イレズミと日本人 の商品レビュー
刺青のイメージがメディアによって変わっていったという考察?事実?は面白かった。なるほど、と思った。 イレズミを受け入れて欲しいと思うなら、受け入れたくない人のことも受け入れて欲しいと思う。
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日本におけるイレズミの概論とかオモシロそうと思って読んだら、めっちゃ興味深かった。ヒップホップが好きなのでタトゥーに対して全くネガティブなイメージはなく、むしろ老人になったら入れようかなとさえ思っているのだが、イレズミを受容しない/できない日本人の雑な認識を丁寧に解きほぐしており勉強になった。 歴史から始まり、日本人のイレズミ認識に大きく寄与している映画について一つの章を割きつつ全体像を紹介している。基本的な考え方としてイレズミは身体加工の一つにすぎないという指摘にハッとした。ピアスも化粧も脱毛も身体を加工している点では同じであるが、イレズミは社会的に許容されるレンジが狭いというだけ。日本でのイレズミの歴史として江戸時代には刑罰として入墨があったのは知らなかったし、アイヌや沖縄の先住民族の間ではイレズミがしきたりの一つとして存在し、それがときに差別対象にもなったことも知らなかった。こういった伝統としてのイレズミから戦後、任侠映画が爆発的人気を得たことでイレズミ=ヤクザものという認識になってしまい、それが更新されないまま現在を迎えていることが体系的に把握できて勉強になった。 とにかく知らない話の連発で、日本の彫り物が昔から海外では人気があってヨーロッパなどの権力者たち(皇帝とかそういうレベル)がわざわざ日本まで渡航してイレズミを入れたとか。小泉純一郎の祖父が石屋で、イレズミのある背中を純一郎が流していたとか。今ではイレズミ=反社と脊髄反射で考える人も多いかもしれないが、そんな認識が形成されたのはたかだか30年程度の話というのは目から鱗だった。また入浴習慣の変化の影響も示唆しており銭湯→自宅での入浴により身体への感受性が変化し、身体が人によって様々であることを観念的に捉えるようになったことも原因ではないかと推察していた。 イレズミ自体が持つ他人への圧力の大きさは認めつつも、そもそもイレズミを拒否する目的が何なのか、あらためて考えるフェーズに来ていると筆者は主張しており至極納得できた。そもそも他人が肌に柄を入れていることの何が問題なのかよく考えてみると分からない。選択的夫婦別姓と同じで他人の意思決定を阻害するような法律や考えはなるべく少ない方が皆幸せになる気がするのでヒップホップが価値観を転覆してほしい。
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文字通り、日本の文化史におけるイレズミの位置づけについて書いた本。 現在の日本のイレズミに対する抵抗感は、ヤクザ映画と家におけるお風呂の普及というのが、わかりやすくて勉強になった。
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2020に向けて、これが会話にのぼれば、説明できる日本人でありたい。インク持ちの人との会話のきっかけになる、など、読んで損はないと思い読んだ本。内容に説得力がある良書。 ひとつだけ、引用したい。 「イレズミは関係者」という映画の操作、国外の方に間違ったままの形で伝えないでほしい。
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歴史ある文化、外国なら当たり前のファッションとして、事例を多数挙げての肯定。 個人的な美意識として、イレズミは美しいとも格好良いとも思わない。しかし、それを美しい・格好良いと思う人もいるわけで、規制する必要は無いと考える。ただ自分が「うわー、醜いなぁ」と心の中で思うのみ。
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立派なモンモンを入れている知人もオシャレなタトゥーを入れている友人もたくさんいるけれど、いざ自分が入れるとなると躊躇してしまう。それは社会がイレズミに寛容ではないから。 少なくとも今現在はイレズミを入れると生活しにくくなる。 通っているジムはイレズミがあると即退会になるとの張り紙...
立派なモンモンを入れている知人もオシャレなタトゥーを入れている友人もたくさんいるけれど、いざ自分が入れるとなると躊躇してしまう。それは社会がイレズミに寛容ではないから。 少なくとも今現在はイレズミを入れると生活しにくくなる。 通っているジムはイレズミがあると即退会になるとの張り紙がある。イレズミに対して不寛容なのは、今の社会の縮図なような気がする。 #読書 #読書記録 #読書倶楽部 #イレズミと日本人 #山本芳美 #タトゥー #刺青 #イレズミ #2016年94冊目
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