岩波講座 現代(6) の商品レビュー
ポスト・コロナの現代でも本書の論考群は現代の諸問題と密接にかかわっていることがわかる。IMFによれば、インドは日本のGDPを抜く予測もでており、その背景には田辺氏の論考による「多元的集団の参加と分有を推進」するインドの性質もあるのだろう。一方、そのGDPも古市氏が指摘するように懐...
ポスト・コロナの現代でも本書の論考群は現代の諸問題と密接にかかわっていることがわかる。IMFによれば、インドは日本のGDPを抜く予測もでており、その背景には田辺氏の論考による「多元的集団の参加と分有を推進」するインドの性質もあるのだろう。一方、そのGDPも古市氏が指摘するように懐疑的な議論がこれまでもされてきた(今では“ウェルビーイング”的な文脈だろう)。昨今でも取り上げられる〈ケア〉については末木氏と河合氏の論考が面白かった。
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宗教学・精神医学・社会科学などの立場から、11人の論者が、現代人のこころの在り様について解説した本。世界宗教のどれか、また日本をルーツに持つペルソナが、どのように考え行動するのかを理解できる。 「大きな物語」を喪失し即答性が求められる今、個人的な一時の激情に身を任せて行動するこ...
宗教学・精神医学・社会科学などの立場から、11人の論者が、現代人のこころの在り様について解説した本。世界宗教のどれか、また日本をルーツに持つペルソナが、どのように考え行動するのかを理解できる。 「大きな物語」を喪失し即答性が求められる今、個人的な一時の激情に身を任せて行動することは、ありがちだ。しかし、それらを傍から見た時に感じる、子どもっぽい狂気。これこそが、その実情の一端を表しているのではないだろうか。 「小さな物語」しか持っていない私には、その切れ端をこころに留め、やがて大きな一枚の布となるまで待つ勇気が必要なのかもしれない。
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