宇宙探偵マグナス・リドルフ の商品レビュー
50年代のミステリ・タッチのSF短編集。ジャック・ヴァンスは好きな作家です。現代的なテーマも内包しているし、その特徴である強烈な色彩感覚や奇妙な異星人も登場しますが、今回は薄味に感じてしまいます。キャプテン・フューチャーみたいな馬鹿馬鹿しさに溢れているわけではないし、ユーモラスな...
50年代のミステリ・タッチのSF短編集。ジャック・ヴァンスは好きな作家です。現代的なテーマも内包しているし、その特徴である強烈な色彩感覚や奇妙な異星人も登場しますが、今回は薄味に感じてしまいます。キャプテン・フューチャーみたいな馬鹿馬鹿しさに溢れているわけではないし、ユーモラスなタッチもあるのですが、どれもこれも印象が薄い感じ。初期の作品群だからでしょうか、ずいぶんおとなしい感じだったんですね。特にユーモアって難しいです。ダグラス・アダムスはすごく面白く感じるのにコニー・ウィリスのユーモアものは苦手だし(シリアス作品はすごく面白いのにね)自分のセンスもあるのかもしれない。奇妙な宇宙人といい皮肉なストーリーといい吾妻ひでおによる漫画化で毒をましましにしてもらうと最高に面白いかも。
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宇宙探偵と聞いてイメージするのとは違って、マグナス・リドルフは白髪白髭の小柄な老紳士。哲学者で数学者。無類の賭け好き。変な投資をして金欠となり、危険で困難な依頼を解決して大金をせしめる必要にかられる。依頼の内容も珍奇で、異星人や異星の文化が絡む厄介なもの。10話入っている中では、...
宇宙探偵と聞いてイメージするのとは違って、マグナス・リドルフは白髪白髭の小柄な老紳士。哲学者で数学者。無類の賭け好き。変な投資をして金欠となり、危険で困難な依頼を解決して大金をせしめる必要にかられる。依頼の内容も珍奇で、異星人や異星の文化が絡む厄介なもの。10話入っている中では、特に『とどめの一撃』が好き。SFでミステリで痛快な一冊。
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どの話もおもしろかったけれど 特に「ユダのサーディン」が好みです。 inmoral意外にamoralという枠があること を知りました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんとも奇妙な宇宙人達を相手に白髪紳士のマグナス・リドルフがトラブルシュートを繰り広げるとんでもSFミステリ。 この作品群が50〜60年も前に書かれていることを考えると現代でも充分に楽しめ、色あせていないことに驚く。 ストーリー、舞台設定が独創的すぎ、SF読みでない自分には慣れない部分もあったが、単なるトラブルシュートではなく、あくまで利己的にオチをつけるまでのマグナス・リドルフのしたたかさに毎回にやりとさせられた。
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面白かった!食えない爺さんキャラ、惑星の景観や宇宙生物の描写を想像するのが楽しかった。ジョージ・R・R・マーティンが触発されて「タフの方舟」を書いたってのも頷ける。これを1950年頃に書いたのか!いつかシャック・ヴァンスのほかの作品も読んでみよう。
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国書刊行会、というだけで読みたくなる。 が、マグナス・リドルフものに関してはちょっと好みではなかったなぁ。 バーティがどれだけ同じパターンで首までスープに浸かっても平気なのだが。リドルフがだいたい同じパターンで物事を解決するのには飽きてしまった。この差はなんだろうか。わたしは、人...
国書刊行会、というだけで読みたくなる。 が、マグナス・リドルフものに関してはちょっと好みではなかったなぁ。 バーティがどれだけ同じパターンで首までスープに浸かっても平気なのだが。リドルフがだいたい同じパターンで物事を解決するのには飽きてしまった。この差はなんだろうか。わたしは、人としてのリドルフに魅力を感じなかった、ということか。 なので、最後の短編まで読み通すことはできなかった。これは個人のユーモアに対する好みの問題でしょうな。 モアベターな次の作品に期待したい。
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切れ者キューゲルがただの自称でトラブルメイカーな小悪党 だったのに対し、こちらマグナス・リドルフは文字通り頭脳 明晰なトラブルシューター。頭も切れ、修羅場も厭わない 恐るべき山羊鬚のジジイである。ただし、トラブルを解決 するにあたり、相手の弱みにつけ込むようにして、必ず大金 をせ...
切れ者キューゲルがただの自称でトラブルメイカーな小悪党 だったのに対し、こちらマグナス・リドルフは文字通り頭脳 明晰なトラブルシューター。頭も切れ、修羅場も厭わない 恐るべき山羊鬚のジジイである。ただし、トラブルを解決 するにあたり、相手の弱みにつけ込むようにして、必ず大金 をせしめてしまうあたりが、ただでは済まないジャック・ ヴァンス作品なのだな。今となっては若干古さを感じる部分 はあるが、それでも十分楽しめる佳品短編集である。
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なかなか面白かった。コブラの世界にパタリロがいる感じ。マグナスリドルフというキャラクターがかっこ良い。表紙の石黒正数の描くリドルフがそのものズバリな気がする。1950年前後の作品とは思えない。
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『宇宙ものSF×老紳士×ハードボイルド風味×ミステリー』という、自分の好き要素がすべて詰め込まれた短編集。ごちそうさまでした(合掌)。
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トラブルメ・・・なところが面白かったです。 一番気に入ったのは「数学を少々」。 そういや神林長平以外のSFって初めて読んだかもしれない。 訳者のあとがきにしては珍しく面白い感じでした。
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