サラダ記念日 の商品レビュー
高校の授業で「モードの変遷」を読んだ。そのとき俵万智さんの短歌に惹かれて、前々から気になっていた「サラダ記念日」をちゃんと読むことにした。 日常を切り取った、瑞々しさに満ちた短歌。優しかったり、切なかったり、面白かったり、いろいろな感情が短歌から伝わってくる。 旅先での非日常的...
高校の授業で「モードの変遷」を読んだ。そのとき俵万智さんの短歌に惹かれて、前々から気になっていた「サラダ記念日」をちゃんと読むことにした。 日常を切り取った、瑞々しさに満ちた短歌。優しかったり、切なかったり、面白かったり、いろいろな感情が短歌から伝わってくる。 旅先での非日常的な短歌も面白かった。 非日常、日常のことであろうと、作者本人の世界の捉え方に驚かされる。「夏の船」が一番のお気に入り! J-popの歌詞みたいな陳腐な短歌もあったけど、口語短歌だからこその表現かも。人によって好みが分かれそう。それを抜きにしても良い歌集だった。
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1987年刊行。39年前!私は、中1だった。 今読んでも新鮮、キラキラがきりとられている。 なんてすてきなんだろう! カタカナ、単語、言葉づかい、ぜんぶすきだなぁ。 中学生のころ、吉本ばななさんもデビューした。 この時代、みずみずしい感性が現れたんだなと思う。
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心が洗われるようでした。生き生きとしたこの世界をこんなにも綺麗な言葉で表せるなんて、と感動しました。
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恋多き短歌集。自分が著者と同年齢だった時に、これを書けるとは思えない。 あまりに違う価値観、知らない世界。 恋で感情や世界が揺れていても、暗さがなくて不思議だった。 30年以上前の作品にも関わらず全く古臭さが無い。 本という形で、改めて有名作に触れることができてよかった。
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そりゃ売れるわ。 中学の便覧ではじめて「サラダ記念日」の短歌に触れ、短歌ってこういうのもあるんだ!と一気に世界を近づけてくれた俵万智さんの歌集。 大学で短歌に出会って20-24歳での作品がこれなんて、彼女にとってはとても自然な思考の表現技法としてぴったりはまったのだと思う。 等身...
そりゃ売れるわ。 中学の便覧ではじめて「サラダ記念日」の短歌に触れ、短歌ってこういうのもあるんだ!と一気に世界を近づけてくれた俵万智さんの歌集。 大学で短歌に出会って20-24歳での作品がこれなんて、彼女にとってはとても自然な思考の表現技法としてぴったりはまったのだと思う。 等身大の女性の歌が多くて共感できたり情景が浮かんだりして、ひとつひとつが短編映画を観ているようだった。
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すごく好き。どれもこれも響くので、まさに「相聞歌なべて身に沁むこの夕べ一首残らず丸をつけおり」状態だった。 「自分のなかの無駄なごちゃごちゃを切り捨て、表現のぜい肉をそぎおとしていく。そして最後に残った何かを、定型という網でつかまえるのだ。」 本人の後書きでここが一番好き。一つ...
すごく好き。どれもこれも響くので、まさに「相聞歌なべて身に沁むこの夕べ一首残らず丸をつけおり」状態だった。 「自分のなかの無駄なごちゃごちゃを切り捨て、表現のぜい肉をそぎおとしていく。そして最後に残った何かを、定型という網でつかまえるのだ。」 本人の後書きでここが一番好き。一つ一つの言葉選びがストンと心に落ちてくるようにぴったりで、詩的で、とてもいい心持ちになった。歌詠みはやはりこういうふうに言葉を選ぶんだなあ。 この本を出版した俵万智の歳まで、あと1年。たった1年かー
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「跋」という漢字を初めて知りました。 1987年5月8日初版発行 2016年7月30日新装版初版発行 2025年4月30日新装版9刷発行 401刷282万部突破! いつまで売れ続けるんだろう。
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## 引用と感想 ### 八月の朝 > オレンジの空の真下の九十九里モノクロームの君に寄り添う > 口に出すと気持ち良い。オレンジとモノクロの対比が良い。 > 君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる > 時間を食べるという言い方...
## 引用と感想 ### 八月の朝 > オレンジの空の真下の九十九里モノクロームの君に寄り添う > 口に出すと気持ち良い。オレンジとモノクロの対比が良い。 > 君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる > 時間を食べるという言い方が新鮮で好き。 > 一年は短いけれど一日は長いと思っている誕生日 > たしかに、時間の感じ方が全然違う。 > 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ > 家族と季節を共有しているときに幸せを感じる。そういうことなのだろう。 「寒い」を共有できることを「あたたかさ」と表現するのが好き。 ### 野球ゲーム > 今日風呂が休みだったというようなことを話していたい毎日 > ありふれた日々にこそ幸せがある。家族と過ごす普通の日が大切だ。 ### 橋本高校 > 親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト > 子は親の見ていないところで色々と学んで大きくなっているもの。 親だけが子を独占できる時間は意外と少ない。 ### サラダ記念日 > 会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く > 会える日はもう会う前から楽しいものだ。 > 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 > 有名な句。何でもない日が幸せな日。 ### 元気でね > この坂を越えれば海へ続く道黄色の信号するりと抜ける > 爽やかな景色が目に浮かぶ。 ### 路地裏の猫 > 隅田川に冬のはじめの風吹いて緊張している土手の草々 > 緊張しているという言い方が可愛い。 ### まとめ > 生きることがうたうことだから。うたうことが生きることだから。 > あとがきでの俵万智さんの言葉。 何かのやりがいや生きがいをを見出せることは幸せなことだと思う。 最近、「好きを仕事にする」という言葉をよく聞いたが、それは幸せなようで、大変なことだ。 好きなものは、ちょっと距離がある方が好きなままでいられるものかもしれない。 好きな人でも、同棲したら粗が見えてしまうように。 「生きることはうたうこと」と言い切る俵万智さんはかっこいい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
短歌集なんてはじめて読んだ。 でも、小説や新書よりもずっと軽く気合いを入れずに読める。 歌を連続で読むと物語が浮かんできて、ひとつだけ読んだときとずいぶんちがう印象になるのも面白い。 俵万智さんの歌は口語調が多くて、スッと読めるから、他のも読んでみたいな。 ・今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海 ・なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き ・思い出になるには早い写真見て吾の表情を確かめている ・愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人
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感覚的な感想で申し訳ないのだが、濃い青からは薄い青が作れる一方で、薄い青からは濃い青が作れないように、人の感情も濃淡がある。足りない色は他から吸収していくしかないわけだが、多くの人がそれを人の発する言葉から得ようとする。それは、一見するととても効率がいい。普段の会話から、好きな人...
感覚的な感想で申し訳ないのだが、濃い青からは薄い青が作れる一方で、薄い青からは濃い青が作れないように、人の感情も濃淡がある。足りない色は他から吸収していくしかないわけだが、多くの人がそれを人の発する言葉から得ようとする。それは、一見するととても効率がいい。普段の会話から、好きな人から出てくる言葉だけを聞き取って、自分の感情や感動に落とし込んでいく。 しかし、それでも足りない色が出てくる。言ってみれば暖色、寒色および無彩色などというもので、その人の人生を彩って集まった偏ったコレクションたちによって生まれた、大きく差し障りはない不都合。 ただ、同系統の色が集まったら、何を描いているのか分からなくなる。境界が分からなくなる。どこまでが自分の言葉で、どこからが自分の言葉なのか。分別して、区別して、自分の道具入れにしまいたいのに、全部同じ色に見えてしまう。ラベルは準備していたのに、どの色か分からなくなって、名前も分からなくなってしまう。 きっとそんなとき。心がごちゃごちゃで、悩みが無為に増えるとき、「サラダ記念日」を読むことで、自分になかった色の使い方が分かってくる。 読書は所詮、体系的で能動的な活動の中で育まれる、単なる趣味でしかない。だから、短歌を読んだからと言って、新しい色が手に入るわけじゃない。けれど、自分の持っている色を使った新しい表現を与えてくれる。赤を使ってないのに温かく見える描き方。緑を使っていないのに自然豊かな風景画の描き方。そうやって改めて、自分の感情と向き合ったとき、自然とラベルで整理された道具入れが手に入ります。 もちろん、それはもともと、私やあなたの中にあったものだけれど、「サラダ記念日」を読むことで、感情の整理ができるんだと思います。 今も昔も愛される作品というのは、こういう本のことを言うのだろう。
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