吉田の日々赤裸々。 の商品レビュー
コラム連載なので話題に一貫性こそないですが、mmorpgの中で最もアクティブユーザーが多いff14のプロデューサー吉田直樹さんの著書です。 彼のコラムでも印象に残ったのは、 「Q.スクエニで活躍したいが、なにを学生のうちに学ぶべきか?」 「A.プログラミングは直接役に立つ、ただそ...
コラム連載なので話題に一貫性こそないですが、mmorpgの中で最もアクティブユーザーが多いff14のプロデューサー吉田直樹さんの著書です。 彼のコラムでも印象に残ったのは、 「Q.スクエニで活躍したいが、なにを学生のうちに学ぶべきか?」 「A.プログラミングは直接役に立つ、ただそれよりも本を数百冊は読んでいること」というゲームクリエイターとは少し距離が遠いと思っていた読書に触れていたのが印象に残った。 ff14をやっていない人にもビジネス書とはまた違う刺激をもらえるかもです。
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面白かったですが、あくまでも連載のコラムなのでお話に一貫性はないです。 吉Pが好きなら読む価値はあります。
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FF14が開始してから半年ぐらいは、所謂根性版というバージョンで大炎上していた。批判されるだけでなく多くのユーザー離反を引き起こし、スクエニがプロデューサーの変更を余儀なくされる程の現象となった。 FF14自体は未プレイだけど、製作者が「根性版」と呼ぶほどなので、とても合理性を...
FF14が開始してから半年ぐらいは、所謂根性版というバージョンで大炎上していた。批判されるだけでなく多くのユーザー離反を引き起こし、スクエニがプロデューサーの変更を余儀なくされる程の現象となった。 FF14自体は未プレイだけど、製作者が「根性版」と呼ぶほどなので、とても合理性を欠いたスケジュールだったんだろうなと想像させる。 そこからの軌道修正でほぼ1からの作り直しが必要だと判断した吉田氏は、まず根性版スタッフに休暇を取らせるところから始める。 このあたりは「人を動かして納期までに仕事を終わらせるのがプロデューサー」という会社組織的な枠を超えて、部下とはいえ他人に能率的に働いてもらうにはどうしたら良いか、という人間関係としてのアプローチがなされている。 納期を過ぎて完全崩壊した状態から事態を収集するべき段階で、この判断は中々できないんですよね。 また当時、雑誌で吉田氏が「ココを直せば良くなるという点はなく、1つ1つの要素を丁寧に改善して、1年ぐらい掛けて着実に良いものにするしか方法がない。」といった趣旨のコメントをしていたのを覚えている。当時はユーザーがそこまで付いていってくれるかなあと懐疑的だったけど、結果を見れば明らかで新生FFはまだ大盛況で続いている。実際に「理想のMMO」と「根性版のダメなところ」を比較するという手法で改善点を見出し、順番に処置していったらしい。 こんな感じで、国内屈指の大作を1から作り直していく様を読めるのはとても新鮮で、勉強になった。諦めずに、冷静に、先を見据えて一歩一歩仕事を進めることの大切さ、周囲(スタッフだけでなくユーザーも)との相互理解に務める様などは業界を問わずに参考になると思う。 ただ一方で、流石に公にできない内容が相当あるようで、ふわっとした表現になっていたりそもそもの問題点がぼかされていたりもする。 書籍のストーリーとしては物足りない感じもある。2巻に期待かな。
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昔、ファミ通の連載で読んでいて面白かったな、という記憶があったので購入してみました。新生FF14の内容を文字通り赤裸々に語っており、非常に読み応えがある1冊でした。話題が飛びまくるのも単行本で読む分にはリズム感があって良かったです。 著書の吉田さんが、基本的にポジティブでエネル...
昔、ファミ通の連載で読んでいて面白かったな、という記憶があったので購入してみました。新生FF14の内容を文字通り赤裸々に語っており、非常に読み応えがある1冊でした。話題が飛びまくるのも単行本で読む分にはリズム感があって良かったです。 著書の吉田さんが、基本的にポジティブでエネルギッシュな人なので、きちんとゲームが新生できたんだな、というのを感じたりした。あと、巻末の鼎談もなかなかパンチがある内容で面白かったです。
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2010年に発売された「ファイナルファンタジー14(旧FF14)」は、FFシリーズの最新作として期待は大きかったものの、それに反して品質は低く、ユーザーから酷評を浴びることになった。 それを受けたスクエアエニックスは運営体制を一新し、吉田直樹氏を筆頭に、「ファイナルファンタジー1...
2010年に発売された「ファイナルファンタジー14(旧FF14)」は、FFシリーズの最新作として期待は大きかったものの、それに反して品質は低く、ユーザーから酷評を浴びることになった。 それを受けたスクエアエニックスは運営体制を一新し、吉田直樹氏を筆頭に、「ファイナルファンタジー14: 新生エオルゼア(新FF14)」として再開発していくことになった。 本書は、その吉田氏が新生までの軌跡を「週間ファミ通」誌上でコラム連載していたものが、まとめられたものである。 まず、なぜ旧FF14は、見切り発車と言っても良いレベルの品質で発売されてしまったのか。 一つには、同シリーズで現在高評価を受けている、FF11の影響が大きいと思われる。 FF11もリリース時には、やはり低品質だったらしい。 だがその後、アップデートを繰り返す中で品質を高めていき、やがてユーザーの信頼を獲得できた、という経緯がある。 今回も、頑張っていけばそのように上手くいく、と盲信するような部分があったのではないだろうか。 だが時代は変わり、現代では「ローンチ時から高品質」というのが当たり前になっている。 低品質でリリースすると、ユーザーはすぐに離れてしまい、投資コストの回収どころかアップデートのための人員確保すらできなくなる。 そしてよりユーザーが離れていき、ビジネスが立ち行かなくなる、という負のスパイラルに陥ってしまう。 上記のような考え方は現代のビジネスでは通用しない、と本書では指摘している。 また、プロモーション等が既に動いていたこともあり、発売を止められない状態だった、という点もある。 FF14ほどのビッグタイトルになると、多くのプロモーションが連動したり、また専用のハイスペックPCが売られたりといったことが当たり前のように行われる。 そういった中で、発売を延期したり、ましてや中止するといったことは難しいのだろう。 事実、吉田氏は発売直後の惨状を見て、一度はサービス停止を検討したらしい。 だが一度始めてしまったMMORPGの運営を簡単に停止することは、会社の信用に計り知れない影響を与える。 ユーザーにとってオンラインゲームのプレイデータは、様々な思い出が重なり、ただのデータ以上の価値を持つ。 それを簡単に消すような会社のゲームは、今後誰も遊びたいと思わないだろう。 こういった背景から、FF14がリメイクではなく、全く新しいゲームとして「新生」されることに繋がっていく。 では、新生の流れは実際にどのようなものだったか。 様々なエピソードがあるが、中でも特に興味深かったのが、「何から手を付けていいか分からなかった」という部分。 当初ヘルプに入った数名の感想は、上記のような、お手上げとも言える感想だった。 だが吉田氏はそれに対して、まず「MMORPGとしての問題点は何か?」を洗い出すことに集中させた。 そのリストは、1万個以上にも上るものだったという。 そして自身は「もしFFの最新作がMMOPRGだった場合どうあるべきか?」、つまり理想形を定義していった。 こうすることによって、理想と現実の差分から、何をすればいいかが見えてくる。 あとは優先度をつけて、順次対応していくだけである。 問題=理想−現実、というのはプロジェクトマネジメントにおいて、非常に重要な点である。 「何からやっていいかわからない」というメンバーに対して、実に見事な指示だと言えるだろう。 また特筆すべきは、吉田氏が「ディレクター兼プロデューサー」という立場に就いた点。 共に激務であり、通常は掛け持ちするべきではない。 だがこの緊急時において、ディレクターからプロデューサーに確認する、という無駄なプロセスは省きたかったとしている。 今欲しいのはメンバーに指示をする人であり、それ以上の人、例えば夢を語るようなプロデューサーは不要だと。 だったら吉田氏がプロデューサーも兼任してしまえば良い、という流れで決まったとのことである。 かなり思い切った采配だが、結果を見るに、成功と言えるだろう。 無論、それまでの数ヶ月の間、吉田氏の適切な指示が評価されたことは言うまでもない。 他にも本書には、終焉から新生までの様々なエピソードが紹介されている。 実際には、コラム連載という都合上仕方ないのだろうが、かなり蛇足も多い。 FF14の話が聞きたいのにすぐに脇道にそれてしまい、やきもきすることも多いだろう。 だがそれを差し引いても、「社長に直談判した」「プロデューサーは半ば押し付けられたようなもの」など、現場でしか聞けないような「赤裸々」なエピソードには大きな魅力がある。 得るものは多いとは言えないが、他では読めないようなエピソードが楽しめる一冊。
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