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ふだん使いのナラティヴ・セラピー の商品レビュー

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2018/10/03

ナラティヴ・アプローチは、ホワイトやモンク、ウィンズレイドの本からスタートして、すごい面白いけど、同時に難しいな〜、という印象をもった。 何冊か、難しい系の本をよんだあとで、モーガンの「ナラティブセラピーってなに?」を読み、スッキリして、さらに「ナラティヴ・セラピーみんなのQ&...

ナラティヴ・アプローチは、ホワイトやモンク、ウィンズレイドの本からスタートして、すごい面白いけど、同時に難しいな〜、という印象をもった。 何冊か、難しい系の本をよんだあとで、モーガンの「ナラティブセラピーってなに?」を読み、スッキリして、さらに「ナラティヴ・セラピーみんなのQ&A」を読んで、頭がすっきり整理された。 そういうところで、こちらの「ふだん使い」を読んだわけだが、ほんと、これはいいな〜。 モーガンの本も分かりやすいけど、対象となっているのはセラピストという感じだったのが、こちらはセラピストではない普通の人でも読んだり、できるところから試してみることができようなワークも含む本に仕上がっている。 この本のもともとのアイディアはホワイトのもので、本の構成くらいまで考えられていたらしいが、ホワイトの逝去により実現しなかった。 そのアイディアを弟子(?)デンボロウが引き継ぎ、書いたもの。ケースのなかには、ホワイトの事例もたくさん入っていて、デンボロウの師への愛を感じる。 ホワイトがこの本を書いていたらどうだろう、という妄想もあるわけだが、きっと、この本はデンボロウによって書かれることになっていただんだろうな、と思える素晴らしさ。 とにかく分かりやすいし、人への優しい眼差し、自分に対する正直さや社会へのかかわりの真摯が伝わってくる。 と書くと、ちょっと人間にフォーカスしすぎで、ナラティヴの理論的背景と違うんじゃないの疑問も浮かぶかもしれない。 だが、それでもいいのだ、と断言してみる。 理論はいろいろあるけど、結局のところ、自分も他の人も、活き活きと生きることができれば、いいのだ。 そういうパーソナルな思いをもったうえでの外在化だったり、脱構築だったりするということなのかな? 他人や社会によって構成されたディスコースに気づき、自分自身にとってより元気のでるストーリーを選択するということかな?と思った。 理論的に社会批判をするわけではなくて、自分らしく生きにくいと思っている人、そして実体論的に「自分が立つ大地」みたいなものを感じることができないと思う人が、活き活きと生きやすくなればいいんだと思う。 ナラティヴの入門は、この本か、モーガンがおすすめかな? この辺を読んでから、ホワイトの本に進むと、いいと思う。

Posted byブクログ