蛇行する月 の商品レビュー
高校時代に同じ図書部に所属していた、4人の女性の卒業後を中心に話は展開する。これは、私のような男が読むものでなく、女性が読むものだなあというのが1番の感想。 とにかく暗い話しで、登場人物は関わりたくない人間ばかり。あまり、読んだ事のない切り口だったので新鮮だった。
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高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。 皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。 順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。 それぞれが、自分のしあわ...
高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。 皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。 順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。 それぞれが、自分のしあわせとは何なのかを見つめ、向き合うことになる。 明るい話ではないが、重すぎる訳でもなく、曇り空の中にうすぼんやりと射す光のような表現が好み。
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釧路の高校で同じ部活に籍を置いていた女生徒たち。 彼女たちは人生の中でそれぞれに響きあい、またそれぞれの人生に帰っていく。 ときに励まし合い、ときに羨み妬みながら、お互いを確認することで自分を省みる。 こういうのって私の時代の若いうちは女友達にありがちだったわーと思いながら読ん...
釧路の高校で同じ部活に籍を置いていた女生徒たち。 彼女たちは人生の中でそれぞれに響きあい、またそれぞれの人生に帰っていく。 ときに励まし合い、ときに羨み妬みながら、お互いを確認することで自分を省みる。 こういうのって私の時代の若いうちは女友達にありがちだったわーと思いながら読んでいたけど、男性陣にはないのかな。 仲良くしていて、相手を嫌いなわけでもないのに、どこか自分より不幸でいることを願う汚さ。 それが嫌で気持ち悪くて、女友達が苦手だ。 今の子はきっとネットの発達でまた違った関係性になっているんだろうな。
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20歳以上離れた妻のいる男と、妊娠をきっかけに駆け落ちした順子を軸に 縁の女性たちの日常を描く短編集 全体的にどろりとした雰囲気で、曇天のイメージ。 どうとらえればいいのかわからず、何を伝えたいのかもわからず、不思議な作品でした
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桜木紫乃さんは五作品目 いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ ° 話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった 著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地...
桜木紫乃さんは五作品目 いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ ° 話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった 著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地にのように逞しく芯が強い そしてその周りにいる男達は頼りない 今作は六章に分かれていて、それぞれの語り手(女六人)がどの物語にも登場する”順子”と繋がっている そして今の”順子”のしあわせを確認したくなると同時に、自分と比べてみる 「私は、あの人(順子)よりしあわせ」 みんなそう思っていた しかし、妻子持ちの男と夜逃げして貧乏のどん底にいながら、一点のくもりもない「しあわせ」を笑顔で語る順子のまっすぐ過ぎる生き様に圧倒される 「今、わたし(順子)はしあわせ」 本当にそう思っているの? 前を向いて歩いていたい、自分が選んだ道を信じていたいの? 言葉にすることによって現実もそうだと思いたいの? そうしていないと心がポキッと折れてしまうのかもしれない 自分がしあわせかどうかはその人にしかわからない 何がしあわせかはその人によって違う 著者が描く女は強い 順子に戸惑い圧倒されながらも、自分なりにしあわせを掴みに行こうとする女達の姿も頼もしい 蛇行しながらも、女達は月のように輝いている.˖٭*
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他人と比較する幸せは結局「しあわせ」に気付かないし、満足しない。 本当の幸せは自分が測るもの。順子の健気な強さが羨ましい。
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連作短編集。 それぞれの視点から書かれていて、年代も少しずつ変わっているので時代の流れも感じられてリアルだった。 たとえお金に余裕がなくても、好きな人と一緒に逃避行した順子は1番キラキラして見えた。 読み終わったあとの余韻がじわじわくる。
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久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。 女って、女性って、人って、と。 どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。 その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。 選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分...
久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。 女って、女性って、人って、と。 どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。 その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。 選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分かっていても難しい。
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全体的に暗く湿っぽい話だったが、それが今の自分の人生観に似ていて話がするすると身体に入っていった。 わかりやすく前向きな話では無いので、中高生や若い人にはしんどい内容かと思う。 だがある程度年齢を経た女性には沁みるような気がする。 ちょっと疲れたな他の人も同じかな?と確かめたい人...
全体的に暗く湿っぽい話だったが、それが今の自分の人生観に似ていて話がするすると身体に入っていった。 わかりやすく前向きな話では無いので、中高生や若い人にはしんどい内容かと思う。 だがある程度年齢を経た女性には沁みるような気がする。 ちょっと疲れたな他の人も同じかな?と確かめたい人におすすめです。
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「ホテルローヤル」と同じ連作短編集ということで期待。6編どれも良かった。自分が善い人になった気がする一瞬があっただけでも読んだ甲斐がありました。
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