サラダ記念日 の商品レビュー
80年代に登場した天才女性によるベストセラーとなった現代短歌作品 当時の時代の雰囲気と世代を超える人間の心の様子とキラキラとした日常感が軽快に31音で繰り広げられる世界。
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特に好きな歌。 ◇思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ ◇我のため生ガキの殻あける指うすく滲める血の色よ愛(は)し ◇今日風呂が休みだったというようなことを話していたい毎日 ◇熱心に母が勧めし「ユースキンA」という名のハンドクリーム 本人によるあとがきが名文。
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俵万智さんの歌集ですね。 ミリオンセラーの社会現象になった一冊ですね。 この本は1987年に初版が出ましたが、2016年の新装版です。 跋文の佐佐木幸綱さんは『おそらくは彼女の内部に眠っていた自らの音楽が、短歌形式に出会うことで目覚め、始動し、鳴動しはじめたのであった。自身の内部...
俵万智さんの歌集ですね。 ミリオンセラーの社会現象になった一冊ですね。 この本は1987年に初版が出ましたが、2016年の新装版です。 跋文の佐佐木幸綱さんは『おそらくは彼女の内部に眠っていた自らの音楽が、短歌形式に出会うことで目覚め、始動し、鳴動しはじめたのであった。自身の内部の音楽を発見した、と言い換えてもいい。』と語られています。言えて妙ですね。 俵万智さんの短歌は暗さがありません。爽やかに青春を詠えあげています。そこがファン、特に同時代の女性に惹かれたようですね。 万智さんは『歌をつくりはじめてから約四年。その間の作品のなかから四三〇余首を選び、この集におさめた。年齢でいえば二十歳のおわりから二十四歳のいまに(当時)至るまで、ということになる。』と語られています。すごいですね。まさに溢れんばかりの爆発的な短歌だと思います。 沈黙ののちの言葉を選びおる 君のためらいを楽しんでおり 砂浜に二人で埋めた飛行機の 折れた翼を忘れないでね 母の住む国から降ってくる 雪のような淋しさ 東京にいる 妻のこと「母さん」と呼ぶためらいの なきことなにかあたたかきこと 春を待つ心を持たぬ三月に 遅咲きの梅君と見ている 黒板に文字を書く手を休めれば ほろりと君を思う数秒 親は子を育ててきたと言うけれど 勝手に赤い畑のトマト 菜種梅雨やさしき言葉持つ 国を歩む一人のスローモーション シクラメンが花をつけ直立する朝(あした) 吾に見えそうで見えない何か 朝刊のようにあなたは現れて はじまりという言葉かがやく 愛された記憶はどこか透明で いつまでも一人いつだって一人 清々しい短歌に心に涼風が吹く思いです。俵万智さんの短歌はここから始まります。助走を付けて飛行を始める歌集ですね。
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発売当時、とても話題になっていた。 その頃はまだ10代後半。 今、改めて読み返してみると、歌の意味を深く 読み解くことができ、その情景が映像となって 浮かんだ。 今の年齢になったからこそ、心に響いてくる歌 もあった。 いい歌だなぁ、、と印をつけた歌がいくつか。 読み終えて余...
発売当時、とても話題になっていた。 その頃はまだ10代後半。 今、改めて読み返してみると、歌の意味を深く 読み解くことができ、その情景が映像となって 浮かんだ。 今の年齢になったからこそ、心に響いてくる歌 もあった。 いい歌だなぁ、、と印をつけた歌がいくつか。 読み終えて余韻が残る。 いつか、また読み返したい。
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歌集を読んだのは初めてかもしれない 文字をなぞってぼんやり生まれる感情を何度も楽しんで良いのかもしれない 『左右対称の我』 一人暮らしを始めたときのほろ苦さを思い出した
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俵万智の第1歌集。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に本書が登場し、また現在放送中の『舞いあがれ!』に短歌が登場し、著者がTwitter上で感想を述べていること等から気になり、借りてみた。 収録は以下の通り。 「八月の朝」50首 「野球ゲーム」50首 「朝のネクタイ」1...
俵万智の第1歌集。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に本書が登場し、また現在放送中の『舞いあがれ!』に短歌が登場し、著者がTwitter上で感想を述べていること等から気になり、借りてみた。 収録は以下の通り。 「八月の朝」50首 「野球ゲーム」50首 「朝のネクタイ」10首 「風になる」44首 「夏の船」37首 「モーニングコール」28首 「橋本高校」27首 「待ち人ごっこ」35首 「サラダ記念日」30首 「たそがれ横丁」5首 「左右対称の我」42首 「元気でね」26首 「ジャズコンサート・IMA」11首 「路地裏の猫」30首 「いつもアメリカン」9首 視点が遠近・自他へと移動して捉えられる風景――恋をしているとき・旅をしているとき・教師をしているときに目に留まり感じ入るもの、何でもない時に気になるもの、傷付いているときに遮ったり遮られるもの。口語体で詠まれているおかげか自分もこれらを共に見つけ、味わうことができた。短い文章表現中にドラマティックな奥行きを見出せたような気がする。
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現代の短歌には何気ない日常生活を詠むイメージがある。俵万智「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」が典型である。小説も私小説というジャンルがあり、短歌も自分の日常を切り取ることは当然と言えば当然である。
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公募の短歌を多数掲載したもの それまでの短歌に向けられた堅苦しいイメージを払拭して一般の、特に女性に対して普及をさせた。内容は恋愛から日常生活まで身近なものを取り上げており、あまり厳しい様式の縛りもないので気軽に思える。反面、短歌のテーマにはやや偏りがあり、全体を通して目を通す...
公募の短歌を多数掲載したもの それまでの短歌に向けられた堅苦しいイメージを払拭して一般の、特に女性に対して普及をさせた。内容は恋愛から日常生活まで身近なものを取り上げており、あまり厳しい様式の縛りもないので気軽に思える。反面、短歌のテーマにはやや偏りがあり、全体を通して目を通すと飽きてしまうように感じた。
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【読んだ目的・理由】短歌に興味があったから 【入手経路】実家にあった 【詳細評価】☆4.2 【一番好きな表現】それならば五年待とうと君でない男に言わせている喫茶店(本文から引用)
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