需による外貨獲得が大きな役割を果たしたこと等が理解できた。    5章は地政学のポイントが押さえられている。 現在も、本書の見立てとほぼ同じ状況にある。 ロシアはグローバル金融システムから切り離されたが、それでもウクライナの侵攻に踏み切った。太平洋戦争に踏み切った日本に似ているようにも見えるが、ロシアは資源供給国であるところが大きく異なる。今後の戦況とロシアへの経済制裁がどのように影響していくかを考えるうえで、本書は基礎知識を把握することができ、参考になると思う。

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2022/04/05
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各国が経済成長する中で、日本は長く停滞しているのに、GDPの1%を上限とする防衛費の制限ということは、他国と比べ相対的に防衛費は低下していることになる。 国家総動員法により、企業の配当制限など株主の権利を大幅に制限したことが今日の企業は従業員のモノという風潮につながっている。

Posted byブクログ

2021/09/23

戦争を経済として見る点が大変ユニーク 現在コロナ戦争下にあって経済・社会の運営はまさに戦時体制 ワクチン普及後のポストコロナをどう構想するか、本書も大いに参考になる 1.戦争をデータで分析 面白い  戦争を経費で捉える→戦争エコノミクス  短期効果は景気対策と同じ  長期的には経...

戦争を経済として見る点が大変ユニーク 現在コロナ戦争下にあって経済・社会の運営はまさに戦時体制 ワクチン普及後のポストコロナをどう構想するか、本書も大いに参考になる 1.戦争をデータで分析 面白い  戦争を経費で捉える→戦争エコノミクス  短期効果は景気対策と同じ  長期的には経済体質の劣化  財政は経費の負債が累増   →増税・インフレ・資産税・賠償 2.経費の調達  日露戦争 海外から調達 米国・英国  太平洋戦争 引受先がいない 日銀引受  →この違いは何か  3.戦争は国家戦略の一部  しかし太平洋戦争は戦争が目的化  軍人の栄達「手柄を挙げて勲章・爵位」  陸軍人事の誤り エリート養成の失敗  海軍はGlobal・Scienceだがやはり軍人 4.国家戦略  各国は自国の戦略を持っている  戦前の日本は「国策」あれど「国家戦略」不在 5.国家破綻とインフレ   戦費の調達は日銀による国債引受  敗戦はハイパーインフレ 国家の債務の減価  経済基盤の混乱・毀損→一括処理「預金封鎖」「財産税の課税」  抜け道・・・株・不動産・貴金属宝石

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2020/11/04

借りたもの。 感情論を抜きにして、戦争を“経済活動”として紐解いてゆく。 歴史の勉強でそうした視点をもって語られないためか、経済と政治の問題を分離して考えがちだ。 それらが密接に絡んでいるにも関わらず。これは日本だけだろうか? 先の太平洋戦争では、日本の敗戦にGDP以上の戦費が...

借りたもの。 感情論を抜きにして、戦争を“経済活動”として紐解いてゆく。 歴史の勉強でそうした視点をもって語られないためか、経済と政治の問題を分離して考えがちだ。 それらが密接に絡んでいるにも関わらず。これは日本だけだろうか? 先の太平洋戦争では、日本の敗戦にGDP以上の戦費がかかったこと(急激な戦線の拡大、それに投入する軍備・物資の不足のため)、当時の株価から日本人(一般人)が戦況に対して楽観的な姿勢を持っていた(日清・日露戦争を勝利したことも要因だろう)ことが、証言以外の具体的な数字として裏付けが取れると思った。 有事の際にかかる予算の内訳についても具体的な数字を出しており、興味深い。 戦争によって、巨額のマネーが動くことも。日本が戦後、準ハイパーインフレを起こしたが、朝鮮戦争による特需によって持ち直したという事実に目を背けてはならないだろう。何というラック…? この本でもう一つ語られているのが「地政学」。これ自体、経済との関係が密接で、シーパワーとランドパワーについて言及される。 EUをアメリカ経済圏に対抗するため巨大経済圏と見る視点以外から紐解く。地政学的な理由から「ドイツを独り勝ちさせない」という周辺諸国の思惑…… エマニュエル・トッド 『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』( https://booklog.jp/item/1/4166610244 )もこれに通じるのだろう。 茂木誠『「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』( https://booklog.jp/item/1/4813284620 )でも指摘されていた。 歴史を振り返れば、シーパワーを制したものが世界の覇権を握っていた。シーパワーは防衛よりも海を使って貿易を行い、富を増やすことに熱心になるため。 一方のランドパワーは隣国と地続きであるため、領土保全を最優先に考えざるを得ない。 このランドパワーとシーパワーの国家間の駆け引きが、日本の安全保障にも影響を与える。 アメリカがずっと中国を敵視するとは限らず、妥協する姿勢を見せた場合、ともすれば中国に委ねられてしまう場合もある(そしたら言論の自由も無くなったり、利益を吸い上げられてしまうんだろうな……)。 戦争の経済と言っても、武器弾薬の製造だけがそれではない。 後方支援――交通、水道、電気通信網などインフラの整備――が戦況にも関わる。 そのひとつの形として、IT技術の重要性を言及。 無人戦闘機然り、情報戦の面からも言わずもがな。3Dプリンタの発達も後方支援に影響を与えることも指摘。 日本学術会議だったか…2017年に防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に大学が協力しないようにと提言した。 しかし、世界的にみても民間と軍事の技術の垣根は限りなく低くなっており、双方で一から独自開発したら単純にコストは2倍。その間に連携している方が時間と金のコストもかからずはるかに発展するだろう。 この本を読んで、「日本は戦争が“できない”」としみじみ思う。 これは憲法があるからではなく、「経済成長をしていないから軍備が足りない」ためだ。 だからこそ「IT技術を活かし低予算でどこまで有事に対応できるか?」という視点があるが、どこまで補えるだろうか……orz 余談。憲法9条があるからといて非戦になるわけではない。 戦争を“仕掛けてくる”国があれば相手は仕掛けてくるだけだ。 それを“防御(迎撃)”するだけの軍備はあるだろうか?これもまた“お金”が絡む。 それが発生する予兆の指標としても、経済活動(と技術の発展)を視野に入れるべきだと思う。 戦争とは感情論で勃発するのではない。 戦争をするだけの経済力があったればこそ、外交を自身の有利に運ぶための最終手段であることを意識させる。 flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/875 )

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2017/12/01

投資をしている人は読んだ方が良い。 具体的なリスク回避方法を知るというより、投資家リテラシーとして読むべき本。

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2017/03/04

・多くの日本人にとって「戦争は現実的な話ではない」は改める必要がある。戦争の多くは経済的な対立の延長線上で発生しており、勝敗のカギをを握るのもやはり経済力。戦争とお金との間には、切っても切り離せない密接なつながりがある。 ・平時の経済活動が活発で、人の往来が多く、新しい技術やサ...

・多くの日本人にとって「戦争は現実的な話ではない」は改める必要がある。戦争の多くは経済的な対立の延長線上で発生しており、勝敗のカギをを握るのもやはり経済力。戦争とお金との間には、切っても切り離せない密接なつながりがある。 ・平時の経済活動が活発で、人の往来が多く、新しい技術やサービスがたくさん登場する国ほどじつは高い戦争遂行能力がある。また、高度な金融市場を持ち、世界各国からお金を集めることができる国は圧倒的に有利な立場で戦費を調達することが可能。一方、内向きで経済が活発でない国は、戦争でも大きな成果をあげることができない。つまり、強い国家になるには、日常的なビジネスを活発にすることが何より重要となる。日常的な力の差が、戦争の勝敗を決定づけることになり、最終的には戦争そのものを回避する有力な手段となるのが現実。 ・経済的な対立が政治的な対立となり、軍事的な対立に発展する可能性は常に存在している。戦争が起こった時、経済や社会がどう動くのかについてあらかじめ知っておくことはとても重要。戦争にないに越したことはないが、昔から日中韓は紛争の火種を抱えており、日本は常に紛争に巻き込まれるリスクを抱えている。

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2016/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経済的損失は先進国が戦争を自国領土内、または主要地でやらない理由の一つだろう。利益が戦争の原因だから当たり前。 一方で、開発国は損失規模が低いとは言わないが、リカバリーの範囲内と考えるのか、始めることに躊躇がない。いや、経済等というレベルを超えた戦う理由(わけ)があるのだとしたら、あるははずだが、他国が止めることは出来ないのも当たり前か。

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2016/08/28

日清戦争、日露戦争、太平洋戦争などを戦費とGDPの観点から解説するなど、戦争を経済的側面から捉えて紹介。 おもしろかったです。

Posted byブクログ

2016/07/01

戦争をすると経済が活発化して株価があがる。 地政学を知ると世界の動きがわかる。 歴史と世界的経済と現状の日本の立場がわかる。 なにも知らないよりかはいいかなという本。

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