ハルコナ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
花粉を無毒化する代わりに自分にとっては花粉が猛毒となってしまう少女の周りの人たちのお話。 春はいいけど花粉症的に関係のない季節でも何かしらの花粉はいつでも飛んでるわけだし、それもハルコにとっては有毒なんだろうし、体質者が社会的にみとられていて、近隣に受けいれられている世界なのが救いというか。 「青春小説」であるらしいですが、読後にきいてもそういう印象はあまりない。 でも遠夜とハルコの関係性はとてもいいと思った
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背表紙の解説に「圧倒的青春小説」とあるがそういう類いではないような。。。トークルームの中の”貴族”が最後にリアルな世界に出てくるのかと思ってたらそうじゃなかったのが肩すかし。あと、最終ページに"防護スーツ"のイラストは少しだけスッキリ感を演出していてよかったで...
背表紙の解説に「圧倒的青春小説」とあるがそういう類いではないような。。。トークルームの中の”貴族”が最後にリアルな世界に出てくるのかと思ってたらそうじゃなかったのが肩すかし。あと、最終ページに"防護スーツ"のイラストは少しだけスッキリ感を演出していてよかったです。
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世界を救うハルコ。ぼくは君に何ができる? 5年前、遠夜(とおや)の隣に引っ越してきたハルコは特異体質の少女。数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに自分には有毒となるため、宇宙服のような防護スーツを着けなければ外出ができない。通学は遠夜がサポートを続けるなか、事故が起きる。それ...
世界を救うハルコ。ぼくは君に何ができる? 5年前、遠夜(とおや)の隣に引っ越してきたハルコは特異体質の少女。数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに自分には有毒となるため、宇宙服のような防護スーツを着けなければ外出ができない。通学は遠夜がサポートを続けるなか、事故が起きる。それはクラスメートを巻き込む事件へと発展するのだが。――世界を敵に回してもハルコを守りたい、と願う17歳の決意が迸る圧倒的青春小説!
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頭のページから秋田節満載。 これこれこの畳み掛けるようなキャラクターの会話。 求めてたものはここにあった。 まずは読了します。
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初期の「ドミニオン」を彷彿とさせる世界観で期待したのだけれど、なんだかいまひとつ物語とならないまま終わってしまった感じがする。登場人物たちの境遇をもっと描いた長篇にしたなら面白いと思うのだけれど。社会風刺としてはあまりに現実的でストレートすぎて小説としての面白味に欠ける。
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オーフェンシリーズの秋田禎信の新作一般小説。 存在するだけで一つの町の花粉を無害化する能力があるが、自身にとっては有害であるため外出時には宇宙服のようなスーツが欠かせない。そんな荒唐無稽な設定のあらすじから想像できないが、とてつもないマイノリティとマジョリティの話だと受け取った...
オーフェンシリーズの秋田禎信の新作一般小説。 存在するだけで一つの町の花粉を無害化する能力があるが、自身にとっては有害であるため外出時には宇宙服のようなスーツが欠かせない。そんな荒唐無稽な設定のあらすじから想像できないが、とてつもないマイノリティとマジョリティの話だと受け取った。 花粉を無害化する当人にとって花粉が有毒であるという設定が絶妙。みんなのために一人を犠牲にしているのではなく、その制度がなければ本人は狭苦しい施設で一生過ごさなければならなかったかもしれないため、絶対的に悪な制度とは言えない。 中心人物であるはずのハルコがほとんど話さず意志も示していないことが不思議な雰囲気を醸し出している。クリームが入っていないシュークリームのように、どこかぽっかりしている。 遠夜はハルコと少し会話するもののハルコはほとんど喋らず、それでも世界の中心はハルコである。世界系ではないのだけれど、二人の世界は確かにあって、でも外界とも繋がっており、ハルコの周りが勝手に騒ぎ立て、熱を起こして燃え上がっている。 ハルコの母親が家から出ないという設定が非常に秀逸。母親の不憫な我が子に対する思いが非常によく現れてる。ハルコのために丸坊主にして転職し、家でもなるべくハルコに近付かないようにしているという父親も。派手なことはないけれど静かに日々を戦っており、それが日常になっている。 設定の緻密さやSF的面白さを求める物語ではない。その設定、その舞台で流れる人々のやりとりや行動、関わりが「ハルコナ」という物語になっていく。 すっごく面白かった。なんだろう、楽しいとも笑えるとも切ないとも一言で言えない、そもそもなにかを得たり失ったりそういうんじゃなくて。 ベテラン作家だけあって文章はこなれており、物語を読むのに全く邪魔にならなかった。一般作をいくつか書いているらしいので読んでみよう。オーフェンも小説版は読んだことがないから買ってみようかな。
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帯もあらすじもほとんど見ずになんとなく買ったからかこの体質だとかの謎が核になるのかと思ってしまった… 終盤はとても面白かった。理解した上でもう一度読んだらもっと考えさせられそう。貴族との会話がよかったなぁ…。 (帯は見なくてよかったけど、あらすじちゃんと読んでたらもっと楽しめた...
帯もあらすじもほとんど見ずになんとなく買ったからかこの体質だとかの謎が核になるのかと思ってしまった… 終盤はとても面白かった。理解した上でもう一度読んだらもっと考えさせられそう。貴族との会話がよかったなぁ…。 (帯は見なくてよかったけど、あらすじちゃんと読んでたらもっと楽しめたかもしれない…!
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※このレビューにはネタバレを含みます
純愛ものとして帯やあらすじを書かれているけれど、この小説のよさはそこではないと思った(出版社の方には申し訳ないけれど)。 いや、純愛要素はたしかにあるし、恋愛小説として魅力的な場面もある。ハルコは可愛い。ふたりの関係は切ない。だけどそれでもわたしにとってこの小説は、怒りと暴力についての物語であって、義憤や、義憤に姿を借りた自己弁護がいかに簡単に人の目を眩ますかという話だ。 人と人は、どうしようもなくわかり合えない。世界は複雑で、人間は複雑だ。だからわかりやすい話に飛びつく。わからないもの、自分に都合の悪いもの、自分を否定する他者を拒絶し、自分の怒りを正当化するために敵を作りたがる。群れて、自分と同じ意見の者に囲まれて安心したがる。それがいかに不毛で、危うく、寂しいことか。これはそういう物語だと思う。 主人公はそれに甘んじない。安易に他者の声に流されることを拒み、自分の怒りに流されることを危ぶむ。自分の守りたいものを見失うことをおそれる。人が理解せずに拒絶するものを見定めようとする。 わたしたちは、簡単に怒って、いちばん大事なことを見落とす。自分を疑えない人間は怖い。
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