兵士のアイドル の商品レビュー
タイトルは柔らかいですが、類書のなく気骨溢れる、懸命の取材に裏付けられた辞書並みの本です(第1:元祖アイドルと幻の慰問雑誌。第2:慰問雑誌発行の背景。第3:新体制運動とアイドル像の変容。第4:戦場に飛び出したアイドルたち。第5:慰問雑誌の終焉とアイドルのラストステージ)。 李...
タイトルは柔らかいですが、類書のなく気骨溢れる、懸命の取材に裏付けられた辞書並みの本です(第1:元祖アイドルと幻の慰問雑誌。第2:慰問雑誌発行の背景。第3:新体制運動とアイドル像の変容。第4:戦場に飛び出したアイドルたち。第5:慰問雑誌の終焉とアイドルのラストステージ)。 李香蘭とか原節子とか高峰秀子とか知っている名前もけっこうでてきます。一番みなが知ってるのは森光子かな。これをもとにNHKスペシャルとかつくってほしい、文字だと読破で疲れました。あとがきが本全体をコンパクトにまとめているので、あとがきだけ読んでも一応は堪能できる本です、そのほかの情報は辞書のように使うのがよいか 印象に残った記述「国民は政策や法によって心を動かさない。政策や法は国民を物理的に動かしても、内面からは動かさない。内面から動かすには文化なのだ」「恤兵(じゅんぺい)という用語は戦後使われない。慰問と解釈してよい、ほとんどの国民は強制されることなく、自発的に国家に金属を供与し、最後の最後まで恤兵(じゅんぺい)活動をし続けていた」「近代西洋の思想の中核である、自由主義・個人主義を排除することを決意した、戦時下の日本においては、むしろ国家統制こそ日本独特の試写会を実現するための合理的方策だというコンセンサスが成立していた」
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戦前の海軍、陸軍が兵隊の慰問用に作っていた雑誌、「戦線文庫」、「陣中倶楽部」などの内容を分析して、女性アイドルなどが、どのように戦時体制に「動員」されていたかを考察しています。これらの雑誌がほとんど現存せず今日では知名度もないため、これまで知られていなかった内容を紹介した労作です...
戦前の海軍、陸軍が兵隊の慰問用に作っていた雑誌、「戦線文庫」、「陣中倶楽部」などの内容を分析して、女性アイドルなどが、どのように戦時体制に「動員」されていたかを考察しています。これらの雑誌がほとんど現存せず今日では知名度もないため、これまで知られていなかった内容を紹介した労作です。 著者の分析・評価にはやや疑問もありますが、近代の国家総力戦ではどの様な事態が発生するのか、参考になります。 なお、映画関係などの記述、表記に誤植が多いのはちょっと残念です。(「漫才師・古川緑波」、「成瀬己喜男」など)
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知られざる「戦線文庫」。 70年前、戦時中にも勿論アイドルはいた。 何をしていたかと言うと戦意高揚の為に慰問していたのだ。 これは軍部が作っていた官制娯楽雑誌。 露出は少ないし、作られた言葉の様にも感じられるが、紛れもなく彼女たちの生身の姿なのだ。 今となっては、とっても貴重。本...
知られざる「戦線文庫」。 70年前、戦時中にも勿論アイドルはいた。 何をしていたかと言うと戦意高揚の為に慰問していたのだ。 これは軍部が作っていた官制娯楽雑誌。 露出は少ないし、作られた言葉の様にも感じられるが、紛れもなく彼女たちの生身の姿なのだ。 今となっては、とっても貴重。本物が見たいな。
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もともと、古写真とかが好き+アイドルが好きな私はキュンキュンするタイトルであります。本文も丹念に調査が重ねてあっていいんだけど、さらにグラビア部分は秀逸!現代のアイドルと違って「品」があるような感じがします。
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