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ビビビ・ビ・バップ の商品レビュー

3.9

16件のお客様レビュー

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2016/10/23

分厚いので、読後に達成感はある。 内容だけを拾うならば近未来ハードSFといってもいい。 ただし、いつもの奥泉節だ。 いつもの悪ふざけ大魔王だ。 だからつまり、近未来ハードSFという印象は残らない。 昭和かれススキSFと言ってもいいし、新宿騒乱SFと言ってもいいし、ジャズセッション...

分厚いので、読後に達成感はある。 内容だけを拾うならば近未来ハードSFといってもいい。 ただし、いつもの奥泉節だ。 いつもの悪ふざけ大魔王だ。 だからつまり、近未来ハードSFという印象は残らない。 昭和かれススキSFと言ってもいいし、新宿騒乱SFと言ってもいいし、ジャズセッションSFといってもいい。 登場するキャラクターはみな魅力的で、会話も物語の語り口も面白い。今回は舞台設定も素晴らしい。 なのにどうして奥泉さんの小説はいつもこうなってしまうのだろうか。理屈が無理やりになってしまうのだろうか。物語が破たんしてしまうのだろうか。 ただただそれが残念だ。

Posted byブクログ

2016/09/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

初読。図書館。分厚かった。。。中身は軽やかだった。奥泉さんが好きなもの満載でつくりこんで詰め込んだSF世界。特にジャズの大御所大集合のセッション・シーンは、書いてて楽しかったんだろうなあというのがガンガンに伝わってきた。細かいところから大きなところまで、20世紀カルチャー、サブカルをちりばめて遊び心満載。頭の中で映像化するだけで、楽しめる。凝りに凝ったエンタメです。

Posted byブクログ

2016/09/18

 吾輩は猫であるから始まる軽快なSF。  SFとジャズと近代文学と古典落語に詳しければ間違いなく面白いんじゃなかろうか。  何とも言えぬ軽妙な語り口を読むだけで楽しい。安定しない、軽やかな語り口で語られる不安定な落ち着かぬ物語はどこに行くかわからない。  面白い読書体験だった。 ...

 吾輩は猫であるから始まる軽快なSF。  SFとジャズと近代文学と古典落語に詳しければ間違いなく面白いんじゃなかろうか。  何とも言えぬ軽妙な語り口を読むだけで楽しい。安定しない、軽やかな語り口で語られる不安定な落ち着かぬ物語はどこに行くかわからない。  面白い読書体験だった。  でも、再読するならば、文庫で上中下くらいで読みたい。さすがに重い。

Posted byブクログ

2016/08/20

個人的に読むのに労力のいるSFものの中では、非常に読みやすい。 語りが軽やかで、フォギーもいつでも飄々としてるので、危機感は全くなく、楽しく読めたのはいいのか悪いのか、ですが。 出てくるアンドロイドも人間も魅力的。 前作があるとは知らずに読んだけど、問題なし。前作も面白そうなので...

個人的に読むのに労力のいるSFものの中では、非常に読みやすい。 語りが軽やかで、フォギーもいつでも飄々としてるので、危機感は全くなく、楽しく読めたのはいいのか悪いのか、ですが。 出てくるアンドロイドも人間も魅力的。 前作があるとは知らずに読んだけど、問題なし。前作も面白そうなので読んでみたい。

Posted byブクログ

2016/08/10

2000年代半ばにコンピューターウィルスによるパンデミックが起こり、甚大な被害が出たのち復興を遂げた日本を舞台に、アンドロイドの猫が語り手となって話は進む。 『鳥類学者のファンタジア』の続編で、前作が過去にタイムスリップしたのに対し、こちらは22世紀も間近という未来の話。本作の...

2000年代半ばにコンピューターウィルスによるパンデミックが起こり、甚大な被害が出たのち復興を遂げた日本を舞台に、アンドロイドの猫が語り手となって話は進む。 『鳥類学者のファンタジア』の続編で、前作が過去にタイムスリップしたのに対し、こちらは22世紀も間近という未来の話。本作の主人公の曾祖母が、前作の主人公フォギ-に当たるという設定だ。 しばしば登場する仮想空間では、寺山修司やら伊丹十三やら演劇界のホープが新宿のバーにいたり、往年のジャズプレイヤーが主人公とセッションするなど、作者ならではの遊び心も満載で楽しめるのだが…。 10年ほど前に読んだ前作は、軽妙な語り口と宇宙オルガンを始めとする壮大で摩訶不思議な物語に、これぞ小説の醍醐味と酔いしれ、お気に入りの1冊となっていた。そして今回、その続編ということで、個人的には期待が恐ろしく膨らみすぎた感もあるのだろう。 事細かに書き込まれた未来の状況や、ジャズの蘊蓄に徐々に集中力は削がれ、ひいては好きだったはずの文章のリズムまで鼻についてしまい、体言止めの多用や、常体、敬体の混用など作者ならではの持ち味がむしろ邪魔に感じた。 『虫樹音楽集』あたりから違和感が加速してきたのは、おそらく私の好みや感覚、受け止め方が変わったためだろう。ただ、『東京自叙伝』もそうだが、作品を通して昭和、平成の日本を書き残し、未来への危惧を示すという思いは伝わってくる。そして無類の音楽好きであることも。 個人的には『鳥類学者~』をもう一度読み返して、今はどう受け止めるかを再確認したいと思った。

Posted byブクログ

2016/07/16

『群像』連載の単行本化。 連載時から読んではいたが、単行本化でハチャメチャ度合いが上がっていてかなり楽しめた。ストーリーとしては『鳥類学者のファンタジア』の続編という部分があるのだが、本作だけ読んでも充分に楽しめる(読んでいた方がもっと楽しめるのは確かだが)。 単行本で600ペー...

『群像』連載の単行本化。 連載時から読んではいたが、単行本化でハチャメチャ度合いが上がっていてかなり楽しめた。ストーリーとしては『鳥類学者のファンタジア』の続編という部分があるのだが、本作だけ読んでも充分に楽しめる(読んでいた方がもっと楽しめるのは確かだが)。 単行本で600ページ超えの、随分と長い小説ではあるのだが、最近の単行本は少々長くても軽くなったのが有り難い。一昔前はずっしりと重たかったものだが……。

Posted byブクログ