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少女は花の肌をむく の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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2023/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

僕自身早生まれでもあって、精神的な発達も遅く、小学校の高学年から、女子がどんどん変わっていってしまって、何を考えているのかさっぱりわからなくなり、ちょっと遠い存在に感じていたことを思い出した。 この作品で、少女たちの世界がとてもリアルに描かれている一方で、僕の知っていた女子はいったいどうだったのだろうとも思う。クラスにはちょっとかっこいい出木杉君のような男子がいて人気があったけれど、彼をめぐってこんなかけひきがあった気はしない。女子の注意はどちらかというと、テレビの中のアイドルのほうに主に向かっていたような記憶がある。かしこくて委員長タイプの女子が力を持っていて、うまくクラスを回してくれていたからかもしれない。おだやかなクラスの人間関係の中で、一歩ひいたところにいて、本の世界と中学受験に没頭できていたのもそのせいなんだろう。 こんな世界を描ける朝比奈さんは、子どもの頃、みなを観察してこんなふうに分析していたのかなと思う。ちょっとしんどそうだ。 後半突然20歳の世界に進む。サークルの男女差別的な待遇に疑問を持ちながらもそれに適応していっている阿佐に、野々花が批判を述べる、というエピソード。 こういう風景って今でもあるのか不思議。時代設定は現代のように思われるけど、柚木麻子が『早稲女・・・』で書いてた話は彼女自身が大学生だった頃の印象だったんだが、今でも残っているのかなあ。年齢自体は柚木さんが81年生まれ、朝比奈さんは76年生まれ(ちなみに私は70年生まれ)。僕自身が大学生の頃、はじめはいっていた京大の男子と近隣女子大の女子でできているサークルにはこういう雰囲気があって、そこではまさに京大の女子は「早稲女」的扱いを受けていた。 僕はなんかそれになじめず京大の内部の男子・女子だけのサークルに移っていったんだけど、女子の大学進学率が高まった今、きっとこういう男女差別はだいぶ珍しくなっていそうなんだけど、違うんだろうか。 こういうものが許せない野々花が、ヤリマンと批判されても屈しないという性格に描かれている、キャラクターの造形の対立構造みたいなものは納得できるのだけれど、その心情があまりよく理解できないのは僕が内心そうした女性を認めたくないからなのか。美人の女の子は、まわりから言い寄られることがあまりに多いので、男性に対する警戒心が高いはず・・・という定型的な見方から逃れられないからなのか。

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2022/04/30

小学校で同級生だった少女達が、年を経て20才に成長。10才と20才、その時どきの心の移り変わりや考え方の違いを描いたお話。 1人ぼっちになることを何よりも恐れて、常にまわりの動向に目を光らせている少女に、芸能人のように美しいADSD 気味の少女、まわりから「変人」と扱われていつ...

小学校で同級生だった少女達が、年を経て20才に成長。10才と20才、その時どきの心の移り変わりや考え方の違いを描いたお話。 1人ぼっちになることを何よりも恐れて、常にまわりの動向に目を光らせている少女に、芸能人のように美しいADSD 気味の少女、まわりから「変人」と扱われていつも1人でいるこれまた発達障害のある少女。 ラストがちょっと変な感じ、現実はこんなものなのかな?他の二人は良いにしても、野々花のラストはこれでいいのか?春太はこれでいいのか?

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2020/06/18

小学校時代から振り返り 大人になった20代 それぞれ考え方は違うけどなぜか今は仲良しでいる女子 ちょっと設定が無理な気がするなあ。

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2020/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女子は皆が共感できる小説ではなかろうか、と思った。 女子の心情が事細かに、痛々しいほどに書かれており、自分の小学校時代と大学生頃を思い出しながら読んで、とても面白かった。 まるで自分の事かのようでつい応援したくなった少女、阿佐。 到底私には理解できないけれど、自分の思うがまま生きてどこか羨ましい少女、野々花。 変わっているけれど恨めない少女、咲。 小学校の頃は、女子特有のどこかのグループに入らなければならない焦りとかあったな...でも結局その時の友達なんて大人になってまで関係が続くわけでもなく、"季節ごとに取り替えてゆく服"ていう表現そのもの。大人になれば居心地のいい、それは意外と当時は仲良くなかった友達、ていうのは分かる気がする。 二十歳の阿佐と野々花が一回言い合いになった時、どう仲直りしたのか気になるけれど、そうゆう喧嘩とかすれ違いを経験してこそ3人の友情はより深いものになっていたのかな、とスッキリした結末だった。

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2018/10/14

一人を恐れ陰口にも励む十歳の阿佐に共感出来ず、変わり者の二人の方が馴染んだ。後半はアパレルショップで働く咲と芸能活動を始めた野々花の個性が硬質な十歳時より浸透し柔らかく、不思議に友達になっている二十歳の三人が、大学でサークルに励む阿佐はやっぱりたまに苦手だけれど、パステルカラーの...

一人を恐れ陰口にも励む十歳の阿佐に共感出来ず、変わり者の二人の方が馴染んだ。後半はアパレルショップで働く咲と芸能活動を始めた野々花の個性が硬質な十歳時より浸透し柔らかく、不思議に友達になっている二十歳の三人が、大学でサークルに励む阿佐はやっぱりたまに苦手だけれど、パステルカラーのように心地好かった。

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2018/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女子。恋。小学生。大学生。仕事。モデル。 十歳と二十歳の彼女たち。女子特有の世界。それぞれにコンプレックスを抱えてたり、抱えてなかったりだけど、十歳の彼女たちはみんな気高いな。三十歳、四十歳の彼女たちはまたどんな風なんだろう。

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2018/06/20

10歳と20歳。 10歳ごろの女の子の友達関係・・・難しいよね。 自分はもうおばちゃんなので直接関係ないけれど、 これから自分の子供が突入していくわけで、ちょっと考えると怖い。 オノマトペの考察が面白かったな。めらめらとか。 20歳の話は、だからどうした・・・って感じがしてしまっ...

10歳と20歳。 10歳ごろの女の子の友達関係・・・難しいよね。 自分はもうおばちゃんなので直接関係ないけれど、 これから自分の子供が突入していくわけで、ちょっと考えると怖い。 オノマトペの考察が面白かったな。めらめらとか。 20歳の話は、だからどうした・・・って感じがしてしまった。

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2018/03/12

女の子の人間関係のリアルがこれでもかって詰まってた。 阿佐、野々花、咲。3人ともベクトルは違うけど、生きづらさを感じてる。 それぞれがお互いを羨ましいと思ったり、なんか違うなーと思ったりしつつも小学校時代、そして20歳になっても、なんだかんだで付き合いが続いてる。 女の子っ...

女の子の人間関係のリアルがこれでもかって詰まってた。 阿佐、野々花、咲。3人ともベクトルは違うけど、生きづらさを感じてる。 それぞれがお互いを羨ましいと思ったり、なんか違うなーと思ったりしつつも小学校時代、そして20歳になっても、なんだかんだで付き合いが続いてる。 女の子って不思議な生き物で、友だち関係の中でも優劣があったりマウンティングしたりもする。どんなに仲がよくてもまぁ色々あって、めんどくさいなーと思いながらも、阿佐みたいにそれとうまくつきあったり、野々花みたいに全く無視して自由に生きたり、そのなかにもなかなかは入れない咲みたいな子もいたり。。 ほんと大変な生き物だなーと思うわ。 朝比奈さんの描写は本当にうまくてあるなーと共感ばかりしてた。 結末に至るまで、まぁいろんないざこざがあったけど、最後はなんだか爽やかで。 そういうのも女子ならではだなーと。

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2018/03/09

10歳かぁ、その歳の女子ならクラスで人気のあるグループにくっついて自分がはじかれたりしないようにするという智恵は働くよね〜。自分がどうしたいか、というよりは他人からどう評価されたいかということに重点が置かれている時期というか……。 ということは、他人からの印象ばかりを気にする人は...

10歳かぁ、その歳の女子ならクラスで人気のあるグループにくっついて自分がはじかれたりしないようにするという智恵は働くよね〜。自分がどうしたいか、というよりは他人からどう評価されたいかということに重点が置かれている時期というか……。 ということは、他人からの印象ばかりを気にする人は大人でない、考えが幼稚ということだろうか。

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2017/06/05

17/06/05 (42) スクールカーストていうのだろうか。ちりちりするね。ひりひりか。なんかどの子もいやなんだよなあ。野々花もやな成長の仕方をしてしまうし。 ・「うん。きっとわたし、変人なんだと思うよ。よく言われるし。でも、ガスバーナーの火って、すうすうでもないし、ちりちり...

17/06/05 (42) スクールカーストていうのだろうか。ちりちりするね。ひりひりか。なんかどの子もいやなんだよなあ。野々花もやな成長の仕方をしてしまうし。 ・「うん。きっとわたし、変人なんだと思うよ。よく言われるし。でも、ガスバーナーの火って、すうすうでもないし、ちりちりでもないし、これ、どう表したらいいんだろって、思わない? だってさ、見たことないくらい綺麗でさ、透明なのに、青いんだもん。全然熱くなさそうなのに、絶対熱いって分かってるし、小さい星みたいでさ、色とか、新発見だなあって思って」(P39)

Posted byブクログ