1,800円以上の注文で送料無料

問いのない答え の商品レビュー

2.9

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/01/05

長嶋有はデティールを描くということについてはこだわりがあるのだろうと思うし、実際上手いと思う。本作は、そんな長嶋有の実力がいかんなく発揮されるとともに、震災後のツイッターという空間を介して、時代を写しとった一冊だと思う。ツイッターという空間でいろいろな人が他愛もなくおしゃべりをし...

長嶋有はデティールを描くということについてはこだわりがあるのだろうと思うし、実際上手いと思う。本作は、そんな長嶋有の実力がいかんなく発揮されるとともに、震災後のツイッターという空間を介して、時代を写しとった一冊だと思う。ツイッターという空間でいろいろな人が他愛もなくおしゃべりをしている、そんな雰囲気がよく写しとられているだけではなくて、それが形式上も、登場人物の行動が切り取られてつながっていくさまに現れている。そんなつながりが心地よく、しかし、一方で、その背後には震災や秋葉原の殺人事件といった時代的な背景がある(別にそれが主題ということではなくそれも含めて切り取られている)。実のところ、ツイッターでの言葉遊びなんて、という思いもなくはないが、それでもやっぱり引き込まれて読んでしまったのは、長嶋有の描写の上手さがやっぱり大きい。

Posted byブクログ

2018/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何よりも加藤のことに思いを巡らせる。 人物・場面の切り替え、人の交換可能性、については、してやられたり。

Posted byブクログ

2017/07/01

読み終わるために、読み終わった。 とりとめもなく、視点を変え続けるお話。 とてもネット的、ツイッター的と言えばそうなのだけど、 なかなか読みづらさが勝ってしまった。。。。

Posted byブクログ

2017/01/14

長嶋有はよく見てんなといつも思う。廊下に置いてある新品のティッシュはすこし湿気っているとか、へんな口癖の女子高生とか、言われるまで気づかないけど確かにそうなことが楽しい。視点が変わるのに行をあけないから戸惑うけど、ツイッターとかインターネットなんてそんな感じだもんね。慣れたら平気...

長嶋有はよく見てんなといつも思う。廊下に置いてある新品のティッシュはすこし湿気っているとか、へんな口癖の女子高生とか、言われるまで気づかないけど確かにそうなことが楽しい。視点が変わるのに行をあけないから戸惑うけど、ツイッターとかインターネットなんてそんな感じだもんね。慣れたら平気です。単行本で読んだ後にまた読みたいと思って読んだの。文庫、手元に置いといてまた読みたい。

Posted byブクログ

2017/01/16

同い年の作家だからというだけではないと思うけれど、不思議な共鳴点というか共感がある長嶋有。 ツイッターという場を絆としたとりとめのないふしぎなつながりあいについてはときどき思うことがあったので、この作品もおもしろく読んだ。あるキーワードや行動をつなぎとして離れた場所にいる者の別の...

同い年の作家だからというだけではないと思うけれど、不思議な共鳴点というか共感がある長嶋有。 ツイッターという場を絆としたとりとめのないふしぎなつながりあいについてはときどき思うことがあったので、この作品もおもしろく読んだ。あるキーワードや行動をつなぎとして離れた場所にいる者の別の話にすっすっと切り替わっていくのはまるでTLを順にたどっているような気分で、はじめはめんくらったけれど、これぞツイッターの世界であり、また連歌のようだとも思った。 詠み終えて、またはじめからもう一度読み直したくなる作品でもある。

Posted byブクログ

2017/01/05

(個人的に)長嶋有さんブーム再来のいま、読んでない作品を買ってきました。 何気なく読んでて、「あれ?これってそれはなんでしょう、だ」。 「ねたあとに」という小説に出てきたゲームで、おもしろそうと思っていたら、そう、確かに長嶋さんはツイッターでやっていた!! 何を隠そうこの私も...

(個人的に)長嶋有さんブーム再来のいま、読んでない作品を買ってきました。 何気なく読んでて、「あれ?これってそれはなんでしょう、だ」。 「ねたあとに」という小説に出てきたゲームで、おもしろそうと思っていたら、そう、確かに長嶋さんはツイッターでやっていた!! 何を隠そうこの私も、たった1回だけそのツイッターでのゲームに参加したことがあったんです。 たいしておもしろい回答も出来なかったのですが、その後どなたかにうまいこと解釈してもらったことだけ覚えています。 そしてそのあとは、常連さんたちの仲の良さに、なんとなく気後れしてしまって離れてしまったのですが……。 まさかあのツイッターでのゲームから、こんな話が書けてしまうなんて。 私も本読みの端くれなので、何度か「自分でも書いてみたいなあ」と思ったこともあります。 が、長嶋さんの小説を読むと、「こんな話は絶対に書けない……」と(書いてもないのに)筆を折ることになります。 コロッコロと人物が変わるし、いっぱい出てくるのでえーと今は誰? この人は誰だっけ? 状態にはなりますが、それはそれでツイッターっぽい。

Posted byブクログ

2017/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 5年前の東日本大震災後、あらゆる情報網が麻痺した際にTwitterが情報拡散や励ましの一躍を担ったことは記憶に新しい。逆に、無責任なツイート・リツイートの応酬が混乱を来したり、心ない言葉が飛び交ったりし、その使い方について議論が起こったこともあった。  この物語では、Twitterの有用、あるいは短慮な使い方にフォーカスしていない。「何をしていましたか?」などの投げかけられた質問に思い思いの答えを返す大喜利のようなことをしている人々の群像劇である。中には震災の被災者もいるが、決して悲惨さは描かれていないし、和やかなタイムライン上では震災があったことすら触れられていない。まるで、日本中で叫ばれた「絆」というものの外側にいるみたい。  物語中、登場人物が切り替わる部分でも段落が変わらない(これが読みにくかった!)。Twitterのタイムラインのように、無数の人々が「日常」を重ねている。同じ瞬間にラジオを聴く人がいて、同じ瞬間に別々の坂道を登っている人がいる。  簡単に世界中に発信できるようになった「言葉」。秋葉原で事件を起こした犯人も、ネット上(Twitterではない)に自分の行動を事細かに記していたという。果たして、言葉の受け取り手がいれば、あの事件は起こったのだろうか。言葉のあり方について、今一度考える時期に来ているのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/09/15

2016/09/14 移動中 偶像劇をシームレスに描くと、とにかく取りとめがなくなるような印象なんだけど、一つの軸としての震災がコントラストを作るのに絶妙な気がする。

Posted byブクログ

2016/08/20

取り留めない感じが感情移入を阻害する。 ちょっと苦手なタイプかも。 あらすじ(背表紙より) 何をしていましたか?ツイッターに投げられた質問に思い思いの答えを返す人たち。問いの全文が知らされるのは答えが出揃ってから―小説家のネムオが震災後に始めたそんな言葉遊びが、さまざまな場所にい...

取り留めない感じが感情移入を阻害する。 ちょっと苦手なタイプかも。 あらすじ(背表紙より) 何をしていましたか?ツイッターに投げられた質問に思い思いの答えを返す人たち。問いの全文が知らされるのは答えが出揃ってから―小説家のネムオが震災後に始めたそんな言葉遊びが、さまざまな場所にいるさまざまな男女の人生を丸くつないでゆく。この著者にしか書けない、静かだけれど力強い長編小説。

Posted byブクログ

2016/08/19

長嶋有じゃなかったら読まなかった。しかし、長嶋有だから、なのかどうかはしらないけれど、よかったんだよなあ。おもしろかった。

Posted byブクログ